「難消化性デキストリン」は、薬局やネットなどで買うことができる。
日本では「イージーファイバー」という商品があるが、成分は同じ「難消化性デキストリン」だ。
水に溶かして、食前に飲むと、糖と脂肪の吸収が抑えられる。
ただ、「いったいどういう理屈でそうなるの?」と考えるのが普通だと思うので、わかりやすく簡潔に、「難消化性デキストリン」が効果的である理由を解説していきたい。
目次
難消化性デキストリンとは何か?
「難消化性デキストリン」は、食品の「食物繊維」を抽出したもので、とうもろこしの澱粉分解物からつくられることが多い。
例えば、みんながよく食べる「りんご」や「バナナ」といったフルーツは、糖質と食物繊維で構成されている。
糖質を抽出したものが「砂糖」だとすると、食物繊維を抽出したものが「難消化性デキストリン」だ。
「砂糖」は甘くて栄養があるから、様々なところで使われる。
一方、「食物繊維(難消化性デキストリン)」は、カロリーがないし、美味しくもないので、料理に使われることはほとんどない。ただ、健康効果、整腸効果、ダイエット効果があるので、最近は評価が見直されている。
「糖や脂肪を抑える」みたいな効果のある「特定保健用食品(トクホ)」が売られているのを見たことがあると思う。ああいうのには、たいてい「難消化性デキストリン」などの食物繊維が溶かされている。
繊維があると太りにくい
「繊維があると太りにくい」というのは、多くの人がなんとなく知っていることだろう。
例えば、まったく同じカロリーでも、砂糖菓子を食べるのと、フルーツを食べるのとでは、後者のほうが太りにくい。それは、フルーツが「食物繊維」を含んでいるからだ。
同じカロリーのものを食べても、食物繊維が豊富な野菜などの比率が多ければ、太りにくくなる。
「人間の太る仕組み」は、超カンタンに説明すると、
- 何かを食べる
- 血糖値が上昇する
- インスリンが出てきて糖を蓄える
- 脂肪になる
という流れ。
このとき、血糖値の上昇するスピードが問題になる。
血糖値が急に上昇すると、インスリンがたくさん出るので脂肪になりやすく、血糖値が緩やかに上昇すると、インスリンがあまり出ないので太りにくい。
同じカロリーでも食物繊維が多いほうが太りにくいし、同じ量でも小分けに食べるほうが太りにくいのは、そういう理由だ。
砂糖や、それをたくさん使ったお菓子のように、純粋な糖に近いものは、「溶けやすい」ので、血糖値を一気に上げる。
フルーツのように、繊維を含んだものは、比較的「溶けにくい」ので、血糖値の上昇が緩やかになる。
「サラダを先に食べろ」と言われる理由
食事をするときに、「サラダから先に食べたほうがいい」ということが言われないだろうか。これにも理屈がある。
サラダ(野菜)は食物繊維が豊富であり、先に食物繊維をお腹に入れておいたほうが、血糖値の上がり方が緩やかになる。
ご飯(白米)から手をつけると、急に血糖値が上昇してしまうから、まずはサラダからのほうが、身体に負担がかからなくなるし、太りにくくもなる。食べる順番もけっこう大事なのだ。
食物繊維が豊富なものは、糖質や脂質が高いものよりも、先に食べたほうがいい。
まあ、実際のところ、そこまで順番に厳密にこだわる必要もなく、「一緒に食べる」くらいでも十分に効果がある。
食前か食中に難消化性デキストリンを飲むと効果がある
「難消化性デキストリン(食物繊維)」は、食前か食中に飲むことによって、消化吸収を緩やかにして、同じものを食べても太りにくくしてくれる。
「裏ワザ」みたいな感じだが、うさんくさいサプリメントなどと違って、ちゃんとしたダイエット効果がある。「食物繊維を摂れば血糖値が上がりにくくなる」という至極単純な理屈だ。
トクホのやたら高い「お茶」なんかも、ただのお茶に繊維質が入ってるだけ。自分で「難消化性デキストリン」を買って溶かしたほうが断然安いぞ!
ただ、トクホ系の飲料は、繊維質が混ざってるわりには、そんなに不味くないのがメリット。
「難消化性デキストリン」は、お茶やスープやヨーグルトなどに溶かして飲むことが推奨されがちだが、ざらざらした食感があり、味は落ちる。
個人的には、あまり味の良いものだとは思わないので、「食中」ではなく、食前に一気に飲んでしまうことにしている。
難消化性デキストリンの飲み方(自分の場合)
やや特殊だが、自分がよくやる飲み方を紹介する。
まず、プロテインシェイカーに水を300g入れて、青汁2袋(6g)と、イージーファイバー1袋(5.2g)を用意する。「イージーファイバー」は、「難消化性デキストリン」のことなのだけど、小分けになっているのが便利なのでそれを買っている。

