「投資」について学ぶためのおすすめ本を紹介【初心者から上級者まで】

「老後に2000万円足りない」という話が流行っていたりして、投資を始めようとする人が増えているらしい。

しかし、勉強せずに投資を始めたところで、残念な結果になってしまうことが多い。投資は、お金が減ってしまうこともある、危険な行為だ。

投資という世界に挑むのであれば、せめて、本を何冊か読んで勉強してからにしたほうが良い。

今回は、「投資」について学ぶためのおすすめ本を紹介していく。

「投資」は、明確な正解がないものなので、根拠のない話が蔓延しやすい。この記事では、具体的なテクニック本よりも、「投資について本質的に考えることのできる優良書籍」を厳選して紹介している。

「株」や「FX」のテクニカルな方法ではなく、「投資」というものを広く捉えて、本質的な知識になる良書・古典を多く選んだ。

もし、お金の仕組みやマネーリテラシーに関して、「投資」以前の最低限の知識が不足していると感じている人は、お金を学ぶためのおすすめ本&漫画本を紹介のほうを参考にしてもらうといいかもしれない。

 

改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学

著者 :ロバート・キヨサキ
翻訳者:白根美保子
出版社:筑摩書房
発売日:2013年11月8日

世界中で売れているベストセラーで、入門者向けの「投資本」の中では、最も有名なものの一つ。

投資の重要さを、これでもかと説いているし、読めばそれが実感できる。

タイトルから想像できるが、「金持ち父さん」は投資をした人で、「貧乏父さん」は頑張って働いているけど投資をしていない人。

資本主義社会では、労働を頑張ってもあまり給料が上がらず税金で持っていかれるだけなので、労働によって得た所得を「資産」に変えて、「お金に働かせる」ことができなければ、貧乏になっていくだけだ。

自己啓発的な内容も多いが、「投資の重要性」を初心者にもわかりやすく教えてくれる。

今まで「投資」を考えたことがなかった人にこそ、読んでもらいたい。

 

臆病者のための億万長者入門 (文春新書)

著者 :橘玲
出版社:文藝春秋
発売日:2014年5月20日

「投資には興味があるけど、ギャンブル性のあるものは怖い」という、「臆病者」のために、どうやって投資でお金を増やしていけばいいかを解説する新書。

年金崩壊、国家破綻など、将来の危機が迫っている今、臆病者こそ、投資と資産運用によるリスクヘッジを考えるべき、という内容。

初心者でもわかりやすいように、年金、保険、為替、株、投資信託、不動産などの基礎知識を語る。

『臆病者のための株入門』という本が2006年に出版されているが、今から読むのであれば2014年に出版された本書がおすすめ。

 

敗者のゲーム〈原著第6版〉

著者 :チャールズ・エリス
翻訳者:鹿毛雄二
出版社:日本経済新聞出版社
発売日:2015年1月24日(第6版)

もはや古典と言ってもいいアメリカのベストセラーで、何度も版を重ねている。

資産運用のバイブルとして、長く読みつがれている投資本だ。

「安全な範囲で、経済指標と連動したインデックスファンドを買おう」という、投資において最も保守的な安定択を推奨している本。

メッセージはシンプルだが、そこに至るまでの過程が非常にロジカルかつ真っ当で、とても勉強になる。

長期的な視野で自分の資産を増やし、自分の欲望を律し、最初に立てた方針を守っていくための術が、「人間に対する考察」と言えるくらいの深さで分析されている。

本書に書かれている内容こそを「投資の基本」と言っても、言い過ぎではないと思う。

 

ウォール街のランダム・ウォーカー<原著第12版> 株式投資の不滅の真理

著者 :バートン・マルキール
翻訳者:井手正介
出版社:日本経済新聞出版社
発売日:2019年7月20日(第12版)

初版は1973年だが、版を重ねて読み続けられる、「投資本」の名著中の名著。

要するに、「市場は本質的に不安定なものであり、ギャンブル要素が高い投資はいずれ失敗する」ということが書かれている。

これほど面白みのないメッセージであるにもかかわらず、長くに渡って読みつがれている理由は、投資というものを本質的に分析する手腕が優れているからだ。

投資を志す者であれば、本書の内容程度は最低限理解しておきたい。

「すぐに稼げる!」とか「投資で大成功!」みたいな話は、今でもそこら中に見かけるが、本書をしっかり読んでいれば、本物と偽物を見分けることができる。

上の『敗者のゲーム』と並んで、投資についてまともに勉強する上では必読の書籍と言える。

 

インデックス投資は勝者のゲーム──株式市場から確実な利益を得る常識的方法

著者 :ジョン・C・ボーグル
監修 :長尾慎太郎
翻訳者:藤原玄
出版社:パンローリング
発売日:2018年5月13日

稼いだ給料は、銀行に貯金するよりも株式として持っておいたほうが配当が多いという事実の上で、「最も安全に株式市場からリターンを得る方法は何か?」を徹底的にロジカルに解説している本。

「株で大儲け!」ではなく、「堅実的な投資で資産を増やしていく」ための分析。

上で紹介した『敗者のゲーム』や『ウォール街のランダム・ウォーカー』を踏まえた上で、真っ当に「インデックス投資」することの有用性を説いている。

古典を読むのも重要だが、こちらのほうが出版日も新しく、実践的な内容も多いので、すでにある程度の知識や経験があり、ショートカットしたいのであれば本書から読むのも良い。

