「農業を学びたい」「就農を検討している」人におすすめの書籍を紹介

「農業」について学べる本のおすすめを紹介する。

あらかじめ言っておくと、自分は就農経験者というわけではない。ただ、親類が農地を持っていて、農業については常に関心を持っているし、就農を検討したこともある。

自分は「本から学びたい」と思うタイプで、このような記事を見ている人も、似たようなタイプが多いのではないかと思う。

具体的なハウツーに関して言えば、直接ワードを検索したり、実地の人に聞いたりしたほうが手っ取り早い。

「本から情報を得たい」と考えている人は、もっと本質的で体系的な内容を求めている場合が多いだろう。そのような人に向けて、今まで読んできた中で良書だと思った農業関連の書籍を、厳選して紹介している

「農業」や「就農」に興味があり、知識を得たいと思っている人は、参考にしていってほしい。

「農業」という生き方 ど素人からの就農入門

著者 :永峰英太郎
出版社:角川アスキー総合研究所
発売日:2011年8月10日

ルポ的な内容と、分析書的な内容の両方が含まれた、「就農入門」。

もともと農業に縁がなく、サラリーマンなどをやっていてまったくのド素人状態から就農した人たちをルポルタージュ的に取材して、現代における「農業」という生き方が、はたしてどういうものなのかを探り出す。

困難や失敗なども隠すことなくきっちり書き、信頼のおける内容。米農家、いちご農家、酪農家、有機野菜農家などのリアルを描き出していて、読み物としても普通に面白い。

農業関連の本は、楽観的にビジネスチャンスを煽る本や、逆に悲観的に問題点を挙げる本が多めだが、本書は中立的な視点から、農家の「実態」を描いている。

日本のリアルな農業がわかる。様々な教訓を得られる内容だとも思うので、「就農」に興味のある人なら手に取って絶対に損はない。

 

ゼロからでもできる農業のススメ

著者 :常瀬村泰
出版社:扶桑社
発売日:2009年5月30日

地方では農業用地が余って、跡継ぎがいない農家がこれからもたくさん出てくる。

そんな中、農業ジャーナリストが、まったくの初心者に向けて、農業の始め方をレクチャーする本。

表紙や帯からは訝しく思えるような、軽々しく見える本だが、分析は堅実で、おすすめできる内容だった。

ハウツーではなく、「農業における考え方」を養う本。

農業があまり儲からないこともよくわかるが、農業ならではの素晴らしさもよくわかる。

 

キレイゴトぬきの農業論

著者 :久松達央
出版社:新潮社
発売日:2013年9月14日

往々にして、イメージと実態は違うものだ。それは農業については顕著で、「有機農法は質が高い」とか「農家の仕事は泥臭く苦しい」といったありがちなイメージとは違う現実を解説する。

様々なトピックがあり、小規模農家がどうやって戦略を立てればいいのか、農業にはセンスもガッツも必要ないなど、刺激的な論点が多く、イノベーティブな視点で農業を見ることができるようになる。

わりと内容は常識的というか、世間の誤解と現実との乖離に焦点を当てた本ではある。農業にある程度詳しい人からすると、当たり前の内容のように思えるかもしれない。

 

日本農業の真実

著者 :生源寺眞一
出版社:筑摩書房
発売日:2014年1月10日

新書だが、農業経済学が専門で、政策形成にも関わってきた大学教授による、ガチの農業講義。内容のレベルは高く、教養のある人向け。

人口減少、高齢化、経済の高度化など、日本の様々な問題は、「農業」とも連動している。

農業に関わる問題を、経済的、社会的、文化的、コミュニティ的な側面から論じる。

学術的な訓練を積んだ学者が、農業の問題点を堅実に分析しているが、歯がゆく残念な気持ちがする一方で、新しい希望も見えてくる。

やや難しめの内容だが、農業問題や就業に対して興味と野心のある人には、ぜひ読んでもらいたい一冊。

 

都市と地方をかきまぜる 「食べる通信」の奇跡

著者 :高橋博之
出版社:光文社
発売日:2016年8月17日

「農業」を考えるうえで、地方と都市、情報化の視点は欠かせないと思う。

本書は、「食べる通信」という、農業や漁業の現場とオンライン通販を融合させた媒体の編集長である著者が、都市と地方について語る内容。

直接「農業」について語った本ではないかもしれないが、農業を学びたい人や、就農を検討している人にとって、非常に有用な書籍なので紹介したい。

食糧を生産すること、それと共に情報化社会とコミュニケートすること、地方と都市を繋いで価値を提供していくことなど、様々な知見が得られ、感動してしまうような素晴らしい内容。ぜひ読んでいただきたい。

 

以上、「農業」に関する書籍を紹介してきた。

AIとかシェアエコノミーとか色々な新しいビジネスが言われてるけど、これからの日本では、跡継ぎのいない農家がたくさん出てくるし、命や安全に関わる「農業」は、実は非常にアツい分野になると思っている。

これからも農業関連のことについては、勉強を続けていきたい。

 

当ブログでは、農業に限らない「おすすめの本ランキング」などの記事も書いているので、よかったら以下も見ていってほしい。

おすすめの本ランキング!教養で差をつける書籍(新書・学術書・ビジネス書)を紹介

2018.12.30

 

スポンサーリンク

コメントを残す