地理(街歩き、散策)が楽しくなるおすすめ本を紹介【地理学・地図学】

「地理」を学ぶメリットはとても多いと思う。

地理学の視点を持っていれば、街をぶらぶら歩いただけでも、色んな発見を知識と結びつけることができて、より楽しめる。

人間の生活は地理と切り離せない。地理的思考力があれば、日常的な洞察力や観察力も上がるので、中二病的な「頭の良さ」を目指す人ほど、地理を学ぶと良いかもしれない。

「地理」は、自然科学から自分科学まで、幅広いジャンルの知識の複合体であり、なかなか体系化がしにくい。そのため、「地理」というジャンルで出版されている本はあまり多くはないのだが、その中でも厳選した良書を紹介する。

「地理」に少しでも興味がある人は、ぜひとも本記事を参考にしていってもらいたい。

 

はじめて地理学

著者 :富田啓介
出版社:ベレ出版
発売日:2017年11月16日

「いつもの景色」を「今までとは違った視点」で見るための、「地理学」を優しく教えてくれる本。

著者の専門は「自然地理学」だが、自然科学だけでなく社会科学の面にも言及がされており、バランスが良く堅実な内容。

単なるトリビアの羅列ではなく、しっかりと体系を持って原理的な解説がされているので、初心者向けの本として最もおすすめできる。

門外漢に向けて、「地理学」の思考法や知見を、とてもわかりやすくレクチャーしてくれる。

 

自然のしくみがわかる地理学入門

著者 :水野一晴
出版社:ベレ出版
発売日:2015年4月16日

自然地理学者で、河合塾の人気講師でもあった著者による、わかりやすい地理学入門。

素朴な「なぜ?」をベースに、地理の魅力を解説していく。

地形や地盤、気候や植物から、現代の建物や生活習慣の成り立ちを読み解く。

写真や図板が豊富で、イメージがつかみやすい。

街歩きなどをするときにも、理系的な視点で空間を眺められるようになる。素晴らしい内容の著書。

 

人間の営みがわかる地理学入門

著者 :水野一晴
出版社:ベレ出版
発売日:2017年11月16日

「地理学」は、大まかに、理系のアプローチである「自然地理学」と、文系のアプローチである「人文地理学」の2種類がある。

上で紹介した『自然のしくみがわかる地理学入門』と同じ著者だが、あちらが「自然地理学」のほうに寄っているとしたら、本書は「人文地理学」のほうに寄っている。

人種、宗教、農村、人口などの視点から「地理」を読み解いていく。

「バナナはなぜ安いのか?」「村はどのようにできるのか?」などの具体的な質問をベースに進めていくので読みやすい。

両方ともおすすめできる本だが、理系の話が苦手な人はこちらから読むのがいいと思う。

 

目からウロコの なるほど地理講義 地誌編&系統地理編

著者 :宮路秀作
出版社:学研プラス
発売日:2019年4月23日

「地理」は、高校の社会科の科目の一つにもなっている。

本書は、高校地理の大学受験用のテクストではあるのだが、読みやすいし面白いので、大人が趣味で勉強しようとする上でも有用。

地理は、地名などの「丸暗記」のイメージが強いが、本書は理解と納得に重点を置いている。新書などと同じように、普通に「読める」ので、読書好きな人ならストレスを感じずにスラスラ進めることができるだろう。

本書で勉強してみると、地理というのは、地形、天候、産業、経済など、あらゆる観点が入り混じったジャンルのように思える。

「体系だった地理」を初心者が学ぼうとする上では、大学受験用のテキストがもっとも手堅いかもしれない。予備校カリスマ講師による解説で、最後まで楽しく読める。

 

経済は地理から学べ!

著者 :宮路秀作
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2017年2月17日

上で紹介した、「地理」担当のカリスマ予備校講師「宮路秀作」氏による、大人向けの読み物。

「地理の視点」から、経済を現象を読み解く。

「地形がどのような影響を人間の営みに与えているのか?」ということで、得られる視点、教養はかなりのものにのぼる。

問いの立て方も非常に興味深く、「なぜロシアの最大輸出国はオランダなのか?」とか「イギリス料理がまずいと言われるのはなぜか?」など、知っていて説明できると一目置かれるような視点をたくさん与えてくれる。

教養や経済センスを得たいビジネスマンなどにもおすすめできる。

単純に読んでいて面白く、万人向けの内容。地理関連の本の中では一番薦めやすいかもしれない。

 

現役東大生の世界一おもしろい教養講座 -正しく未来を見通すための「地理的思考」入門-

著者 :西岡壱誠
出版社:青春出版社
発売日:2016年8月30日

現役東大生による、「地理的思考」入門。

本記事の意図に沿ったテーマだと思うし、イラストが多く、デザインが工夫されていて読みやすい。

知識に関しては、著者がまだ若いからか、やや底が浅い印象は否めない。大づかみなのは良いが、看過できないロジックの飛躍がところどころで見られる。

しかし、「地理から文化を考察する」というテーマ自体には非常に価値があり、目の付け所は素晴らしい。

 

経済と“世界の動き”が見えてくる! 東大のクールな地理

著者 :伊藤彰芳
出版社:青春出版社
発売日:2016年8月30日

「地理」は、「日本史」や「世界史」と比べるとマイナーな科目で、私立大学となると「地理」を選べないことが多い。一方で「東大」は、地理を選択することができて、暗記力よりも思考力を問われる良問が多い。

東京大学の2次試験を解説するような形で、「地理」のエッセンスを紹介する。

良質な東大の入試問題に回答できるための思考を解説するので、かなり勉強になるし、本質的な知力を鍛えることができる。

東大の問題とは言え、地理に関する前提知識は必要とせず、すべて本書で最初から説明されているので、気軽に読み始めることができる。

 

「地図感覚」から都市を読み解く: 新しい地図の読み方

著者 :今和泉隆行
出版社:晶文社
発売日:2019年3月14日

最高の本なので超おすすめ!

「地図感覚」を養うという趣旨で、地図から色々なものを読み取る方法を伝授してくれる。

地図を見れば、その都市の生態がわかる。

本書で紹介されているような「地図の見方」なんて、普通は習わないけど、どこかで教わったほうが良い知識であることは間違いない。

視点が面白く、読んでいてめちゃくちゃ面白い。知識が自分の生活とも繋がってくるので、本当に素晴らしい知的体験!

グーグルマップなどと合わせて無限に楽しめる!

地図が苦手な人、方向音痴の人は、ぜひとも本書を読んで欲しい。地理の魅力に目覚めるかも?

 

地形で解ける! 東京の街の秘密50

著者 :内田宗治
出版社:実業之日本社
発売日:2016年5月28日

東京の街歩きがめちゃくちゃ楽しくなる本。

本書のような本で知識を得て、グーグルマップで予習し、東京の駅から駅の間を歩いたりするだけで、とても楽しく知的な休日を過ごせる。

東京の全貌がなんとなく把握できた気になるし、実際に知識を得て、その場を歩いてみるということ自体に、深い知的な喜びがあることを実感できた。

知識を得ることで、東京という街にも愛着が湧いてくる。

東京近辺に住んでいる人には本書がおすすめ。ぜひ地理を勉強してから、街歩きをしてみて欲しい。

 

 

「地理おすすめ本」の紹介は以上になる。

当ブログでは「日本史おすすめ本」「世界史おすすめ本」なども紹介しているので、よかったら以下の記事も見ていってほしい。

大人や社会人が「日本史」を勉強し直すためのおすすめ本【通史・教養】

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大人や社会人のための「世界史」学習本を紹介【通史・教養・歴史の勉強】

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