合理的に、コストを避け、堅実なリターンを得ていく術が詰まっている。

投資における「常識」と「基本」を学ぶことができる、内容が詰まった良書だ。

 

株式投資 第4版

著者 :ジェレミー・シーゲル
監修 : 藤野隆太、林康史
翻訳者:石川由美子、鍋井里依、宮川修子
出版社:日経BP
発売日:2009年7月23日

株式投資のベストセラー『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』の著者であり、米国において圧倒的な知名度と権威を持つ「ジェレミー・シュゲール」による株式投資指南書。

今から読むなら、複数の監修者、翻訳者付きで、日本語にしっかり翻訳されて、内容もまとまっている本書をおすすめしたい。

内容としては、株式投資のうちでも、「長期投資(バリュー投資)」を推奨するものとなっている。

「短期トレード」や「デイトレード」、「FX」などと違って、優良企業の株を長期間保有するという、もともとの株式の有用性に適った投資の方法を指南している。

非常に真っ当で、オーソドックスな内容。

株式投資を志す者、全員におすすめできる。

「自分はインデックス投資でやっていきたい」、あるいは「短期投資でやってやる」、と考えている人でも、本書の内容に目を通しておいて損はない。

 

ザ・トレーディング──心理分析・トレード戦略・リスク管理・記録管理

著者 :アレキサンダー・エルダー
翻訳者:福井強
出版社:FPO
発売日:2019年3月1日

多くの「投資本」において、最も堅実にリスク分散する方法として「インデックス投資」が推奨されている。

また、ある程度のリスクはあるが、投資の本来的な役割に適った方法としては「長期投資」が推奨されることが多い。

一方で、「短期投資」や「デイトレード」などを行う「トレーダー」として成功している人も数多くいるのが事実だ。

本書は、「どうすればトレーダーとして成功できるか?」を分析した本。

自制心を発揮し、集中力と冷静な判断力を維持し、トレーダーとして勝ち続けるためのノウハウが書かれている。

トレード戦略の立て方、リスク管理の考え方、記憶の付け方と管理方法など、具体的で実践的な内容が多い。

個人的には、投機性の強い「短期投資」はあまりおすすめできるものではないと思うが、トレーダーを目指す人なら一読の価値は必ずある。

 

株で富を築くバフェットの法則[最新版]—不透明なマーケットで40年以上勝ち続ける投資法

著者 :ロバート・G・ハグストローム
翻訳者:小野 一郎
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2014年4月25日

世界最高の投資家として名高い「ウォーレン・バフェット」の思考をまとめた本。

過去に似たような本はたくさん出されているし、何度も版を重ねているが、今から読むなら本書がおすすめ。

過去の投資事例を分析し、バフェットの投資戦略を分析している。

「投資」をするつもりがなくとも、純粋に教養書として読みたいほどのクオリティだ。

「事例分析」や「偉人伝」のような内容で、「ここに書かれた方法をなぞれば誰でも成功する」という内容ではないことに注意。

天才の思考と戦略を追うための本だが、能動的に考える能力がある人なら、本書から様々なものが得られるだろう。

 

ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け

著者 :ピーター・リンチ、ジョン・ロスチャイルド
翻訳者:三原淳雄、土屋安衛
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2001年3月1日

「投資の神様」と称される「ピーター・リンチ」が、如何にして投資先を選び、実践していったのかが書かれた本。

投資家の体験談であり、指南書という風合いは薄い。具体的な投資法を求めて読んでも得るものは少ないが、読み物として純粋に面白い。

事例はやや古く感じるが、過去の成功した投資エピソードを把握しておくことは、これから起こる似たような状況に対応するためのヒントとなることが多いので、書籍によって知識を得ることはやはり重要だ。

 

私の財産告白 (実業之日本社文庫)

著者 :本多静六
出版社:文藝春秋
発売日:2013年5月15日

「日本人の著名な投資家は誰か?」という質問に対して、すぐに回答が浮かぶ人は少ないだろう。

「本多静六(ほんだせいろく)」は、「月給4分の1天引き貯金」を元手に株式投資をして、巨万の富を築き上げた日本の投資家だ。なお、その多額の財産を寄付したことによって名を残している。

1866年生まれの人であり、生きている時代が違うので、具体的な投資の参考にはならないかもしれない。だが、投資を志す者であれば、読んで嬉しくなるような文章が詰まっている。

投資の第一条件は安全確実である。
しかしながら、絶対安全をのみ期していては、いかなる投資にも、手も足も出ない。
だから、絶対安全から比較的安全、というところまで歩みよらねばならぬ

などの名言は、当たり前のことながら、文章にして改めて示されると、深く納得させられるものがある。

日本を代表する投資家が、自己の投資人生をふり返った本で、「投資による快楽」を追体験することができる。

「賢い投資」をする上で役に立つ本ではないが、投資を学びたいと思っている人であれば、心に響くものが多いはずだ。

 

 

紹介は以上になる。

当ブログでは、「経済」を学ぶためのおすすめ本や、「働き方」や「雇用」について考えるためのおすすめ本の記事なども執筆している。本記事が参考になったなら、以下の記事もよかったら読んでいってほしい。

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「働き方」や「雇用」について考えるためのおすすめ本を紹介【労働問題に関する書籍】

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