どうも、コーヒー大好きドラゴン忍者だ!
「コーヒーメーカー」のおすすめについて書いていきたい。
「コーヒー粉(レギュラーコーヒー)」や「コーヒー豆」からコーヒーを作ろうとするとき、「コーヒーメーカー」という家電が必要になる。
しかし、コーヒーメーカーというのは色々と種類も多いし、何がどういう機能を持っているのかわかりにくかったりする。
この記事では、最初にコーヒーメーカーの種類と使い方について解説し、「ドリップ式」と「全自動式」のおすすめを、それぞれランキング形式で発表していく。
目次からジャンプできるので、気になる項目から見ていってくれ!
目次
コーヒーメーカーの種類と使い方について
コーヒーメーカーには、いくつも種類があるので、戸惑ってしまう人も多いだろう。
最低限の知識として、以下のことだけ知っておけばいい。
- コーヒー粉を使うのであれば「ドリップ式」
- コーヒー豆から淹れたいのなら「全自動式(ミル付き)」
これだけだ。
ちなみに、インスタントコーヒーはお湯に混ぜるだけで作れるのでコーヒーメーカーは必要ないぞ!(間違えて買わないようにしよう。)
「ドリップ式」のコーヒーメーカーがあれば、レギュラーコーヒーと呼ばれるコーヒー粉をコーヒーにして飲むことができる。
「全自動式」のコーヒーメーカーは、豆を砕ける「コーヒーミル」と「ドリップ式コーヒーメーカー」が一体になったもの。価格は高いが、コーヒー豆にもコーヒー粉にも対応している。
色々なコーヒーメーカーの種類
より詳しくコーヒーメーカーを分類すると、以下のようになる。
- 「ドリップ式コーヒーメーカー」
- 「全自動コーヒーメーカー(ミル付きコーヒーメーカー)」
- 「焙煎機付きコーヒーメーカー」
- 「エスプレッソマシン」
- 「カプセルコーヒーメーカー」
このうち、この記事で紹介するのは上から2つ目までの「ドリップ式コーヒーメーカー」と「全自動コーヒーメーカー」のみだが、以降ではコーヒーメーカーのややこしい違いについて詳しく説明していくつもりだ。
さっさとおすすめランキングが知りたいという人は、以下からジャンプしてくれ!
コーヒーが飲めるようになるまで
コーヒーメーカーの違いは、コーヒーの生成過程のうち、どこを担当するかで変わってくる。
生のコーヒー生豆をコーヒーとして飲めるようにするためには、「焙煎(煎る)」→「粉砕(砕く)」→「抽出(ドリップ)」という過程が必要。
「抽出(ドリップ)」というのは、初心者はわかりにくいかもしれないが、コーヒー豆というのは焼いて砕いたものをそのままお湯に溶かして飲めるわけではないのだ。「飲める成分」と「飲まない成分」をわける「抽出(ドリップ)」という作業が必要。
ドリップは、紙フィルターとドリッパーを使って上からお湯を注ぎ、手動で行うこともできるが、この過程を、粉と水とフィルターをセットするだけで自動でやってくれるのが「ドリップ式コーヒーメーカー」だ。
「ドリップ式コーヒーメーカー」は、「ドリップ」の過程のみにしか対応しておらず、豆から挽きたいのであれば「全自動式(ミル付き)コーヒーメーカー」が必要になる。全自動式は、「豆を砕く」と「ドリップ」の両方をやってくれる。
(「全自動式」の上位版が、生豆の焙煎までできる「焙煎機付きコーヒーメーカー」だが、これは基本的には一般家庭用には普及していない。)
- 「焙煎」から可能(←焙煎機付き)
- 「粉砕」から可能(←全自動式(ミル付き))
- 「抽出」のみ可能(←ドリップ式)
また、「エスプレッソ」というのは、圧力をかけて濃厚に淹れる、特殊な「抽出(ドリップ)」の仕方をしたコーヒーのこと。「エスプレッソマシン」は、エスプレッソという「淹れ方(ドリップ)」をできる製品のことを言う。
また、「カプセルコーヒーメーカー」というのがあるのだが、これは主に「ネスレ」が販売しているやや特殊な製品。(あとで説明する)
以下、各コーヒーメーカーの使い方などをより詳しく解説していく。
ドリップ式
「ドリップ」の工程のみをやってくれるコーヒーメーカーのことで、基本的に安めの製品が多い。一番安いものでは、1000円台で買える。
「レギュラーコーヒー(コーヒー粉)」を飲む目的であれば、ドリップ式のコーヒーメーカーで十部事足りる。
使い方はとても簡単で、コーヒー粉、紙フィルター、水を機械にセットすれば、あとはボタンを押すだけでコーヒーが抽出される。
日本の家庭で使っている人が最も多いもこのタイプ。
全自動式(ミル付き)
豆から砕いて、挽きたてのコーヒーを飲める「コーヒーミル」内蔵のコーヒーメーカー。
厳密に言えば、「ミル付き」というのはミルが内蔵しているコーヒーメーカーのことで、「全自動式」は、削ってからドリップまでを自動でやってくれるもののことを言うが、ここでは区別をしていない。基本的に同じ意味と捉えてしまって問題ないと思う。
「コーヒー豆」からコーヒーを飲みたいのであれば、この全自動式タイプのものを買おう。
コーヒー豆、紙フィルター、水をセットすれば、砕くところから抽出するところまで、すべて自動でやってくれる。
ほぼすべての機種が、コーヒー豆のみならず、コーヒー粉にも対応していて、基本的には「ドリップ式」の上位互換だ。
そのぶんドリップ式よりはだいぶ値段が高い。
また、全自動式を買わずとも、「コーヒーミル」+「ドリップ式コーヒーメーカー」でなどで代用することができる。
ただ、頻繁にコーヒーを飲むのであれば、手動(あるいは電動)のコーヒーミルでそのたびごとに豆を挽くのは、手間がかかりすぎるのであまりおすすめしない。素直に全自動でやってくれるコーヒーメーカーを買うのがいい。
焙煎機能付きコーヒーメーカー
