体操競技の漫画『ムーンランド』は、漫画文化の良さを再確認させてくれた【山岸菜】

「山岸菜」先生の『ムーンランド』は、「ジャンプ+」に連載されている、高校の体操競技を扱った「体操漫画」だ。

コミックスのあとがきで知ったが、オリンピック金メダリストの「水鳥寿思」選手の監修も受けている。

自分は、この漫画を読むまで、「体操」にはほとんど興味がなかった。

オリンピック種目なのは知っていたし、メダルをとった選手の名前をなんとなくニュースで見て記憶しているくらいで、テレビでやっていても特に見たりするわけではなかった。

しかし、この『ムーンランド』という漫画によって、「体操競技」を見る視点を得ることができたと思う。「体操は魅力的なんだ!」という作者の熱に当て込まれたし、そういうのが伝わってくるとても良い漫画。

マイナー競技に焦点を当てるという仕事

「体操」は、オリンピック種目ではあるが、日本では競技人口が少ない。『ムーンランド』も、そこらへんはリアリティがあって、部位の数や大会の選手の数はちゃんと少ない。

日本では、「内村航平」選手や「白井健三」選手というスターがいるから、知名度は高い。ただ、競技としてやるには、ハードルが高いように思う。実際に、かなり危なそうだし、半端な気持ちではできない競技だ。

競技性のないスポーツでも、マラソンとかは、自分も走ったことはあるわけだから、なんとなく想像の延長上にあるけど、「体操」は、色んな種目があるし、何をやっているのか、何が難しいのか、どういう点が評価されるのかなど、なかなかわかりにくい。

そんな体操の、「競技性の面白さ」をしっかり伝えてくれる漫画が『ムーンランド』だ。

別に、「何らかの世界観を伝える」というのは、文章でも、動画でも、ゲームでもいいのだけど、『ムーンランド』には、「漫画」という媒体でしかできない熱量があるように思えた。

絵も非常に上手く、見やすく、競技ルールの説明などもすんなり入ってくる。

「やっぱりスポーツ漫画っていいな!」と思う。

『スラムダンク』は日本のバスケ界に多大な貢献をしたし、『アイシールド21』はアメフト界に与えた影響はとても大きかっただろう。

『ムーンランド』もそういう漫画になってほしい!

 

主人公の造形が良い

やっぱりジャンプ漫画と言えば、主人公が重要だが、「天原満月」という本作の主人公は、「体操競技を題材にしたジャンプ漫画」にすごくマッチしている気がする。

「天原満月」は、小学校からずっと体操を続けているのに、6年間試合に出ようとせず、「ただ自分の身体を正しく思い通りに動かしたい」というモチベーションで、ひたすらキツい練習を続ける。

人の感情の機微などがわからない子で、しかるべき病院にいけば発達障害(ASD)と診断されるかもしれないが、そんな主人公の成長物語でもある。

主人公の特別感に説得力のある内容で、惹き込まれるストーリーなのだけど違和感がない。

 

「体操競技」が魅力的に思えてくる

自分は、ジャンプ漫画やスポーツ漫画の、「ライバルを見つけてアツくなる」とか「ひたすら厳しい練習を続ける」みたいなシーンが大好きなのだけど、そういう文法をしっかり踏まえた漫画だ。

それに加えて、「体操競技」の面白さが、リアリティと説得力を持って伝わってくる。

読み終わったあとは、「体操ってめちゃくちゃアツいな!」となるはず。

自分はオッサンなので、今から実際に体操をする……というのはもちろん無理だが、テレビなどで体操競技を見る際には、今までとはまったく違った視点で見ることができるだろう。

ここまでの教養と視野、モチベーションが、漫画を数冊読むだけで得られるのだから、「やっぱり日本の漫画文化って素晴らしいね!」と再確認させてくれた作品だった。

 

第1話を、「ジャンプ+」の公式サイトで見れるので、気になった人はぜひ読んでみてほしい!

[1話]ムーンランド – 山岸菜 | 少年ジャンプ+

 

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2019.10.24

 

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1 個のコメント

  • はじめまして。
    コメント失礼します。
    ムーンランド大好きなので、好きな気持ちを共有したくてネットで探していたところこちらにたどりつきました!
    同意しかない素敵な紹介でした。

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