ゲームから考える日本と韓国の違い【文化比較】

自分は、日本のゲームも韓国のゲームも大好きなのだが、ゲームの違いを見ると両国の違いが顕著に見えるんじゃないかと思った。

面白いと感じるので、思ったことを共有させてもらいたい。

個人制作のタイトルとかも含めると、「個人の個性の話」になってしまうので、あくまで「人気を得ている大作」をベースに話を進めたい。

日本で人気のゲームと韓国で人気のゲーム

日本で人気のゲームは「属人的なもの」で、韓国で人気のゲームは「高水準のもの」だと思っている。

もっと噛み砕いて言うと、和ゲーは「有名クリエイターの作品」が強くて、韓ゲーは「オンラインゲーム」が強い、というイメージ。

当ブログでは、「PS4ソフトおすすめランキング」と「PCゲームおすすめランキング」を執筆しているが、「PS4ソフト」は日本のタイトルが多くを占め、「PCゲーム(オンラインゲーム)」は韓国のタイトルが多くを占める。

日本のゲームを例に出すと

  • ダークソウル
  • ドラゴンクエスト11
  • キングダムハーツ3
  • ファイナルファンタジー13
  • ニーアオートマタ

といったラインナップ。

韓国のゲームを例に出すと

  • 黒い砂漠
  • アーキエイジ
  • メイプルストーリー
  • Alliance of Valiant Arms
  • PUBG

といったラインナップだ。

日本製はクリエイターの属人性重視で作られていて、韓国製は高い水準のものをしっかり運営するように作られている、という気がする。

 

属人的なやり方はビッグタイトルを作るのに向いていないのでは?

最近、「もしかして、日本人ってビッグタイトルを作るのに向いてないのでは?」と思うことがあった。

具体的には『ファイナルファンタジー15』と『キングダムハーツ3』だ。

どちらも、長い開発期間をかけ、すごく期待が高まっていただけに、遊んでみたときのガッカリ感は大きかった。

両方とも、ところどころすごく良い部分がある。ただ、一つのゲームとしても見ると、あまり出来が良くない。

例えば『FF15』の料理CGのこだわりとか、それを強くやりたいと望む人が開発チームの中にいたのだろうし、一時はそのこだわりが注目されて話題になったりもしたけど、実際にプレイした後は「それ以外に力を入れるべきところがいくらでもあっただろ!」と言いたくなった。

些末な部分に偏執的にこだわって、全体としてのクオリティが削がれているというか……。

こういう傾向って、個人が創作性を発揮する上ではすごく良いのかもしれないけど、全員で一つの大作を作ろうとする上ではマイナスに働く気がする。

例えば、日本は「漫画大国」だけど、漫画と似たようなメンタリティでゲームを作っているのかもしれない。

だから、ゲームが大作になるほど、全体的に破綻した感じになってくる。

『キングダムハーツ3』のレビューを書いたことがある。

キングダムハーツ3の評価と感想を正直に言う【KH3レビュー】

2019.02.14

『キンハⅢ』は、部分部分の演出などを見るとものすごく光るものがあるけど、全体としては良い出来のゲームとは言えなかった。

『キンハⅠ』と『キンハⅡ』は、最高のゲームソフトだと思うけど、10年前くらいの作品の規模だと、属人的なやり方でも、まだプラスの部分が大きかったのかもしれない。

でも、現代的な水準のビッグタイトルとなると、もう同じやり方では難しいんじゃないか、と思ってしまう。

 

これもレビュー記事を書いたが、『ニーアオートマタ』のように、ヨコオタロウの属人性が存分に発揮されながらも、国内外から絶大な評価を得ているものもある。

ニーア オートマタのネタバレ無しレビューとネタバレ有り感想【NieR: Automata評価】

2018.09.30

ただ、『ニーア』は、全体が良くできているかと言えばそうではない。「めちゃくちゃ尖っている」タイトルではあるけど、「高水準」って感じでは決してない。

やたらシューティング要素が入ってくるのとか、「こういうのやってみたい!」的なノリで取り入れられたんだろうけど、決して良いものではないと個人的には思う。まあストーリーは最高に感動したけどな!

 

『FF』にしても『キンハ』にしても『ニーア』にしても、海外でめっちゃ売れてるから、まだ差し引きではプラスになってるのかもしれない。

しかし、これからますます高い水準が求められることを考えると、ビッグタイトルで属人的なやり方に頼るのはそろそろ厳しいんじゃないだろうか

そもそも、『ドラクエ』にしても『FF』にしても『キンハ』にしても、過去の属人的だった時代の遺産にかなりの部分を頼ってるし……。

個人的には、大作ゲームだけがゲームではないし、属人性が高いからこそクリエイティブなものが生まれる側面は間違いなくあるので、日本のやり方はこれはこれで素晴らしいと思う。むしろ、でっかいゲームを作るのは他に任せて、個人の才能が世に出る仕組みを磨き上げて欲しいところだ。

オンラインゲームとかになってくると、韓国のタイトルのほうが圧倒的にクオリティは高い。

 

韓国は水準が高いけど息苦しそう

韓国はゲームの運営がめっちゃうまい!