「粉砕」と「抽出」を行える一般的な全自動式の機能に加えて、コーヒーの「焙煎」までも一台で可能な、「焙煎機付きコーヒーメーカー」というのも、存在しなくはない。ただ、あまり普及している製品ではない。
「焙煎」の工程は、「焙煎機」という機材を使って別々に焙煎してから、その後コーヒーメーカーで抽出するのが一般的だ。
「焙煎」まで自家製でやる家庭はほとんどなく、メーカーの「焙煎機」も業務用のものが多い。
基本的に、メーカーが焙煎した豆を普通に買ったほうが、質の高いコーヒーが飲めると思う。
コーヒー生豆はネットで手軽に購入できるが、質と価格を考えてコストパフォーマンスが良いとはあまり言えない。
ちなみに、生豆の焙煎だが、家庭でやる場合は、フライパンなどを使って普通に加熱するやり方でも可能だ。
エスプレッソマシン
「エスプレッソマシン」は、広い意味ではコーヒーメーカーだが、「エスプレッソ」という特殊な抽出方法が可能になっている。
メーカーとしては、イタリアの「デロンギ」製がとても有名。
基本的に、全自動式コーヒーメーカーよりもずっと高価なものだ。
エスプレッソマシンを使う場合は、エスプレッソ用のコーヒー粉やコーヒー豆でなければポテンシャルを発揮できない。
酸味を抑えて苦味を引き出すエスプレッソは、非常に濃厚な苦味があるので、コーヒーを飲み慣れない人にはハードルが高い。
カプセル式メーカーコーヒー
カプセル式コーヒーメーカー(カプセルコーヒー)は、主に「ネスレ(ネスカフェ)」が出している製品のこと。
「コーヒーカプセル」という、規定の容器に入ったコーヒー粉を専用のマシンに入れることで、とても手軽に質の高いコーヒーを飲むことができる。
カプセル式コーヒーのマシンは、性能のわりには価格が非常に安い。一方で、専用のカプセルに入ったコーヒー粉しか使えないので、普通のコーヒーメーカーのように、コーヒー粉やコーヒー豆を使うことができない。
かつての「プリンター」のビジネスモデルは、プリンター本体を格安で提供するが、専用のインクカートリッジにしか対応しておらず、利益率の高いインクを売ることで収益を上げるというものだった。カプセルコーヒーもそれと同じ。
マシンはとても安くて性能が高いが、専用のコーヒー粉は割高。
管理や操作はとても簡単だし、コーヒーに詳しくなくても質の高いコーヒーを手軽に淹れられるので、使うメリットも多いが、長期的にはコスパが悪くなることには注意。
コーヒーメーカーを選ぶときの基準
コーヒーメーカーを選ぶときに着目したほうがいい点を手短に解説。
「ドリップ式」か「全自動式」か?
レギュラーコーヒー(コーヒー粉)を淹れたいなら「ドリップ式」で十分。
豆から挽きたい場合は「全自動式(ミル付き)」を選ぼう。
フィルタが「紙」か「金属」か?
濾すときのフィルターだが、「紙」と「金属(ステンレス)」の2種類がある。これは使い勝手を大きくわける要素かもしれない。
「紙フィルター」が基本ではあるが、「ステンレスフィルター」を採用しているコーヒーメーカーも多い。
「ステンレス」は、「紙を消費しないからエコ」、「紙より粗いので油分を多く通しコクが出やすい」というメリットがある。
一方で、「使うたびに洗う手間が面倒くさい」、「(安価な製品の場合)コーヒー粕が網目を通り抜けてしまうことがある」というデメリットもある。
どちらが良いかは好みが別れるだろう。
コストパフォーマンスは?
基本的に価格と性能は比例する。ここでは高額なわりに不良品並といったボッタクリ価格のものは紹介していない。
ただ、同じ価格でも、強くおすすめできるかどうかというのはあって、そのためにランキング形式で順に紹介している。
ランキング上位のものほどおすすめ度が高いと考えてほしい。順位付けは俺の個人的な独断と偏見も含まれていし、それほど安い製品でもないので、Amazonや楽天のレビューや商品情報なども参考にしながら何を買うか決めてほしい。
それでは、前置きが長くなったが、ランキングの紹介と解説に入る。
「ドリップ式コーヒーメーカー」のおすすめ比較ランキング
おすすめの「ドリップ式コーヒーメーカー」を、ランキング形式で第1位から順に紹介している。
「レギュラーコーヒー(コーヒー粉)」からコーヒーを淹れたい人は、参考にしていってほしい。
象印 コーヒーメーカー 珈琲通 4杯用 EC-TC40-TA
フィルタ:紙
メーカー:象印マホービン
価格 :約2,900円
最大容量:4カップ(540ml)
本体重量:1.1kg
付属品 :軽量スプーン、ペーパーフィルター
備考 :浄水機能、タンク取り外し可能
安くて作りがしっかりしている、安定しておすすめできるドリップ式コーヒーメーカー。これを愛用している日本人はとても多いと思われる。
特筆すべきものはないが、無難に使いやすく、普通に使っていて不満に思うことはないと思う。保温機能もしっかりしている。水タンクを取り外しできるのも給水しやすくてポイントが高い。
カルキを乗り除く「浄水機能」が付いていて、ミネラルウォーターを使わず水道水でコーヒーを入れるという人にとっては非常に嬉しい。この価格にしては最高クラスの性能。
「ザ・日本のコーヒーメーカー」といった感じの見た目。オシャレさはないけれど、不思議にしっくりくる形状と色合い。
シンプル・イズ・ベストなクオリティで、普通にコーヒー粉でコーヒーを入れるぶんには、何も不自由しないだろう。
Melitta(メリタ) ES (エズ)
フィルタ:紙
メーカー:Melitta(メリタ)
価格 :約2,500円
最大容量:5カップ(700ml)
本体重量:1.3kg
付属品 :メジャースプーン、ペーパーフィルター
この上なくシンプルで格安のコーヒーメーカー。
