転職を考えている人、キャリアプランの戦略を立てたい人向けの、「転職・キャリア」本のおすすめを紹介する。
- 転職する上で何を考えるべきか?
- どうやって自分の市場価値を高めるか?
- どうやってこれから伸びそうなマーケットをどう見定めるか?
- 時代の変化に合わせてどうやってキャリア戦略を立てるか?
などなど、しっかり考えたいのであれば、体系的に書かれた書籍を読んで勉強するのが良い。
転職やキャリアについて気になっている人は多くても、「本を一冊読むだけで得られる前提知識」を持っていない人は意外と多い。
将来を大きく左右することなので、勉強するかしないかで、長期的には大きな差になって表れるだろう。
以下の書籍を読んで、転職活動やキャリアプランの参考にしてほしい。
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2018年6月21日
まさに本のタイトル通り、「会社やめるべきか……?」と考えている人にとって、知っておいたほうがいい知識がたくさん書かれている。
「上手な転職」を考えることは、「長期的に人生を良くしていけるキャリアプラン」を考えることと同義である。
ストーリー形式ですらすら読みやすく、追い詰められている人にも勇気を与える内容。「仕事つらいなあ」とか「会社やめようかな」と考えている人は、手にとって損はない。
むやみに転職を薦めるのではなく、自分の「マーケットバリュー」を意識した上での、「賢い転職の道筋」を提案している。
「何もかもわからない状態で、取り敢えず耐えられなくなったから辞める」というのが悪手であることは言うまでもない。
仕事で実績をあげることは簡単ではないが、本を読んで知識を得ることは比較的簡単だ。
転職を考えている人に、まずおすすめできるのがこの一冊。
転職に向いている人 転職してはいけない人
出版社:日本経済新聞出版社
発売日:2017年5月25日
どういう人が転職で人生を好転させることができるのか、逆に、どういう人は転職しないほうがいいのか?
自分がこの会社にいていいのかどうか迷っているときに、判断基準になる話がたくさん出てくる。
「35歳」が転職の市場価値の分岐点であることは、キャリアコンサルタントの間においては常識だが、一般人にはあまり知られていない。
不用意に転職してしまわないように、あるいは、良い転職のチャンスを逃さないために、35歳以下の人も以上の人も、知っておいたほうがいい「キャリアの考え方」が載っている。
転職して「成功する人」と「後悔する人」の習慣 (アスカビジネス)
出版社:明日香出版社
発売日:2014年8月12日
8000人ものキャリア相談を受けたコンサルタントが、どうすれば「良い転職」が可能になるのかの経験則や、実際に就職する上でアピールしたほうが良いポイントなどを解説する。
経験則がたくさん詰まった本なので、転職を考えている人は一読の価値がある。
短いフレーズの格言みたいなものが多く、読みやすいぶん、論理的、体系的に理解したいという人には向いていないかもしれない。
具体的な優れた方法を得られるというより、長期的なキャリアプランを考えた「心構え」や「準備」を説く、ビジネス本的な内容。
今すぐに転職するかどうかを悩んでいる人には、上で紹介した2冊のほうがおすすめ。
「いつでも転職できる」を武器にする 市場価値に左右されない「自分軸」の作り方
出版社:KADOKAWA
発売日:2019年4月27日
真っ当にキャリアプランを考えていくための本。
変化が早く何が起きるかわからなくなっている世の中で、結局のところ、一番安定するキャリアプランは、安定した会社に務めることではなく、どこの会社に行っても通用する人材になることだ。
即効性のある「転職本」というわけではないが、キャリアプランを考えていく上で、めちゃくちゃ良い内容が詰まっている。
著者はエリートの世界で働いてきた人だが、「普通のサラリーマンだから強みになる実績とかないです」とか「どうやって自分の市場価値を判定すればいいんですか?」というごく一般的な課題について、非常にスタンダードかつ堅実な解答を提示している。
人事のプロが、キャリアプランにおける基本的な考え方を、しっかりと解説している本。
どういう働き方をするにしても、一度は理解しておいたほうが良い内容。
労働市場で生き残っていくための、有用な知見と真っ当な思考法が書かれた良書と言える。
10年後、生き残る理系の条件
出版社:朝日新聞出版
発売日:2016年1月20日
理系の大学や大学院を出た人におすすめの本。