青汁と、イージーファイバーを、300gの水に溶かす。どちらも不味いものなので、混ぜて一気に飲んでしまおうという魂胆。

混ざるとこんな感じ。あまり美味しそうには見えないだろうが、見た目の通り不味い。


味は悪いが、効果は抜群だ。
大食いする前にこれを飲めば、糖や脂肪の吸収がかなり穏やかになるし、腸内環境がめちゃくちゃ良好になる。
ただ、注意したいのは、食物繊維を取りすぎても逆にお腹の調子が悪くなってしまう場合がある。自分は慣れているので、一気にこれだけ飲んじゃうが、初めて試す人は、少量からやったほうがいい。
青汁も似たような効果がある
「青汁」は、昔からある健康食品だが、実は「青汁」と「難消化性デキストリン」の効果は、けっこう似ている。「青汁」は、ビタミンやミネラルも含まれるが、そのほとんどが「食物繊維」だからだ。
「青汁」も、食前や食中に飲むと、糖と脂肪の吸収を穏やかにしてくれる効果がある。ビタミンやミネラルも含まれているので、栄養価を考えるなら上位互換だ。
ただ、「青汁」の場合、「難消化性デキストリン」よりも価格とカロリーが高い、というのがデメリットになりうる。
どちらが良いかは人による。
「食物繊維」にも、けっこう種類があって、「青汁」「難消化性デキストリン」「イヌリン」「粉末セルロース」「レジスタントスターチ」など、体質によって合う合わないがある。
最も初心者向けなのは「青汁」で、「難消化性デキストリン」に抵抗があるという人は、「青汁」から始めればいいと思う。
自分はいろいろ試した結果として、「青汁」と「難消化性デキストリン」の組み合わせで調子が良くなることがわかった。ただこれは、他の人には当てはまらないかもしれない。
食物繊維には、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」があって、バランスが大事と言われている。便秘気味の人には「水溶性食物繊維」が必要で下痢気味の人には「不溶性食物繊維」が必要だ。
「青汁」には、「水溶性」と「不溶性」がバランス良く含まれていて、初心者には「青汁」がおすすめなのはそれが理由だ。
消化できない繊維質が重要だった
ヒトは、「食物繊維」をエネルギーに変えることができない。
牛は、草を食べて太ることができるが、それは草をエネルギーにする消化酵素を持っているからだ。人間は持っていないので、食物繊維はエネルギーにならないし、人間にとって「食物繊維」は栄養素ではない。
そのため、食物繊維は不要なものだと長らく思われてきた。
のちに、人間の大腸にとって、食物繊維はなくてはならないことがわかってきて、「栄養ではないけど摂ったほうがいい」ということになった。
また、「飢餓」よりも「肥満」が問題になってからは、「砂糖」よりもむしろ「食物繊維」のほうが、重要な役割を担うようになっていく。
消化できず栄養にもならない繊維は、腸内環境の改善に役立ち、肥満を抑制する効果がある。
「野菜を食べましょう」とよく言われるが、それは主に「食物繊維」のためだ。
食物繊維が不足していると感じる人は、「青汁」や「難消化性デキストリン」でもいいから、摂取したほうがいい。お腹の調子が悪くなりがちな人は特に。
「難消化性デキストリン」か「イージーファイバー」か?
日本では「イージーファイバー」という製品が有名だが、成分はまったく同じ。(イージーファイバーの場合は、乳酸菌などが追加で入っているものもある。)
「難消化性デキストリン」は、袋で買えばめちゃくちゃ安い。「イージーファイバー」だと割高になるけど、小分けにされてるのが便利だから、自分はそっちを買ってしまうことが多い。
成分的に違いはないので、どっちを買っても同じ。
安さを求めるなら、ブランド代や宣伝費がかかっていない「難消化性デキストリン」を買おう。
お金に余裕があるなら、小分けにされている「イージーファイバー」でもいいかも。そこまで大きく値段が変わるわけではない。
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