「髪を染めるってどういうことなんだ?」という人向けに、ヘアカラーの仕組み、やり方、理屈を解説していく。
「ヘアカラーに興味があるが、ちゃんと理屈から知っておきたい」「髪を染めると痛むってどういうことか知りたい」という人にとっては、参考になる内容だと思う。
髪色は何で決まるの?
毛の色は、「メラニン」によって決まる。
「メラニン」とは、組織内にある色素のことで、髪の毛には「メラニン」が含まれている。
メラニンには黒褐色の「ユウメラニン(真メラニン)」と黄赤色の「フェオメラニン(亜メラニン)」がある。
生まれつき黒髪の人は「ユウメラニン」が多く、ブロンドや赤髪の人は「フェオメラニン」が多い。
髪色を変えるときには、「ブリーチ(脱色)」をしてメラニンを破壊するのだが、メラニンが抜けると「黒髪→褐色→黄色→白」と髪色が変化していく。
完全にメラニンがなくなると「白髪」になる。
髪を染めたい場合、まずはメラニン色素を取り除いてから、望みの色を入れていくことになるのだが、「どこまで脱色して、どういう色を入れるか」で、髪色の雰囲気は全然変わってくるので、髪染めは奥が深い。
染めると髪にダメージが入る理由
「髪の毛を染めると髪が痛む」と言われる。これは本当のこと。髪色を変えて持続させるためには、「ブリーチ」は必須の工程なので、カラーリングによる髪へのダメージは避けられない。
脱色のためには、ブリーチ剤を使ってメラニン色素を破壊する必要があるのだが、そのために髪の毛が傷んでしまう。
たくさんの色素を破壊(脱色)するほど、髪の痛みの程度は酷くなる。
黒髪の日本人は、明るい色に染めようとするほど、髪が痛みやすい。
もともとメラニンの薄い欧米人は、最初から薄いぶんだけ、ブロンドに染めたりするのにもたいした脱色はいらない。
しかし黒髪の人は、かなり脱色しないと金髪のような明るい髪にはならない。
日本人で、金髪なのにキューティクルを保ったサラサラな髪の人ってほとんどいないでしょ?
それは、黒髪を金髪にしようとすると、かなり脱色が必要なので、髪が痛みまくるからだ。
髪を染めようと思っている人は、「明るい色にするほど髪が痛む」ということは理解しておいたほうがいい。
ヘアカラーのやり方
オーソドックスなヘアカラーは、「1剤」と「2剤」というものを使って行う。
「なぜ「1剤」と「2剤」のふたつが必要なの?最初からひとつでいいじゃん」と思うかもしれないが、ふたつを混ぜて化学反応を起こしたもの(混合剤)を使って髪を染めるので、「1剤」と「2剤」は分けて保存される必要がある。
- 「1剤」には、アルカリ剤、酸化染料、界面活性剤
- 「2剤」には、酸化剤(過酸化水素水)
がそれぞれ入っている。
これらを混ぜて化学反応させたものを「混合剤」と呼ぶのだが、「混合剤」の中では、化学反応によって新しい色素が作られていく。
酸化剤の作用でメラニンを脱色し、アルカリ剤の作用で染料を浸透させていく。
何やら難しい話のように思える(実際にけっこう高度なことが行われている)が、別に髪を染めるときに理屈を知っていなければならないわけではない。
髪を染める手順自体は、かなり簡単。
例えば、以下の動画を見てみてほしい。
セルフヘアカラー!私のいつもの染め方見せます!
「1剤」と「2剤」ってやつを混ぜてクリーム状の「混合剤」にして、それを髪に塗って30分待つだけ。
基本的なカラーリングのやり方はこんな感じだ。
ただ、出したいカラーの感じなどによって、いろいろな配合や手順があるし、ヘアカラーはかなり奥が深い。
ヘアカラーの奥深さ
ヘアカラーは、奥が深くて面白い!
例えば、人気の髪色に「アッシュカラー」というのがある。
「Ash」というのは「灰」という意味だが、「青みがかった灰色」に髪を染めることをアッシュカラーと呼ぶ。
灰っぽい落ち着きと透明感のあるカラーで、最近の「ファイナルファンタジー」シリーズに出てくるような髪の色合い、と言えばわかりやすいかもしれない。

アッシュカラーにも色んなやり方があるのだが、日本人の黒髪は、赤やオレンジといった暖色系のメラニンが強く、それを打ち消すように「反対色」である青や緑といった色で染めると、赤みが消えて灰色っぽい感じになる。やり方によっては、かなりカッコいいアッシュカラーを作ることができる。
ちなみに、「寒色系」は日本人の髪にとって反対色に当たるので、青や緑に髪を染めたい場合は、かなり脱色してからじゃないと綺麗に染めることができない。
「暖色系」の場合は、青や緑よりはずっと簡単に染めることができる。
色によって、染めやすさが違ってくるのだ。
以上、ヘアカラーの理屈について、基本的なことを説明した。
初心者で、安全に髪を染めたいのであれば、美容院に行って「この色で染めてほしいんですけど」というのが、お金はかかるが手っ取り早いし安全。
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