「お化粧」に興味がある男性に向けて、「メンズメイクの初心者向け解説」を書きたい。
なお、メンズメイクには、ビジュアル系やホスト系の「がっつりメイク」と、ビジネスマン向けの「ナチュラルメイク」があるが、本記事では後者の、ビジネスで通用するメイクのみを扱う。
「化粧してるとわからないけど見栄えが良くなる」「コンプレックスを目立たなくする」ことを目指した、メンズメイクの基礎的な知識と方法を解説する。
メンズメイクの考え方
男性が化粧をすることは、まだ社会では常識的なものになっていない。
「男のメイクはアリかナシか?を考察&解説」という記事において、「今はまだ認知度が低くても、将来的にはアリになっていく可能性が高い」という結論を出した。
「男性の化粧は、どこまでがアリで、どこからがヤリ過ぎか?」は、TPO(時と場合)によって異なる。
ビジネスや恋愛の場において、普通に印象をよくする上では、「ベースメイク」重視のやりすぎない化粧のほうが、汎用性が高いだろう。
この記事は、「コンプレックスを隠し、肌を綺麗にするベースメイクのみ」を解説していて、アイラインとかノーズシャドウのような「ガッツリメイク」に関しては別にまわしている。
どんな化粧をするにしろ、「ベースメイク」までの知識は必須なので、化粧に興味のある男性には役立つ記事になっているはずだ。
なお、「濃すぎるメンズメイク」も、周囲から引かれてしまう可能性もあるが、「写真や動画の映えを良くする」という点においては、かなり強力な効果を発揮する。
メイクを頑張れば、「プロフィール写真用の奇跡の一枚を撮る」というのがすごく簡単になり、SNSやマッチングアプリを使う上で有利になれるだろう。
「どれくらいまで濃いメイクをするか?」は本人の判断によるが、男性でも、積極的に色んなタイプのメイクを試してみて損はない。
メイクはYouTube動画で勉強しよう
今のたいていの若い女性は、YouTube動画を見て化粧のやり方を学ぶだろう。
メイクを学ぶ上でもっとも有用な手段は、YouTubeだ。
最近は、「メンズメイク」の動画を上げる男性も増えてきている。メンズメイクを極めたいなら、積極的にYouTubeから学んでいくのが良い。
おすすめの動画をひとつ挙げるなら、以下、人気ユーチューバー「フレント」氏のメイク動画。
これくらい雑にやっても、わかりやすくルックスが向上しているのが見て取れるだろう。
また、この動画は、動画説明欄におすすめの男性メイク関連動画へのリンクが載っているので、それも含めて参考になる。
男性の化粧でフェイスパウダーまでやるのは、ビジネスの場などではちょっとやり過ぎて、対面してみると「粉っぽさ」「化粧してる感」を相手に与えてしまうメイクかもしれない。
ただ、「写真映え」や「動画映え」を目指す上では、雑なメイクでもかなり大きな効果があることがわかる。
メンズメイクの手順
基本的な化粧の手順としては、以下の通り。
- 洗顔
- スキンケア(保湿)
- 化粧下地
- コンシーラー
- ファンデーション
- フェイスパウダー
- (アイブロウ、シェーディングなどプラスαの化粧)
- クレンジング(化粧落とし)
この並びを見て、「面倒くさっ!」とたじろいでしまう人もいるかもしれないが、「化粧下地、コンシーラー、ファンデーション、フェイスパウダー」の効果をひとまとめに行うことができる「BBクリーム」という化粧品などもあり、ラクをしようと思えばかなり省略できる。
「化粧下地、コンシーラー、ファンデーション、フェイスパウダー」といった工程を「ベースメイク」と呼び、これが男性の化粧のメイン部分になる。
「ベースメイク」より上の工程に関しては、本記事は初心者向けの解説なので、紹介していない。
まずは、「スキンケア」「ベースメイク」「クレンジング」といった基本中の基本をしっかり押さえよう。
スキンケア
化粧前における「スキンケア」は、肌にうるおいを与えて、メイクを馴染みやすくさせることを言う。
実はメイクの工程において「必須」ではない。もともと肌が綺麗で潤いのある人は、特別なスキンケアなどせずとも、そのまま化粧を始めることができる。
ただ、最低限の保湿はなるべくやったほうが良く、洗顔後に「化粧水」を肌になじませて、化粧しやすいように整えるのだ。
「化粧水」や「美容液」を肌になじませるのは、いわば化粧前の準備運動のようなものだ。
省いても化粧は成り立つが、やったほうがいい工程ではある。
ちなみに、「化粧水」や「美容液」といっても、ほとんどの成分は水であり、そこまで強くこだわる必要はない。安いもので十分。
スキンケアに関しては、別に詳しい記事を書いているので、それを参考にしてもらいたい。
ベースメイク
一番ちゃんと解説しなければならないのだが、この「ベースメイク」の部分。