がっしりとした見た目だが、縦に長いのでスペースもそれほど気にならない。ドイツ製メーカーで日本のコーヒー器具っぽさがないが、シンプルなデザインが美しい。
「1つ穴抽出」により、低価格ながらも洗練された美味しいドリップが可能になっている。コーヒー専門の企業である「メリタ」の技術力が光る製品。
フィルターの下にストッパーがある「しずく漏れ防止機能」によって、プレートが汚れにくくなっている。
低価格なのに十分なパフォーマンスを発揮してくれる、とても完成度の高い製品。
ハリオ 珈琲王 コーヒーメーカー V60 透明ブラック EVCM-5TB
フィルタ:紙
メーカー:HARIO(ハリオ)
価格 :約9,600円
最大容量:5カップ(700ml)
本体重量:2.1kg
付属品 :軽量スプーン、ペーパーフィルター、ドリッパー受け
備考 :高温抽出、蒸らしドリップ
美しいスパイラル型のドリッパーが印象的な、ハリオの高級ドリップ式コーヒーメーカー。こだわりのガラス容器のサーバーもいい味を出してる。
1万円するかなり高い機種だが、そのぶん美味しくコーヒーを淹れることができる。
とにかくコーヒーを美味しく淹れることを目的としていて、熟練のハンドドリップ基準の抽出を再現。
抽出開始時は、お湯とドリッパー内部ともに高温で、じっくり時間をかけてコーヒー粉を蒸らし、丁寧にドリップする。お湯を加熱してからだいたい5分近く必要で、コーヒーメーカーの中でも遅いほうだが、そのぶん味は良い。コーヒー好きも納得のクオリティ。
ややサイズは大きめだが、シンプルな形状で、普通に使いやすいしお手入れもしやすい。
安くはないが、豆や粉にこだわり定期的にコーヒーを嗜む人なら、十分に元はとれるだろう。
「美味しく淹れることを重視したドリップ式コーヒーメーカー」として、こだわりのある人に一番おすすめできるのがこれ。
Melitta(メリタ) NOAR(ノア)
フィルタ:紙
メーカー:Melitta(メリタ)
価格 :約6,000円
最大容量:5カップ(700ml)
本体重量:1.7kg
付属品 :メジャースプーン、ペーパーフィルター
備考 :アイスコーヒー対応、高温抽出
「メリタ」の高い版のドリップ式コーヒーメーカー
安い版は、コーヒーサーバー(ポット)が耐熱ガラス製だが、こちらはステンレス製真空二重構造になっている。
ポットの保温性が上がり、口径が大きくなったので洗いやすい。保温性が上がったのでしばらく放置しても煮詰まりにくい。また、氷を入れても大丈夫なので、アイスコーヒーも作れる。
より高温抽出になり、豆の香りを引き立てやすくなった。抽出後のアラーム機能が追加され、自動的に電源が切れるし、ポット自体の保温性が高いので省電力になる。
安い版と比べて価格はだいぶ上がるが、それだけの価値がある高性能なドリップ式コーヒーメーカー。毎日使うのであれば、十分に選択肢に入るだろう。
Melitta(メリタ) ALLFI (オルフィ)
フィルタ:紙
メーカー:Melitta(メリタ)
価格 :約7,400円
最大容量:5カップ(700ml)
本体重量:1.7kg
付属品 :メジャースプーン、ペーパーフィルター
備考 :アイスコーヒー対応、高温抽出、浄水機能、タンク取り外し可能
「メリタ」の基本的なドリップ式コーヒーメーカーの中でも、最上級タイプがこれ。
一番大きな変化は、タンクを取り外して給水しやすくなったことと、水道水のカルキを浄水する機能が追加されたこと。ミネラルウォーターやペットボトルに入った水を注いで給水する場合は必要ないが、水道の蛇口から給水するのであれば、絶対にあったほうが便利。
主な追加機能は着脱可能なタンクなのだが、デザインがなかなかにオシャレなので感心してしまう。
ドリップ式にしてはやや高めだが、性能は文句なし。水道水でコーヒーを作ろうと思っている人にはかなりおすすめだ。
デロンギ ドリップコーヒーメーカー ディスティンタコレクション
フィルタ:ステンレス
メーカー:デロンギ
価格 :約15,000円
最大容量:6カップ(810ml)
本体重量:2.2kg
付属品 :軽量スプーン、チタンコートフィルター
備考 :高温抽出、蒸らしドリップ、アロマモード
イタリアの家電企業「デロンギ」のドリップ式コーヒーメーカー。イタリアと言えばエスプレッソのイメージがあるが、もちろんエスプレッソ粉も上手に抽出できるコーヒーメーカーになっている。
ドリップ式にしては、価格は非常に高い。下手な全自動式よりも高価だ。
紙フィルターを使わずに、「チタンコートフィルター」を採用している。紙でドリップしたほうが洗う手間がないのでラクなのは間違いないが、味を追求するからこその金属フィルター。
風味に影響を与えないようチタンでコーティングしたフィルターで、コーヒーのコク深さになる油分をカットせずに抽出。
蒸らしながらじっくり抽出して香りを引き立てる「アロマモード」も搭載していて、レギュラーコーヒー粉やエスプレッソ粉のポテンシャルを存分に発揮できる。
デザインはシンプルで、ヨーロッパ製の洗練されたカッコよさを感じる。ただ、ジャグ(ポット)が最後まで注ぎにくかったりなど、日本人の感覚とは違うのかな、と思ってしまうような、わりと雑なところも目立つ。
価格はネックなものの、ドリップのクオリティは間違いないので、美味しいコーヒーを毎日飲みたいのであれば元はとれるだろう。
タイガー コーヒー メーカー 6杯用 シャワードリップ方式 ブラック ACC-A060-K
フィルタ:紙
メーカー:タイガー魔法瓶
価格 :約5,000円
最大容量:6カップ(810ml)
本体重量:1.6kg
付属品 :軽量スプーン、ペーパーフィルター
備考 :シャワードリップ方式