今の日本で当たり前になってる「ガチャ」だが、最初に導入されたのは『メイプルストーリー(韓国ゲー)』らしい。

日本においても、ゼロ年代は『メイプル』『RO』『マビノギ』あたりが3大ネトゲみたいな感じだったが、その頃から韓国のオンラインゲームは水準が高かった。

今流行っているものでも、『黒い砂漠』『アーキエイジ』『AVA』などのPCオンラインゲームは別格のクオリティがあると思う。

 

いま大流行の『PUBG』なんかは、ルールの面白さもさることながら、100人のバトルロイヤルが精密かつ快適に遊べるってことにまず感動した!

製品的な質の高さがあるというか、特別な面白みはないけど、「必要なことをしっかりとやれている」って感じ。

ただ、これを言ったら怒られるかもしれないけど、韓国の人気MMORPGとか、元ネタは日本のRPGだと思う。「0から1」のフェーズではなく、「1から100」のフェーズが上手なイメージ。

癖の強さとか、独創性とかでは、日本のゲームに軍配が上がる。

韓国のゲームは、全体的に水準が高いし、運営も非常に上手。ただ、しっかりしているだけに、奇抜なものとか、飛び抜けたものが生まれにくいと思う。

もちろん、どちらのほうが良い、という話はしていないよ!

お互いに強みと弱みがある。

 

日本はのんびりした島国で、韓国はシビアな半島にいるのではないか説

なぜそういう違いが出るのかというと、「置かれた環境の過酷さ」みたいなのが全然違うのだと思う。

日本は島国でガラパゴスな感じだし、なんだかんだ、韓国と比較してかなりのんびりしている。

日本も受験とか就活とか厳しいイメージがあるけど、韓国はそれが日本の比ではないくらい過激らしい。

「韓国人の英語力が高い」理由と「日本人の英語力が低い」理由とは?」という記事によると、日本のTOEIC平均点が「513点」なのに対して、韓国は「670点」らしい。同記事によると、韓国人の英語力が高い背景として、韓国の貿易依存率が80%を超えているというのがあるそうだ。(ちなみに日本は約30%、アメリカは約20%。)

日本と韓国は人種的にも文化的にもわりと近いけど、置かれた状況のシビアさが全然違って、韓国のほうがかなり鬼畜ゲーだと思う。南北分断されて上に北朝鮮がいるし、さらに上にの中国とも陸続きになっている。

日本は国内需要が強いけど、韓国は貿易前提じゃないとやっていけず、国の外を見て「グローバルスタンダードに合わせる」必要がある。

そういう違いが、ゲームにも現れてるんじゃないだろうか?

 

日本は個性を重視するし、韓国はプロ意識が高い

ホリエモンが言ってたことだが、日本の市場って内需だけでかなり豊かになれるほど大きいし、だからこそガラパゴスな文化が育っている。下手したら、日本は世界で最も自国の文化が強い国かもしれない。「コナンの映画」が「アベンジャーズ」よりも人気になる国は日本くらいだとか。

コナンももとを正せば一人の作家の作品で、そういう個人の創作物がここまで影響力を持つのは、けっこう珍しいことなのかも。

そういうのがあるから、日本は個性が尊重される文化が強いと思う。

「日本は集団主義」みたいに言われることが多いが、「創作に関しては個人主義が強い」と思える。普段が集団主義だからこそ、バランスをとるようにしてそうなってるのかもしれない。

韓国は、「ある基準があって、その基準を満たすために努力する」というのが得意なように見える。環境がシビアで、それに適応するための努力が得意なイメージだ。

あんまり詳しくないので例に出すのが合っているのかわからないが、日本のアイドルって、スタイルの良さとか踊りや歌の上手さよりも、もっと属人的な性質が評価されるイメージがある。必ずしも顔の整ってる子がトップの人気になるわけじゃないし。

韓国のアイドルは、スタイル抜群の美女で揃えて、文脈に左右されないような、プロフェッショナルとしての水準の高さを打ち出している感じ。だからこそ、K-POPは韓国以外のアジア圏でも受けているのだろう。

アイドルもゲームも、日本は個性重視、韓国はプロフェッショナル性重視、みたいなところがあると思えてこないだろうか?

あと、韓国はeスポーツがめちゃくちゃ強い。その理由は、小さい頃から人生かけてやってるプレイヤーがいて、そのための支援体制が整っているからだろうけど、そういうのも「高い水準を求める」というところと関係しているかもしれない。

 

どちらが優れているという話ではない

日本と韓国はあまり仲が良い国ではない。だからこういう話をすると怒り出す人もひょっとしたらいるかもしれない。

そもそも、隣り合う国は基本的に仲が悪い。

アメリカとカナダ、イギリスとフランス、ロシアとウクライナ、インドとパキスタンなど、近くの国は仲が悪いものなのだ。

ここでは、「どちらのゲームが優れているか?」という話はしていない。

むしろ、文化的に近いにもかかわらず異なる特徴を持っているわけだし、お互いに見習って、欠点を補い合えば、もっと良いものができる可能性がある。というかすでに、日本のRPGをベースに作った韓国製のオンラインゲームは、そういうものと言うこともできるかもしれない。

自分は韓国には行ったことがないのだが、韓国製のオンラインゲームは大好きだ。もちろん日本製のゲームも大好きなので、両方とも応援したい。

 

本記事の話は以上になる。もし良かったら、当サイトの「オンラインゲームのおすすめランキング!」も見ていって欲しい。

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