男ってのは、異常なくらいファッションが苦手な人がいる。
それは仕方ない。自分を着飾るよりも先にやらなければならないことはたくさんあるからだ。見た目なんて気にせす、自分のやりたいことを全リソースを割いてるやつは服がダサくてもかっこいい。
ただ、現実的に考えて、服がダサいと、けっこう損することが多いのも事実。女性にはモテないし、変なやつだと思われるし、下に見られる。
別に、特別にオシャレと思われる必要はないから、「最低限ダサいと思われない服装」ってのは大事だろう。
ほんの少しの情報と、真っ当な考え方さえ身につければ、「ダサい服の男」からは卒業できる。
服なんて買ってしまって、あとはそれを着回せばいいんだから、ファッションやコーディネートなんて簡単だ。
今回は、どうすればまともなメンズファッションが可能なのかを、ダサい男向けに徹底的に解説していこう。
「ひょっとして僕ってダサいのでは?」と思ってる男性は、ぜひとも最後まで読んでもらいたい。
「ファッション雑誌」を読み込んでもオシャレにはなれない
ファッションの難しさは、ダサい人が頑張って「ファッション雑誌」などで勉強しても、ますますダサくなってしまう可能性が高いことだ。
「ファッション雑誌」というのは、ほとんどすべてが「広告」で構成されている雑誌だ。案件をくれた企業の広告をそのまま載せれば、それがコンテンツになってしまう。だから、出版不況のこのご時世に、内容的にはどう考えても廃刊にするしかないような雑誌が、コンビニなどに置かれているのだ。
ファッション企業やファッション雑誌は、消費者に新しい服をどんどん買わせようとする。そのため、「良い服を着るのはスゴイことだし、オシャレになれば女性にモテるぜ」というメッセージを強く打ち出している。だがそれは間違っている。
実際には、ファッションの最適解は無難なものであり、なるべくマイナス(減点ポイント)の少ない服装をするのが、ファッションで成功するための近道なのだ。「流行」とか「トレンド」とか、そういうのも完全に無視していいぞ。
これから、「なぜマイナスの少ないファッションが優れているのか?」と、「そのための具体的なコーディネートの紹介」を書いていく。
ファッションやオシャレが苦手な男性はぜひ最後まで読んでいってくれ!
カードゲームやボードゲームの比喩で考えてはいけない
アンチパターン(やってはいけないこと)から解説していこう。
オタクがやりがちな思考パターンで、ファッションを、トレーディングカードゲームと同じように、それぞれの服のシナジーを追求して点数を出していく遊びか何かのように捉える人がいる。
「このシャツとこのジャケットとこのジーンズ組み合わせたら、○○という理由で超強い」みたいな考え方は楽しいのだが、これは間違っている。
ファッションは、「プラス」を追求するものではなく、「マイナス」を消すものだからだ。
高い点数を出そうとするのではなく、マイナスがない状態を維持し続けるゲーム性だと考えたほうがいい。
だから、ファッションとして最高なのは「制服」や「スーツ」だ。多くの男性(あるいは女性)が、大人になっても制服があったらなあ、と考えているだろう。楽だし、差がつかない「制服」は、ミクロで見た場合、ファッションとしては最高なのである。
例えば男性の「スーツ」なんかは、着心地が絶望的に悪いことを除いては、とても素晴らしいファッションと言える。
まずはここを認識しておこう。無個性なファッションこそが理想なのである。
好かれる要素は「無難」である
人間は、平均すれば、最も無難なものを選ぶようにできている。
「イケメン」とか「美人」というのは、実は最も無難で平均的な顔のことを言うのだ。
「平均顔」とか「人間 顔 平均値」とかググって調べてみて欲しい。際立った特徴のない平均こそが美人と言われる特徴であることがわかるだろう。
美人と言われるような人は、目がスゴイとか鼻がスゴイみたいな、プラスの特徴をたくさん備えているわけではなく、目立つ欠点がないのだ。
人間の脳は「流暢性(見慣れたもの)」を好むという性質がある。見慣れているものほど情報を処理しやすく、無意識に好ましさを感じるのだ。(つまり、毎日顔を合わせている人間はお互いに好きになりやすい。)
ようするに、最もモテやすい見た目は、特に欠点のない「無難な(見慣れた)」ものであるということだ。ファッションにもこの考え方を適用できるぞ!