「タイガー魔法瓶」のドリップ式コーヒーメーカー。一度に淹れられる量が多く、シンプルな形状で頑丈。
シャワー状のお湯がまんべんなく出てムラなくフィルターを蒸らす「シャワードリップ方式」のコーヒーメーカー。リブが深くなったフィルターケースで広い空間を作り、じっくりと蒸らして香りとコクを引き立たせる。
ペーパードリップにおいて「蒸らし」は重要な技術だが、自動のコーヒーメーカーでもそれをしっかりやってくるのは素晴らしい。普通の抽出よりも、コクが引き立ち、雑味が減り、香りがすっきりしやすくなる。
価格はそれほど安くないが、上質な抽出方法と容量の大きさを考えれば、十分に納得感がある良製品。
ラッセルホブス コーヒーメーカー ヘリテージ パープル 18499JP
フィルタ:紙、ステンレス
フィルタ:ステンレス(紙にも対応)
メーカー:Russell Hobbs (ラッセルホブス)
価格 :約14,000円
最大容量:12カップ(1700ml)
本体重量:2.9kg
備考 :大容量、蒸らしドリップ
たいていのドリップ式コーヒーメーカーは、一人用か家族で使うくらいを想定しているので、最大容量が4〜5カップが一般的だ。
オフィス用や来客用など、一度に大量のコーヒーを淹れたいというニーズはあり、そのための製品としてはこちらをおすすめする。
「12杯分を11分で抽出することができる」コーヒーメーカーで、スピーディーに良質なコーヒーを大量生産できる。イギリスの大手メーカー「ラッセルホブス」が提供。
量だけではなく、質にもこだわり、電子制御で水温、注ぎ、蒸らしがしっかり管理されている。一度にたくさん作っても味が劣化しにくい。
構造自体はとてもシンプルなので、使いやすいし、お手入れも簡単。
価格は安くないものの、それだけの性能は十分にある。
家庭用としてはやや大きすぎるが、コーヒーをたくさん飲む大家族や、オフィス用としておすすめできる。
山善 コーヒーメーカー 650ml(5カップ) ブラック YCA-500(B)
フィルタ:紙
メーカー:山善
価格 :約1,600円
最大容量:5カップ(650ml)
本体重量:1.1kg
付属品 :ペーパーフィルター
2000円以下の格安コーヒーメーカー。
フィルターと粉と水をセットして、ちゃんとコーヒーが作れる。
置き場に困らない小さな形状で、必要な仕事をきっちりこなしてくれる。
不満点を挙げるなら、抽出にかける時間と蒸らしが十分でなく、やや薄めのコーヒーに仕上がってしまうことと、水の入れにくさ、フィルターのセットのしにくさだろう。
あと、メーカー側は最大容量を5パックにしているけど、一気にそれだけの量をちゃんと抽出はできないと思う。
安さとシンプルさという大きなセールスポイントがあるので、コスパを重視するならアリ。
アイリスオーヤマ コーヒーメーカー ブラック CMK-650P-B
フィルタ:紙、ステンレス
メーカー:アイリスオーヤマ
価格 :約1,800円
最大容量:5カップ(700ml)
本体重量:0.9kg
付属品 :軽量スプーン
備考 :ペーパーレス対応
格安コーヒーメーカーかつ、「ドリップ用メッシュフィルター」が内蔵されていて、紙フィルターをセットしなくても良いのでエコ&節約。
「メッシュフィルター」と「紙フィルター」の両方に対応している。安価なドリップ式の場合、メッシュフィルターは味が落ちるし、洗う手間もかかるし、紙フィルターの料金もたかが知れているので、基本的には紙フィルターで淹れることを推奨。
ただ、メッシュフィルターがあると、うっかり紙のフィルターを切らしてしまったときなどは非常に便利。
機体はとても軽量で、コーヒーサーバーもしずくが漏れにくい形状でいい感じ。
味のクオリティは高くないが、手軽にコーヒーを淹れれる格安ドリップ式としては選択肢。
「全自動式コーヒーメーカー」のおすすめ比較ランキング
おすすめの「全自動式コーヒーメーカー(ミル付きコーヒーメーカー)」を、ランキング形式で第1位から順に紹介している。
「コーヒー豆」からコーヒーを淹れたい人は、参考にしていってほしい。
パナソニック 沸騰浄水コーヒーメーカー 全自動タイプ ブラック NC-A56-K
フィルタ:紙
メーカー:パナソニック
価格 :約19,000円
最大容量:5カップ(670ml)
本体重量:2.9kg
付属品 :軽量スプーン、ペーパーフィルター、粗挽き用メッシュフィルター
備考 :高温抽出、浄水機能、タンク取り外し可能、自動洗浄
現時点で、最もおすすめできるコーヒーメーカーは、この「パナソニック NC-A56-K」だ。
多くの人がコーヒーメーカーに求めるのは、「味の美味しさ」と「手間のかからなさ」だと思うが、この両方を完璧に満たしているのがこの製品。
まず、味がとても良い。コーヒーメーカーの上に「シャワードーム」がついているのが外から見えるのだが、お湯をまんべんなく拡散させて、湯気をたてながらじっくりと蒸らす。温度も高いので、文句なしに熱々のコーヒーを飲むことができる。
フィルターの交換によって「細引き」と「粗挽き」が選べ、ドリップ法の選択によって「マイルド」と「リッチ」が選べる。2✕2で計4種類なので、コーヒーに詳しくなってきたら豆の種類によって淹れ方を変えることも可能。
また、手入れがめちゃくちゃ簡単、というのが最大のメリットだと思う。豆を削ったコーヒーミルは、抽出時に自動で洗浄してくれるので、洗う必要がない。
豆、水、紙フィルターをセットするだけでコーヒーができるし、できた後は紙フィルターを捨てるだけでいい。「ドリップ用のバスケットの蓋」や「ガラス容器の蓋」にコーヒー粕はつくのだが、簡単に取り外して洗えるし、週1で洗えば十分過ぎるほどだろう。
使ってみればわかるけど、とにかくラク!