ベースメイクに必要な「基礎化粧品」に関しては、薬局などで化粧品を探そうとしても、色んなクリームやらファンデーションがあって、メイク初心者であれば戸惑ってしまうだろう。女性でも普通に混乱するくらい、色んな基礎化粧品がある。
まず用語の解説をする。登場するのは主に5つだ。
- 「化粧下地」……上から塗る化粧品の乗りを良くする。化粧品から肌を守る。プライマーとも呼ばれる。
- 「コンシーラー」……染みや肌荒れなどファンデーションで均しきれない部分をカバー。
- 「ファンデーション」……毛穴などの凹凸をなくし、色を均一にすることで肌を綺麗に見せる。
- 「BBクリーム」……「化粧下地」と「ファンデーション」が一体になったもの
- 「フェイスパウダー」……フェイスパウダーの強化版みたいな感じで、最後につける。
といったところ。
紛らわしいのは「BBクリーム」というもの。「BBクリーム」は、「化粧水、化粧下地、日焼け止め、コンシーラー、ファンデーション」などが一体になって、「これ一本だけ塗ればOK」という便利アイテムだ。「こんなのあったら便利だからみんな使うんじゃ?」と思うかもしれないが、実際にとても人気が高く、めちゃくちゃ使われている。
男性用化粧品ではなく、女性用化粧品として「BBクリーム」は発売されたのだが、男性のベースメイクとしては「BBクリーム」は圧倒的な人気の高さを誇る。何よりラクだからだ。
ただ、「化粧下地」「コンシーラー」「ファンデーション」を丁寧に組み合わせたほうが、完成度が高くなる場合が多い。特に、気になる部分をしっかりカバーする「コンシーラー」を使う場合は、下地とファンデーションの手順を踏んだほうがやりやすくなる。
どのベースメイクが良いかについては、「基礎であり奥義」みたいなところがあり、化粧をずっと続けている女性たちの間でも、様々なやり方や考え方の相違がある。
肌質や体調などによっても、最適なベースメイクは違うので、とても奥が深い。
どういう順番でどの化粧品を使うか?
まず最初に悩むのが、「どの順番で使えばいいの?」ということだろう。これは簡単にわかる鉄則がある。
「液状のものから粉状のもの」「サラサラしたものから粘土の高いもの」がメイクの基本だ。
「リキッド」と「パウダー」では、リキッド(液体)が先で、パウダー(粉)が後。
「化粧水」と「クリーム」では、化粧水(サラサラ)が先で、クリーム(ねっとり)が後。
メイクの順番に悩んだときは、これを基準にすれば、順番を間違えることはないだろう。
メイクの順番の悩みでありがちなものとして、「BBクリーム」と「コンシーラー」のどちらを先に使うか?がある。
これは、原則通り、液状感と粘土の低い「BBクリーム」のほうが先であり、あとから「コンシーラー」を塗るのが正解になる。
一方で、コンシーラーを塗るだけだと均一感が足りず違和感が出る場合もあり、できれば「コンシーラー」で気になるところを隠したいのであれば、あとから「ファンデーション」で更に均すというのが、スタンダードな方法の一つと言えるかもしれない。
とは言え、「BBクリーム」と「コンシーラー」のみで済ませる人も多く、ここらへんは肌の事情に拠るところが大きく千差万別だ。
ていうかメンズの化粧においては「コンシーラー」を単体で使う人もいて、やり方は本当に色々あるので、自分に合ったものを探すしかない。
化粧品の名称や種類はいろいろとややこしい
原則としては上で紹介してきた通りだが、化粧品は色々と名称がわかりにくかったりする。
例えば、「ファンデーション」ひとつとっても、「パウダータイプ、固形タイプ、リキッドタイプ、クリームタイプ」と、種類が多い。
塗る順番自体は、「液状のものから先」「粘土が低いものから先」であり、これを意識すれば大きな間違いは起こらないだろう。
それでも、「これとこれを組み合わせるとどうなるか?」というのは無限にバリエーションがあり、明確な答えはない。
「慣れ」と「試行錯誤」が大事
結果のところ、まずは基本的なやり方を踏襲しつつも、「どうすれば肌がいい感じになるのか?」を自分で実感しながら試行錯誤していくしかない。
まずは化粧をすることに慣れ、効果を実感し、自分に合う化粧品を探しながら改善していくという過程を通して、化粧スキルは磨かれていく。
ラクなことではないが、女性はみんなこれをしていると考えると、その大変さがわかるだろう。これでも、男性はベースメイクのみでほぼ化粧が完成するので、女性と比べてまだまだ大分ラクと言える。
一番やりやすくてラクなのは、「BBクリームのみ」というやり方。初心者はまずはこれでいいと思う。
青髭やニキビなど、明確なコンプレックスに対処したい場合は、「化粧下地→コンシーラー→ファンデーション」の構成にしたほうが、コンプレックスを隠した上で綺麗に魅せやすい。
塗り方は?