日本の大手企業が安泰とは言えなくなった今、どうやって技術職として生き残っていけばいいのかを、理系で東芝出身の著者が解説する。
理系は、人間関係や転職関連の立ち回りが下手な人が多いので、この本を一冊読むだけでも、かなり見えてくるものは違うはずだ。
理系も自己アピールが必要になると考えると、世知辛い時代ではあるが、柔軟に対応して乗り切っていくしかない。
転職関連のことだけではなく、「技術をどう良い方向に活かしていくか?」という話もあり、徹底的に理系の視点で書かれている。
文系サラリーマンが読んでも意味はないが、理系出身の人や理系の職種に就いている人にとって参考になる話が多い。
どこでも誰とでも働ける――12の会社で学んだ“これから”の仕事と転職のルール
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2018年4月19日
転職コンサルタントによる転職本は、今までの転職市場における事例や経験則を語り、解説していることが多い。一方で本書は、AIがやってくる未来の変化に備えて、キャリアを考えるための視点を提供してくれている。
これだけの変化の早い時代なので、キャリアプランに関しても、未来予測をしっかり踏まえたものであることが望ましい。
「もはや旧来のキャリア論の延長では、これからのキャリアは語れない」というのは、そのとおりだと思う。
一方で、本書にも欠点は多い。12の有名な企業から学んでいるが、トップクラスの人材における「転職」と、それ以外の圧倒的大多数の人のための「転職」は、同じものではないだろう。
また、未来のトレンドを踏まえるのが重要なのはそのとおりだが、「机上の空論」レベルの話が多い。
「具体的な転職の話」というより、「将来のキャリアプランを考えていく上でのヒント」として読むと良い。
ポスト平成のキャリア戦略 (NewsPicks Book)
出版社:幻冬舎
発売日:2017年12月26日
「平成」という時代が終わり、「仕事のできる人」の定義も変わる、という前提で書かれた、キャリアプランを考えるための考察本。
20代、30代、40代以降の年代別に、どういうキャリア戦略で実力や人脈を磨いていけばいいのかのヒントが書かれていく。
「NewsPicks」の本らしく、かなり意識高めの内容ではあるが、変化の潮流と現状を理解する上では、読みやすくていい本だと思う。
個人の思いつきや机上の空論レベルの話も多めなので、こういうのをノリで楽しめてモチベーションアップできる人向けかもしれない。
ただ、明確に間違ったことが書いてあるわけではない。
働き方2.0vs4.0 不条理な会社人生から自由になれる
出版社:PHP研究所
発売日:2019年3月21日
正確な分析と著者独自の括り方が面白い、「これからのキャリア」を考えるための本。
「働き方1.0」から「働き方5.0」までを定義し、それらがどのように進行していくかを分析している。
働き方1.0 年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行
働き方2.0 成果主義に基づいたグローバルスタンダード
働き方3.0 プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型
働き方4.0 フリーエージェント(ギグエコノミー)
働き方5.0 機械がすべての仕事を行なうユートピア/ディストピア
タイトルにある『働き方2.0 vs 働き方4.0』というのは、日本が働き方を「1.0から2.0」に進めようとしている中で、世界の最先端では「3.0から4.0」への動きが進んでいる。そして、将来的には機械が人間の仕事のほとんどを奪う「5.0」がやってくる。
スケールの大きい話だが、納得感があるし、非常に面白い。
ここまで変化が早く、理不尽に移り変わっていく労働環境の中で、私たちはどうやって身の振り方を決めるべきか?を考える本。
とんでも本みたいに適当な理屈で書かれているわけではないし、夢中で読んでしまうほど面白いのでおすすめ!
具体的な転職の方法を書いた本ではないが、大局的なキャリアプランを考える上では間違いなくヒントになるだろう。
本の紹介は以上になる。
当ブログでは、「お金を学ぶためのおすすめ本&漫画」や「経済を学ぶためのおすすめ本」なども紹介しているので、よかったらそちらも参考にしていってもらいたい。
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