パナソニック公式が説明動画をYouTubeで公開している。1分ちょっとの動画なので、気になるなら見たほうがいい。全自動コーヒーメーカーの仕組みが良くわかる。
「メリタ」や「デロンギ」など、海外の巨大なメーカー企業も日本の消費者に向けて製品を提供しているが、全自動コーヒーメーカーに関しては、価格を考えればパナソニックのこの製品が最強だと思う。
実は、日本はコーヒーの消費量が世界第4位のコーヒー大国なのだが、その文化に恥じない素晴らしいコーヒーメーカー。
ベタ褒めしすぎるのもアレなので、あえて不満点を上げるなら、エラー時に音がなるだけで、何が原因かわからないこと。これは初めて使う人は戸惑う可能性があると思う。
全自動のコーヒーメーカーが動かない原因は、基本的に、
- 水を入れ忘れている
- 紙フィルターをセットし忘れている
- どこかの蓋を締め忘れている
- 豆を入れ忘れている
- 豆が詰まっている
のどれかだ。
これらのエラーに関して、ピーピー言うだけで、何かしらのエラーメッセージを吐いてくれるわけではないので原因を特定しづらい。慣れればエラーなどまず出さないのだが、最初のうちはよくわからなくてイライラするかもしれない。
ちなみに豆が詰まっている場合、上から計量スプーンで崩すか、コーヒーメーカーをガタゴト揺らすとたいてい解決する。電動ミルは強力なのでそこに豆が詰まることはまずない。ミルに触れるまでの通路に詰まってしまう場合がほとんどで、質の悪い豆や大量の豆を投入しなければ起こらない。
性能に関しては不満点がない。オシャレかどうかは評価がわかれるし、機体がデカく、豆を削る音も大きめ(掃除機くらい)なのは仕方がないと思う。
コスパの良さを加味するなら、個人的にコーヒーメーカーの中でNo.1だと思ってる製品で、価格は気になるだろうが、買って損することはまずないと思う。
ちなみに、新モデルの「パナソニック NC-A57-K」も発売されている。
ただ、前世代版のほうが評価が安定しているし、価格も安めなので、安牌をとるならここで紹介している「 NC-A56-K」のほうがおすすめ度は高い。
デロンギ マグニフィカS
フィルタ:紙、ステンレス
メーカー:デロンギ
価格 :約64,000円
最大容量:1800ml
本体重量:2.2kg
付属品 :軽量スプーン、クリーニングブラシ、水硬度チェッカー、除石灰剤
備考 :アイスコーヒー対応、エスプレッソ対応、カプチーノ対応、高温抽出、簡単クリーニング
イタリア企業である「デロンギ」のコーヒーメーカーは、基本的にはすべて「エスプレッソマシン」だ。(イタリアにおいて「コーヒー」とは「エスプレッソ」のことを指す。)
「マグニフィカ」シリーズは、デロンギのスタンダードなモデルで、この「マグニフィカS」は、日本人向けにローカライズされた「カフェ・ジャポーネ」機能がついている。エスプレッソ抽出ではなく、普通にペーパードリップ式のレギュラーコーヒーを淹れる機能が日本限定で搭載されているのだ。
よって、デロンギの機器を使いたいけど、普通にドリップしたコーヒーも飲むという人は、この「マグニフィカS」が間違いなくおすすめ。極端に苦すぎもせず、エスプレッソのうまみとドリップコーヒーのキレを融合させた、風味を凝縮したコーヒーを楽しめる。他のコーヒーメーカーと一線を画する味のクオリティだ。
もちろん、エスプレッソ抽出が可能なので、だんだんコーヒーを飲み慣れてきたら、コーヒーの濃厚なうまみが凝縮されたエスプレッソに以降していく、というステップアップも可能だ。コーヒーの味が好きになってくると、苦味が強いものをより好きになっていく傾向はあると思う。
世界的な評価が安定している機種で、お手入れもやりやすく、使えば使うほど惚れてしまう機能的な美しさがある。しかも完璧に日本向けにローカライズされていて、マニュアルも日本語対応だし、普通に使っていて戸惑うことは少ないだろう。
また、文字通り「全自動コーヒーメーカー」で
- 給水
- 豆の補給
- ミルクを注ぐ
- 抽出後のコーヒー粕を捨てる
- 機体の洗浄
なども、すべて自動で行ってくれる。タンクには1.8Lの水を収納でき、豆のホッパーは250gの容量がある。水と違って豆は嵩張るのが、だいたい80g(8〜10杯分)ほどの豆をストックしておける。
イメージとしては、コンビニとかにある業務用のコーヒーメーカーの小型バージョン。1日に何杯もコーヒーを飲む人や、家族でコーヒーを飲む場合には有り難い。また、オフィス用としても使いやすい。
「デロンギ」のコーヒーメーカー(エスプレッソマシン)は、もっと高い機種がたくさんあるが、この「マグニフィカ S」は、「マグニフィカ」モデルのグレードアップ版で、デロンギにしては価格は控えめなほう。しかもかつては10万円ほどしたモデルで、だいぶ価格が下がったのでお買い得だ。
ミルクフローサーでミルクを泡立て、カフェラテやカプチーノを簡単に自宅で作ることができるので、子供も喜ぶだろう。
価格はハチャメチャに高いが、その期待を裏切らないのがデロンギ製。エスプレッソだけではなく、ドリップ式でレギュラーコーヒーも美味しく淹れられるこの「マグニフィカ S」モデルがおすすめだ。
象印 全自動コーヒーメーカー EC-NA40-BA
フィルタ:紙
メーカー:象印マホービン
価格 :約20,000円
最大容量:4カップ(540ml)
本体重量:4.5kg
付属品 :計量スプーン、ペーパーフィルター
備考 :アイスコーヒー対応、高温抽出、浄水機能、タンク取り外し可能
象印の高性能コーヒーメーカー。
最大温度95℃かつ、熱を逃がしにくい構造による高温ドリップで、しっかりと豆の美味しさを引き出し、「挽きたて・淹れたて」のホットコーヒーを提供する。
