「RPG(ロールプレイングゲーム)」は、もはや、日本人の多くが遊んでいて、昔ならプロ野球とかプロレスのような「共通言語」になっている。
そんな「ジャパニーズ・RPG」の世界観を前提にした「グルメ漫画(?)」が、「九井諒子」先生の『ダンジョン飯』だ。
「KADOKAWA」の漫画雑誌「ハルタ」で連載されている漫画で、宝島社の「このマンガがすごい」などに取り上げられたのがキッカケで大ブレイクした。
アニメ化はまだだが、なんとアニメ会社「TRIGGER」の製作で、「アニメCM(漫画の宣伝用)」が作られている。
ワクワク感がスゴい!
『ダンジョン飯』は、いつアニメ化の企画が発表されてもおかしくない人気作品だ。
ダンジョン内で自給自足
冒険者の主人公「ライオス」たちは、レッドドラゴンに消化された味方を探して迷宮(ダンジョン)に潜るのだが、「食糧を買う金も時間もない」ので、迷宮で食糧を自給自足しながら冒険することにする。


「RPG的な世界観」を題材にした作品の中でも、かなりRPG(ゲーム風)寄り。
ダンジョン内で死んでも、蘇生することができる。
だから冒険者たちは、自分が死ぬ原因となったモンスターやトラップに、トラウマを抱えていたりする。
とは言え、ドラゴンに食べられて消化されきってしまったりなどすると、蘇生できるかわからないという設定。
ギャグとシリアスがほどほどにマッチしていて、読み心地が良い。
基本的に1話完結の読み切り型なのだが、コミックスの第4巻あたりからは、シリアスな場面や、冒険シーンの比重が高くなる。
ダンジョン漫画とグルメ漫画の融合
「RPG系の異世界モノ」は、「ラノベ」や「なろう」では非常に多い。オリジナルのファンタジーのように、ややこしい世界観を説明する手間が省けて、手軽にワクワクする冒険の舞台が整うのだから、「流行る」のも無理はない。
また、「グルメ漫画」というのも、王道中の王道。「食」は人間にとって最も身近かつ重要な快楽で、「グルメ漫画」や「料理漫画」は、実際に自分で食べれるわけではなくとも、見ているだけで面白いものだ。
「ダンジョン」と「グルメ」の両方を、上手にマッチングさせた手腕が見事。
「楽しい思い出のあるダンジョン」と「実際に食べられなくとも楽しめるグルメ」の両方が合わさって、「親しみやすさ、ワクワク感、癖になる面白さ」などが、絶妙に整った、とても素晴らしい漫画になっている。

スライムやゴブリンやドラゴンといったモンスターを調理して食べる。RPG好きなら「読んでみたい!」と思うだろう。
この『ダンジョン飯』という漫画自体が、よく考えられ、とても丁寧に調理された料理のような出来栄えだ。
世界観の作り込みがすごい
「どこかから借りてきたような世界観」「読む人のRPG体験を前提とした世界観」ではあるのだが、それでいて、作り込みが丁寧で魅力的。


短いページ数で、「ダンジョン感」をしっかりと感じさせてくれる。
「ダンジョン内の生態系」もよく考えられていて、ファンタジーなのだが、その生態系には、説得力とリアリティがある。
「なじみのある素材を、とても丁寧に考察して調理している」という漫画で、ゲームとかが好きな人なら絶対にハマると思う。
良い意味で肩の力を抜いて読める。面白い漫画を探している人は、ぜひとも手にとってみてほしい。
レビューは以上。当ブログでは、「おすすめの漫画ランキング」も書いているので、よかったら以下の記事も見ていってくれ!
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