化粧品の「塗り方」だが、基本的には「手につけて塗るだけ」でいい。
道具を使って「塗る」のも、手に広げて「塗る」のも、そんなに大した違いはない。(こだわる人にとっては塗り方にも色んな哲学があるが。)
粉状の「ファンデーション」や「フェイスパウダー」は、付属のスポンジにつけて乗せるように塗る。
「化粧下地」「ファンデーション」「フェイスパウダー」「BBクリーム」は、どれも顔全体にまんべんなく塗るものだが、「コンシーラー」は気になるところの周辺にピンポイントで塗る。
「塗り方」に関しては、いくら文字で丁寧に説明してもわかりにくいので、YouTube動画などを漁って学んだほうがいい。
ベースメイク+α
「ベースメイク」のあと、プラスαで色々な化粧が考えられる。
- カラコン
- 眉毛を描く
- 二重にする
- アイシャドウを塗る
- 涙袋を作る
- 鼻を立体的にする
- リップを塗る
などなど。
これもややこしいのだが、人によっては、「ノーズシャドウ」や「アイブロウ」の工程のあとに、「ファウンデーション」や「フェイスパウダー」を塗ったりする。つまり、これらの工程が、必ずしも「ベースメイク」の後に来るわけではない。
ここらへんに関しても、「こうしたら絶対に良い!」というのはないし、ビジネスの現場では「ヤリ過ぎ」になってしまう場合が高い。
本記事は初心者向けのメイク動画なので、このプラスαの部分を紹介することはしない。
これらに関しては、「絶対にこうすればいい」という方法が理論的に定まっているわけではないので、メイク関連のYouTube動画を漁ったりして、自分なりのやり方を見つけ出していくしかない。
YouTube上には、男性メイクよりも女性のメイク動画のほうが圧倒的に豊富だ。そのまま真似することはできないものの、女性のメイク動画のほうが何倍もレベルが高いので、技術を取り入れるつもりで、男性メイクを開拓していくのはいいかもしれない。
注意点だが、「メイクはTPO(時と場合)」であり、現時点では男性のメイク自体に賛否がある状態なので、動画などで紹介されていたからといってそのままのメイクをして会社に行ったりしても、引かれてしまう場合もある。まずは控えめなメイクから、少しずつ慣れていくのがいい。
クレンジング(化粧落とし)
メイクをした後は、肌のために、化粧品をしっかり洗い流すことが重要だ。
化粧品は油分なので、水だけでは落ちにくい。
男性用の洗顔剤は、油分を洗い流す成分が含まれているので、軽くメイクする程度であれば、洗顔剤でも十分に落ちる。
マスカラやアイブロウで「描く」場合や、フェイスパウダーをがっつり塗るのであれば、「クレンジングオイル」や「化粧落としクリーム」などを使ったほうがいいだろう。
「クレンジング(化粧落とし)」は、「後片付け」なので、面倒くさいかもしれないが、しっかりやることが次のケアに繋がる。化粧を落として洗顔したあとは、化粧水や保湿クリームなどで肌の保湿をするのが良い。
初心者向けメンズメイクの解説は以上になる。参考になったのなら幸いだ。
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