特徴としては、第1位で紹介した「パナソニック NC-A56-K」とかなり似ている。価格は若干こちらのほうが高いがほぼ同額で、ペーパーフィルター、高温抽出、カルキ除去、自動洗浄という機能や、マシンの形状もかなり似ている。
違いとして、こちらはコーヒーサーバーがガラス製ではなく、「魔法瓶タイプのステンレスサーバー」になっている。そのまま氷を入れてアイスコーヒーにすることも可能だ。
また、コンピューターの仕様にも違いがあり、「パナソニック NC-A56-K」の場合は、途中で豆が詰まると、警告音が鳴って抽出自体がストップする。こちらは、豆が詰まっても気にせずに(豆が無くなったと判断して)抽出を続ける。どちらが良いかだが、個人的には前者のほうがマシだと思う。このトラブルが起こるかどうかは豆の種類によるとしか言えないが、コーヒーメーカーを使っていると稀にあることなので、意識しておいたほうがいいかもしれない。
味に関しては非常に良く、流石に歴史あるメーカーの実力を感じる。
個人的なおすすめ度はパナソニック製のほうが高いが、当然ながら人によって評価が別れるだろう。Amazonや楽天のレビューや口コミなども参考にして判断してもらいたい。
パナソニック ミル付き浄水コーヒーメーカー NC-R500-T
フィルタ:ステンレス
メーカー:パナソニック
価格 :約16,300円
最大容量:5カップ(670ml)
本体重量:2.9kg
付属品 :軽量スプーン
備考 :高温抽出、浄水機能、タンク取り外し可能、自動洗浄
パナソニックのコーヒーメーカー。第1位にした「パナソニック NC-A56-K」との大きな違いは、紙フィルターではなくステンレスメッシュフィルターなことと、「粉砕から抽出」の過程が全自動になっておらず、挽いた粉を手動で移し替える必要があること。
低コスト化ではなく、味を重視しているがゆえのメッシュフィルターで、コーヒーの油分を余すことなく抽出するフレンチプレス風のドリップ。
ドームに熱湯をため、シャワー状に注がれるこだわりのドリップを、何度か繰り返し、とても丁寧で上質なドリップが可能になっている。ハンドドリップでも難しい、マシンだからこそ可能な高クオリティの抽出だ。
味に関しては、文句の付け所のないくらい素晴らしい。
また、サーバーにそのまま氷を入れることはできないものの、アイスコーヒー用の抽出をする機能がついていて、作った後でそのまま氷と混ぜれば、丁度良いアイスコーヒーを作れるようになっている。
コーヒーの味や、デザインのわかりやすさ、使いやすさはとても良いのだが、手動で挽いたコーヒー粉を移さなければならない仕様は、待ち時間と手間が余計に1つ増えるので、人によっては大きなマイナス要素だろう。
考えようによっては、コーヒー粉を上手に淹れられる「ドリップ式コーヒーメーカー」の最上位版でもあるし、他の全自動式と違って「コーヒーミル」で自分で挽いた粉を使うこともできる、応用しやすい機器と評価することもできる。
良い製品であることは間違いないので、検討してみてほしい。
siroca 全自動コーヒーメーカー SC-A121
フィルタ:ステンレス
メーカー:siroca(シロカ)
価格 :約9,000円
最大容量:4カップ(580ml)
本体重量:2.2kg
付属品 :軽量スプーン
備考 :高温抽出、ステンレスメッシュフィルター
全自動なのに1万円以下と、非常に安いミル付きコーヒーメーカー。
デザインも統一感のあるオシャレさで、コンパクトな形状なのも嬉しい。
「ステンレスメッシュフィルター」が特徴で、紙フィルターでは抽出できないコーヒーの油分をしっかり通して、コク深いコーヒーに仕上げる。しっかり蒸らして丁寧に抽出し、安価な製品ながらも味へのこだわりを強く見せている。
味は良いし、紙を使わないのでエコだが、毎回ちゃんと洗わなければならない面倒臭さは大きなデメリット。また、コンパクトではあるが、水タンクの取り外しなどができないので、台所の隅っこなどに設置すると給水がしにくい。
けっこうクセのある製品。好き嫌いが別れそうだ。
全自動にしては格安だけど、それでも1万円に近い価格は安いとは決して言えないので、よく考えて買いたい。フィルターの仕様や形状など、賛否両論が別れそうな箇所がけっこうある。
ただ、安価なことを考慮すれば間違いなく素晴らしいクオリティの機器で、コストパフォーマンスに優れた全自動式としておすすめできる。
クイジナート 12-cup オートマチックコーヒーメーカー DGB-900PCJ
フィルタ:ステンレス
メーカー:Cuisinart(クイジナート)
価格 :約17,000円
最大容量:12カップ(17000ml)
本体重量:5.6kg
付属品 :軽量スプーン
備考 :アイスコーヒー対応、タイマー予約機能、大容量
「クイジナート」は、業務用の機器などもよく作っている、アメリカのキッチン用品会社。
12カップものコーヒーを一度に作れる大容量の全自動コーヒーメーカー。家族用として使うにはやや大きすぎるが、オフィス用として使うならば安い上に高性能。
一般的な全自動コーヒーメーカーと同じくらいの価格にもかかわらず、大容量のドリップに対応していて、コストパフォーマンスはかなり良いほうと言える。
大容量に対応したコーヒー豆ケースも機体の上部に設置されていて、いちいちコーヒー豆を計って入れる必要がないのもすこぶる便利。ただ、水の量を計る機能はついておらず、給水したぶんだけ抽出してしまう。
価格を考えたら仕方ないが、「ボタンを押すとコーヒーが出てくる」みたいな完全に全自動の機械ではなく、それなりに手動でやらなければいけない部分はある。(ボタン押すだけで出てくるタイプが欲しければ「デロンギ マグニフィカS」などの高額な機体を買うしかない。)
豆と水をセットした状態からは全自動でコーヒーを作ってくれて、11分で12杯分と、スピーディーに大容量のコーヒーを抽出できる。