ファッションで一発逆転できることはほとんどない
これからオサレを目指そうと意気込んでいた人には申し訳ないが、ファッションを頑張ったからといって、それで逆転できるほど評価が向上するわけではない。ファッション誌やコーディネート記事などは、服を変えればガラッと評価が変わるようなことを言って煽るが、それは商業のための嘘だ。
そもそも人は他人のファッションをそこまで見ていない。男性が女性のファッションをわりとどうでもいいと思っているように、女性も男性の服なんてそれほど気にしていない。男女が異性に求めるファッションは、「清潔感があって、特に変だったり気持ちが萎えるものではなく、一緒に居て恥ずかしくないもの」だ。服装にそれ以上を求める人間は特殊だ。
みんなが漠然と「オシャレ」とか「清潔感」と言う言葉で表現しているが、評価されやすいファッションはプラスが大きなものではなくマイナスが小さいものだ。
ファッションで考えるべきことは、「いかに減点をなくすか」なので、ファッションの力で一発逆転をするのは難しい。ただ世の中にはダサい男性が多いから、「無難なファッション」だけでも、相対的にかなりマシに見えるだろう。
とにかく大事なのは、「ファッションは高評価を稼げるものではない」という意識だ。マイナス要素をできるだけ無くすようなコーディネートをするのが、まず最初に考えること。(加点が欲しいなら美容やダイエットや筋トレを頑張ろう。)
例外として、「ギャル系」「ホスト系」「ビジュアル系」など、ある種の価値体系が含まれたファッションというものが存在して、そこに入り込めば、特定の層にモテやすくなるというのはある。「ビジュアル系の格好をすれば一般人からは引かれるがバンギャからの受けは良くなる」みたいなことはある。特定の価値観の層を狙うなら、それに見合ったファッションをするというのは一つの手だ。
ただ、この記事に関しては、「万人受けするスタンダードなファッションのおすすめコーディネート」という前提でやっていく。あと、「そんなにお金をかけないでファッションを済ます」ことも重要と考えている。格安の服ばかり選ぶわけではないが、なるべくはユニクロで揃える程度の値段に収めたいと考えている。
ボトムス(ジーンズ・パンツ・ズボン)の格安おすすめ
Amazonで安く買える無難なボトムスは
といったイメージだ。どれもメジャーなブランドだが、何買えばいいかわからない人はこういうのを買っておけばいい。
「リーバイス」のデニムは安くないが、けっこう長く使えるのでおすすめ。ただ、自分のサイズがよくわかっていない人は、店舗で試着してから買ったほうがいい。
ボトムス(ズボン)の無難なものが欲しいなら「UNIQLO(ユニクロ)」に行こう。トップスやアウターは別だが、ジーンズに関して言えば、ユニクロは間違いないぞ。
ユニクロは店舗も多く、試着もしやすいし、裾上げなども素早くやってくれる。ユニクロのジーンズは「レギュラーフィット」「スリムフィット」「スキニーフィット」があるが、どれもクオリティが高いので、全部履いてみて、しっくり来たやつを選ぶといい。
インナーの格安おすすめ
インナー(Tシャツ・Yシャツ)は、わかりやすいし選びやすいので、ファッションが苦手な男性でも選びやすい服の一つだ。たいていのショップにはTシャツが置いてある。だが、あまり柄物とかは選ばないほうがいい。「プリントTシャツ」や「面白Tシャツ」系は、無難に個人の嗜好を表現できるファッションで、それ自体は悪いものではない。最悪のファッションにはなりにくいので、まったくダメとは言わない。ただ、ベストな選択肢でもないと思う。無地にインナーをちゃんと着れたほうが、普通にオシャレになる。
男性の場合、派手な色を着こなすのは難しい。白、黒、グレー、ネイビー、ダークグレー、ダークブルー、アーミーグリーンあたりのカラーが無難だ。
