木多康昭『喧嘩商売&喧嘩稼業』ギャグ漫画家が本気で描いた格闘漫画【最強の格闘技は何か?】

自分は「格闘マンガ」が好きなのだけど、中でも「木多康昭」先生の、『喧嘩商売』『喧嘩稼業』が大好きだ。

タイトルが変わっているけど、第1部が『喧嘩商売』で、第2部が『喧嘩稼業』になっていて、実質的にはひとつの作品だ。

木多先生は、少年ジャンプで、『幕張』という、野球をしない野球部の青春ギャグ漫画を連載していた。過激な下ネタやパロディなどを多様する、編集の頭を悩ませたであろう問題児的な漫画家だ。

『喧嘩商売』は、ジャンプよりはだいぶレギュレーションのゆるい「ヤングマガジン」で連載されたが、下ネタや時事ネタのパロディは健在。

ただ、『喧嘩商売&稼業』では、ギャグではなく、真剣に格闘マンガを描き始め、それがめちゃくちゃ面白い!

「木多康昭」という才能が開花した、抜群の面白さで、更新頻度は低いが、次の連載を待ち遠しにしているファンがたくさんいる超人気漫画だ。

卑怯すぎる主人公

喧嘩稼業の主人公は「佐藤十兵衛」という高校生なのだけど、コイツがめちゃくちゃ卑怯で、倫理観もモラルもなく、勝つためには何でもやる。

このようなアンチヒーローを主人公に、何でもアリの「喧嘩」が繰り広げられる。

スポーツのようにルールに守られた競技は、単なる「遊び」であり、『喧嘩稼業』における「喧嘩」とは、目突きや金的あり、ルール無しのものなのだ。

まあ、主人公「佐藤十兵衛」を好きになれなくても、この漫画には様々な魅力的なキャラクターが登場するので大丈夫。

序盤は主人公の「十兵衛」を中心に描かれるが、後半からはそうではなくなっていく。

 

激アツの陰陽トーナメント

『喧嘩商売』と『喧嘩稼業』に分かれているが、前半の『喧嘩商売』は、実質的に「キャラクター紹介」のようなものだ。

『商売』のほうでは、「陰陽トーナメント」という最強を決めるトーナメントに紹介するキャラクターを紹介して、『稼業』では、実際にそいつらがガチで戦う。

前置きが非常に長いのだけど、その前置きの時点でもめちゃくちゃ面白く、実際の「トーナメント」はさらに激アツだ。

「コイツらがマジで闘うのか!?」というワクワク感がスゴい!

これほど続きが気になってしまう強烈なワクワク感を演出する手腕は、数いる漫画家の中でも間違いなくトップだろう!

今から一気に読める人が羨ましい。

そして、まだ連載は続いている(そして休載が長い)ので、一緒に次の話が待ち遠しくなる感覚を味わってほしい。

 

かつての「k1」を彷彿とさせるような格闘技ファンタジー

『喧嘩商売&稼業』は、『バキ』とか『ケンガンアシュラ』ほどファンタジーではないけど、リアル風のファンタジーと言える。というか、「日本の格闘技というファンタジー」と言うべきだろうか。

「k1」と言えば、今は「abemaTV」で細々とやっているような企画だが、昔は重量級の最強のヤツらを日本に呼び寄せていたし、世界の格闘技の最先端は日本にあった。

大晦日とかによくやっていたが、試合の前に選手のパーソナリティとか関係性がわかる「煽りVTR」を見たことがある人は多いだろう。

『喧嘩商売&稼業』も、「k1」などのジャパニーズ格闘技の影響を大きく受けていると思われる。連載が始まった頃の日本は、格闘技ブームの真っ最中だった。

例えば、コミックスの冒頭では、以下の煽りから始まることが多い。

最強の格闘技は何か!?
多種ある格闘技が ルール無しで戦った時……
スポーツではなく… 目突き 金的ありの 『喧嘩』で戦った時
最強の格闘技は何か!?
今…現在 最強の格闘技は決まっていない

リアリティがあるかないかで言えば、あまりないのだけど、「競技に甘んじるやつではなく、ひとりで黙々と修行し続けたやつが強い」という、ジャパニーズ格闘技ファンタジーをベースに構成されている。

やっぱり日本人ってこういうのが好きなんだよな!

 

豊富なパロディ。今から読む若い子は元ネタがわからないのでは?

木多先生は、パロディや下ネタが好きで、特に芸能人の不祥事ネタが大好き。

性犯罪やスキャンダルを起こした芸能人を、自分の漫画に登場させたりする。

リアルタイムで見ていないとわからない際どいネタが多く、後世に残るかもしれないレベルの傑作を描いているのに、そういうネタを積極的に入れているのを見ると、「本当に好きなんだな」と感心してしまう。

今から『喧嘩商売』を読む若い子は、元ネタのほとんどがわからないかもしれない。

今はGoogleやYahoo!があるので、「森本ライアン 元ネタ」みたいに検索すれば何でも出てくるのだけど、基本的には知らなくていいことだ。

 

まあ、色々とスゴい漫画なので、興味があるなら読んでみてほしい。

講談社の公式サイトから、第1話を無料で読むことができる。

喧嘩商売 – ヤングマガジン

いきなり最低の下ネタから始まるのだが、だんだん面白くなるので、できれば続きを読んでみてほしい。

とっくにアニメ化されてもおかしくない人気だけど、アニメ化する際に問題になりそうなシーンが多すぎる!

 

 

以上、『喧嘩商売&喧嘩稼業』のレビューでした。

あらゆる種類の漫画を紹介した「おすすめ漫画ランキング」という記事も書いているので、よかったら見ていってくれ!

「おすすめの漫画ランキング」をすべて感想&レビューつきで紹介【2019年】

2019.10.24

 

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