豆から挽けるので当然味は良いし、大量のコーヒーを一度に作る場面では間違いなく活躍してくれる。
siroca コーン式全自動コーヒーメーカー SC-C111
フィルタ:ステンレス
メーカー:siroca(シロカ)
価格 :約22,000円
最大容量:4カップ(540ml)
本体重量:4.0kg
付属品 :軽量スプーン
備考 :豆挽き無段階調整、タイマー予約機能
「シロカ」のコーヒーメーカーと言えば、四角いタイプの、コンパクトで安価なものが有名だが、こちらはハイグレードな「コーン式全自動コーヒーメーカー」。
コーヒー豆の「粉砕(グラインド)」の過程にこだわりを持っていて、従来のミルよりも摩擦熱が少なく、正確で一定な粒度で豆を削れる「コーン式ミル」を採用。粗挽きから極細挽きまで、無段階調整で粉砕の度合いを設定できて、コーヒーミルの性能の高さは他のミル付きコーヒーメーカーと比べても断トツだ。
また、上部には豆をセットしておける容器がついていて、一度に最大で100gまで容れておける。また、杯数を指定すれば豆を自動で計量して挽き始めてくれる。水は手動で入れる必要があるが、いちいち豆を計る手間が省けるので、けっこう便利になっていると言えるだろう。
形状はシンプルでお手入れもしやすく、価格が高いぶんだけの機能性がある。
コーヒーの抽出時の温度の高さや、蒸らしなども含めたドリップのクオリティに関しては、同価格帯の他の全自動式と比べればやや劣る印象だが、コーヒーミルが高性能かつ自由に挽き方を選べるのは大きなセールスポイント。
コーヒーの完成時間を予約できるタイマー機能がついていて、指定した時間に抽出が完了するようにセットできる。
操作パネルは扱いやすく、自動計量やタイマー予約機能など、高水準の機能がしっかりついていて、安くはないけれども納得感がある。
アイリスオーヤマ IAC-A600
フィルタ:ステンレス
メーカー:アイリスオーヤマ
価格 :約6,000円
最大容量:4カップ(600ml)
本体重量:2.5kg
付属品 :軽量スプーン、掃除用ブラシ
備考 :メッシュフィルター、タンク取り外し可能
超激安のミル付きコーヒーメーカー。
6千円程度で、下手したらドリップ式よりも普通に安いという、衝撃的な価格だ。
低価格ながらによく工夫されていて、コンパクトかつ便利な設計。抽出用のフィルターと給水タンクが一体化しているので、洗うと同時に給水できて合理的。
紙フィルターを使えないメッシュフィルター仕様だが、値段を考えれば仕方ないもののクオリティはやや低く、風味が落ち雑味が増すドリップになってしまう。使い込むほどフィルターの隙間にコーヒー粕による汚れが蓄積していくのも、人によってはかなり気になるだろう。
砕いたり注いだりするときの音が煩く、抽出が終わるまでの時間も長めと、マシンも安いなりの性能。
しかし、デメリットを加味してもなお、この価格帯で全自動コーヒーメーカーとして最低限の仕事をしてくれるのは素晴らしいと思う。シンプルで使いやすいのも高評価。
毎日頻繁に使うのであれば、基本的にはもう少し性能が上のものをおすすめするが、「豆からコーヒーを淹れたいけど、コーヒーメーカーにはそれほどお金をかけることができない」という人なら選択肢に入れていい。
コーヒーメーカーのお手入れ、管理について
コーヒーメーカーのお手入れのやり方についてだが、製品によってわりと異なる。詳しいやり方は「取扱説明書」に必ず書いてあるので、それに従ったほうがいい。
基本的に洗う必要があるのは、「給水サーバー」、「コーヒーサーバー(容器)」、「メッシュフィルター」、「ドリッパーを収納するバスケット容器」など。全て、柔らかいスポンジとお湯で洗うのが良い。
そもそもコーヒーの抽出は、コーヒー豆(粉)と水しか使わないので、大きく汚れることはない。 コーヒーには油分も含まれるが、それほど強烈な汚れにはならない。抽出後の粕をコーヒーメーカーの中で放置しておくなどしない限り、極端に不潔な状態になるのは考えづらい。
ただ、水分はカビ臭さの原因になるので、数日間使わないのであれば、水滴などはできるだけ拭き取っておきたい。
注意点だが、まず、コーヒーメーカーは電気製品であり、直接水洗いなどは絶対にしてはいけない。内部に収納されているコーヒーミルなどは取り外して洗う必要はないので、余計なことはしないようにしよう(取扱説明書で書かれているお手入れ以外をやると逆効果になる)。
また、基本的にお湯洗い推奨であり、重曹、酸性の洗剤、漂白剤などを使ってはいけない。どうしても洗剤を使いたいのであれば、中性洗剤を水で薄めたものを使うのが良いとされる。
それぞれのメーカー(企業)の製品の違い
普通にコーヒーメーカーを使う上では知らなくていいようなことだが、「好みのメーカーの製品を買う」というのがコーヒー好きとしては一般的な行動だ。
おすすめのコーヒーメーカーはすでに紹介したが、各メーカーの基本的な情報を知っていると選びやすくなることもあると思うので、知りたいのであれば読んでいってほしい。
Melitta(メリタ)
ドイツのミンデンに本社を置く、コーヒー関連グッズの総合メーカー。
ろ紙を使う「ペーパードリップ式」という抽出方法を世界で初めて考案したのは、創業メンバーである「メリタ・ベンツ」であり、彼女の名前が会社名になっている。(ペーパードリップ以前は布や金網が使われていて、手間がかかるし不衛生だった。)
少人数でのペーパーフィルターの生産から始まった会社だが、現在は高性能なコーヒー機器を150カ国以上に提供する、世界有数のコーヒー専門カンパニーに成長した。
全自動コーヒーメーカーから、アナログなコーヒーミル、ケトル、コーヒーキャニスター(保存容器)、フィルターペーパーまで、コーヒーに関連する製品を網羅している。どれも非常にクオリティが高い、歴史と信頼のあるメーカー。