「Vネック」は、スマートに見えるので、よほど傾斜が急なものでない限りはおすすめできる。もちろん「Uネック」でも問題はない。
Amazonで安く買えるおすすめは
あたりだ。
意外と無難なインナーというのは見つけにくいものだが、実際に店舗に行ってみてサイズや手触りなどを確かめてから買うに越したことはない。ただ、インナーは試着できない店も多いし、できたとしてもシャツの試着は遠慮してしまうという人は、ネットで買うのも選択肢として十分にアリ。ジャケットやコートと違ってそれほど高いものではないし、なんとなくのサイズがわかっていれば普通に着れる。
店舗で買うなら、やはり「UNIQLO」の製品は良いと思う。
ユニクロのインナーは、冬用の「ヒートテック」と夏用の「エアリズム」があまりにも有名だが、実用性で言えばこれらは最強だ。インナーは、上から着る服によっては見えなくなるので、快適さにこだわるのもいいかもしれない。
メンズシャツの格安おすすめ
スマートなシャツをきっちり着こなしているのはカッコいい。
ボトムスとインナーとシャツをすっきりシンプルに着るだけでも、オシャレ上位層に入れる。
個人的には「七分袖」がおすすめで、スマートに見えるし、夏は腕まくりしやすく快適だし、上からジャケットなどを羽織れば冬でも使える。普段使い用のカジュアルなシャツであれば、七分袖はかなり良い。
Amazonで安く買えるおすすめは
あたりが良い。
「UNIQLO」や「H&M」のようなメジャーなアパレル点で探すのもいい。メンズシャツは定番がなくて、シーズンごとにけっこう変わる。ユニクロは素材はいいが厚ぼったいものが多い印象。H&Mは、安くてカッコいいものも多いのだが、洗濯するとすぐに生地に皺がよってしまう。
メンズジャケットの格安おすすめ
「インナーの上にジャケット」あるいは「シャツの上にジャケット」という組み合わせは、男性のファッションコーディネートで最も無難なものの一つだ。
ただ、ジャケットは種類が多いし、値段も高いからたくさん試すことができないので、けっこう選ぶのは難しい。
無難なものをいくつか紹介する。
ここで紹介したジャケットだが、安いものは安いものなりの安っぽさがある。ただ、初心者はそこまで気にする前に、とりあえずちゃんと着れるまともな服を揃えるのが重要だ。
ジャケットは、しっかりしたものだと1万以上は絶対に必要で、実際に店舗で手にとって選ぶのがいいと思う。
メジャーどころで言えば、ユニクロのジャケットは、ややオフィシャル寄りだが、選びやすくていいと思う。30代、40代男性なら似合う人が多いだろう。「ZARA」などアパレルブランドのジャケットもカッコいいが、スマートな体型の人でないと似合わないものが多い。
オンラインのファッション通販で買うのもアリ
実際に店舗に行ったからといってじっくり選べるわけではない人も多い。また、店舗型のアパレルショップよりも、オンライン通販のほうが料金が安い傾向にあるので、「ファッション通販」の人気は近年ますます上昇している。
国内のファッション通販で最も有名なものは「ZOZOTOWN」だろう。アプリが使いやすいし、2ヶ月後に支払うツケ払いが誰でも簡単にできるし、「ZOZOSUIT」も話題だ。ゾゾタウンは、素晴らしいサービスであることは間違いないが、「ファッションを楽しみたい勢」向けのサイトで、無難なファッションを求める人には向いていない。普通に組み合わせたら絶対にダサくなるという服装が多いし、20代を過ぎたまともな男性には難しい。
男性には、「メンズファッション専用通販」がよりおすすめで、代表的なのは「Sputnicks(スプートニクス)」と「TopIsm(トップイズム)」だ。どちらも「ランキング機能」があるので、それを見ればどんな服がメジャーなのか参考になる。まあ「スプートニクス」は変わり種な服が多いし、「トップイズム」はDQN系・オラオラ系もテイストが若干する。ただ、どちらも品揃えは豊富で、無難に良い服もたくさん売っている。トータル販売があるので初心者におすすめ。Amazonで良い服が見つからなかった場合は、これらのサイトを使うのがいい。
ファッションについて参考になる漫画『服を着るならこんなふうに』
ざっと、「無難なファッションのイメージ」を紹介してきた。あとは靴とベルトをしっかりやれば、世間的に見ればけっこうオシャレな部類に入れると思う。
自分の個性を出そうとせずに、量産型で無難な格好をちゃんとやっていれば、それで十分に良いコーディネートになる。
この記事の解説や、紹介してきたコーディネートのイメージだけではピンとこないという人も多いかもしれない。人間の体型や風貌には個人差があるので、「自分にはこれは当てはまらないな」と感じるのはおかしなことではない。
ただ、最初に言ったように、企業広告だらけのファッション雑誌を読み込んでも、正しいファッションの知識を身につけることはできない。
メンズファッションをより勉強したい人におすすめなのが、『服を着るならこんなふうに』という漫画だ。
男子向けにメンズカジュアルファッションのコーディネート理論を解説した漫画で、めちゃくちゃ勉強になる。ファッション雑誌とは違って、本当に服選びが苦手な男性に寄り添った本。
巻数が続いているが、第1巻を読むだけでも十分に勉強になるはずだ。この記事が物足りなかった人はこれを読んで見るといいかもしれない。
ファッションとカッコよさに関する身も蓋もない話
ものすごく身も蓋もない話をすると、「スマートな体型で、ジャストフィットする無難な服をしっかり着ている人」が一番カッコいい。
男性は、豊満なバストや、くびれたウエストが好きだし、それを強調するような服に惹かれるだろう。実は、女性側から見た男性の服装も、それと大差ない。引き締まったお腹とお尻で、シャツとジーンズが身体にフィットしていれば、それで十分魅力的なのだ。(太い腕や胸筋は好みが別れる。)
一番カッコいいファッションは、だらしなくない体型に、無難な服がしっかりフィットしていることで、それ以上はほとんどない。魅力を決定づけるのは主に顔と体型であり、オシャレなブスが素朴な美人に勝ることがないのと同様に、男性もオシャレさのみで逆転することは難しい。
身も蓋もないが、良いファッションをしたいのであれば、腹回りの脂肪を落とすことから始める必要がある。現代ファッションは、基本的にはスリムな身体に似合うように作られている。
ファッションを楽しむのは素晴らしい趣味
今回は、ファッションを苦手な人向けに書いているので、「とにかく無難に」というのがコンセプトだった。
勘違いしないで欲しいが、俺はファッションが大好きだし、オシャレを追求する人たちに悪い感情は一切持っていない。
だが、「無難」以上のファッションは自己満足であることを、まず最初に理解しなければならないのだ。「異性の目を惹くために攻めたコーディネートをすると失敗する」という当たり前のことを言いたかった。モテたいのであれば、ファッション以上に気をつかうべき点はたくさんある。
自己満足のファッションは、良い趣味と言える。自尊心を持つのは大事なことだし、服装でそれが得られるのであれば、それは素晴らしいことだろう。ファッションとは身につける芸術であり、そういう感覚を持っていれば、日常はもっと豊かになるはずだ。
結論を言うと
- ファッションにそれほど興味はないけど、モテたいしカッコいいと見られたいなら、「無難なファッション」こそがベスト
- ファッションを自己満足として楽しみたいなら、それは素晴らしい趣味だし、大切にしたい