日本では、「メリタ・ジャパン株式会社」が支社業務を行っている。
De' Longhi(デロンギ)
イタリアのトレヴィーゾを本拠地とする電気機器製造会社。
交換部品を作る工場からスタートし、世界屈指のメーカーに成長した。オイルヒーターやエスプレッソマシンは特に評価が高い。
間違いのない機能性に加えて、古典的なイタリアらしさが意識された高いデザイン性が魅力で、日本の家電と一線を画するオシャレさがある。「本場の格」というものを感じてしまうくらい、シンプルかつエレガント。
日本で売られている製品は、機能面を日本人に合わせてローカライズするなどの工夫も行っていて、世界で覇権を取るのも納得のメーカー。
イタリアではコーヒーと言えば「エスプレッソ」であり、エスプレッソマシンと言えばデロンギが定番。
ネスレ
スイスに本社を置く、世界最大の食品・飲料メーカー。
1866年に、創業者で薬剤師のアンリ・ネスレが、乳幼児のためのベビーフードを開発したのが始まり。
コーヒー飲料のブランド名は「ネスカフェ」で、インスタントコーヒーやアイスコーヒーなど、日本でも圧倒的なシェアを持つ。
家電メーカーではなく、一般的なコーヒーメーカーは製造していないのだが、代わりに「カプセルコーヒーメーカー」という自社のコーヒー商品に対応した製品を販売している。
パナソニック
「パナソニック株式会社」は、松下幸之助の「松下電器具製作所」から始まり、「松下」「ナショナル」などと呼ばれていたが、紆余曲折を経て「パナソニック」に名称が統一された。
日立製作所、ソニーに次いで、国内電気業界の第3位であり、日本人なら誰もが知る電機メーカーだ。
あらゆる家電を販売しているが、コーヒーメーカーを含む「キッチン家電」において、ライバルの他大手企業よりもパナソニックの存在感が強い印象。
タイガー魔法瓶
「食卓に、温もりの魔法を」がブランドステートメントで、キッチン家電の製造と販売を行う大阪の老舗メーカー。
業界で初めて「土鍋のIH炊飯ジャー」を発売するなど、アイデアを品質を両立した家庭用電化製品を世に出してきた。
アイスコーヒーを抽出できるコーヒーメーカーなど、工夫が光る良製品も多い。
象印(ぞうじるし)
「象印(ぞうじるし)」は、正式名称は「象印マホービン株式会社」で、大阪での魔法瓶の製造から始まり、創業から100年、法人設立から70年が経っている老舗。ライバル会社「タイガー魔法瓶」に対抗するために「象(ゾウ)」をブランドアイコンにしたと言われている。
魔法瓶から始まり、電気ケトル、ポット、オーブントースター、ミキサー、鍋、炊飯器、食器洗浄機など、キッチン家電を主に作っている。加湿器や除湿機などの家電も取り扱っている。
アイリスオーヤマ
仙台市に本社のある企業で、家庭用プラスチック製品の製造と販売をメインに行っていたが、2000年代からは家電も作っている。
日用品、インテリア用品、ペット用品、食品、ジェネリック家電など、安くて手頃な製品をあらゆるジャンルに渡って販売している。ネット通販などで高い人気を誇り、ジャンルによっては大手メーカーを抑えて国内トップクラスを占めることも多々ある。
山善(やまぜん)
大阪を本拠地とする商社で、デジタル家電の卸売も行い、日本のモノづくりを支えている。
「ジェネリック家電」と呼ばれる、ブランドにとわれない機能的な廉価版の家電を扱っていて、安さが売り。
HARIO(ハリオ)
東京に本社を置く日本の耐熱ガラスメーカー。
1921年に創立、理化学用硝子器具の製造・販売から始まり、以後様々なガラス器具を販売し続ける。
コーヒー・ティー関連、酒用グラス、調理器具、理化学用品など、ガラスを素材を中心とした様々な製品を開発している。
コーヒー関連のブランド名は「珈琲王」。
sicoca(シロカ)
全自動コーヒーメーカーや、ノンフライオーブンなどのキッチン家電が大きな売上を出し、大きな注目を集める日本の新興メーカー。
元は2000年創業の「オークセール」という卸売業者で、自社製の家電を販売し始め、2016年に「シロカ株式会社」に改名。
シンプルで機能性の高い製品を安く販売し、堅実な人気を獲得しつつある。自社の家電と相性の良いコーヒー豆やホームベーカリー用のミックス粉などの販売も行っていて、消費者の心をガッツリ掴むブランディング。
このご時世において、新しく家電メーカーとして成功を収めた実力は並外れたものがあると思う。
コーヒーメーカーを作っている企業についての雑感
日本でシェアを取っているのは、海外の超大手企業と、国内の家電メーカーである。
個人的に、和製コーヒーメーカーは、贔屓目なしに見ても、かなりスゴいと思っている。独特の味のあるデザイン(古臭いと思う人もいるだろうが)で、手頃な価格で使いやすく、性能も全然悪くない。自国の市場とはいえ、世界的なメーカーに大きくシェアを奪われていないのは相当なことだ。
「ジェネリック家電」と呼ばれるような、安いなりの理由はあるものの、低価格でやるべきことはしっかりこなす廉価版製品も、非常に多様なバリエーションがある。
実は日本は、コーヒーの消費量が世界で第4位の国(ソース:世界と日本のコーヒー豆事情 | AGF®)である。1人あたりのコーヒー消費量で見ればトップクラスではないものの、日本は少なくとも国内需要が十分に見込めるくらいには人口の多い国なので、日本人向けのコーヒー市場は巨大なのだ。
「缶コーヒー」は日本発のオリジナルコーヒー文化として知られているが、コーヒーメーカーにおいても、日本企業はオリジナリティにあふれる製品をいくつも販売している。
ヨーロッパ製のコーヒーメーカーなどは確かにオシャレでカッコいいが、日本製コーヒーメーカーの良さもぜひ知ってもらいたい。
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