どうも、音楽大好きドラゴン忍者です。今回は「ヘッドホン」を紹介していきたいと思う。
以前に「平成生まれのアーティスト人気おすすめランキング」や「最近のボカロ曲のおすすめを紹介」などの記事を書いたが、せっかく好きなミュージシャンやお気に入りの曲を見つけたのなら、音質の悪いスマホ再生やイヤホンではなく、曲のポテンシャルを十分に発揮できるちゃんとしたヘッドホンで聴きたいと感じるのは当然のことだと思う。
この記事では、「良い曲を良い音で聴きたい」人のために、間違いのないヘッドホンを紹介していく。
ここで紹介している製品の価格帯は、5,000円〜40,000円までだ。ヘッドホンの価格は天井知らずなので、これ以上の価格のものはたくさんあるが、不毛なオーディオマニアの領域に入るので、無駄に高いものは紹介していない。一般人が普通に使って普通に満足できる水準を意識している。
ちゃんと自分で使ったことのあるもののみ、「ヘッドホンならこれで間違いない!」という人気で定番の製品のみを厳選して「紹介&解説」している。
クソみたいな製品をテキトーに紹介するみたいなことはしていないので安心して欲しい!
自分に向いたヘッドホンを探している人にとっては、絶対に参考になる内容だと思うので、ぜひ読んでいってほしい。
目次
おすすめヘッドホンガイド!(読むのが面倒な人向け)

格安で感動するレベルの音質を体験したいなら、「Creative Aurvana Live!(約5,000円)」。
低音がドシドシ響く迫力のある音楽が好きなら、「audio-technica ATH-M40x(約12,000円)」または、「audio-technica ATH-M50x(約20,000円)」。
軽やかで美しい音を楽しみたいのなら、「SENNHEISER HD598 SR(約18,000円)」または、「SENNHEISER HD599(約24,000円)」。
ドンシャリ感の強い、癖になるような気持ちいい音を体感したいなら、「beyerdynamic DT 990 PRO(約22,000円)」。
格安の無線ヘッドホン(Bluetooth通信)で最低限の音質を求めるなら、「JBL T450BT(約5,000円)。
ワイヤレスの高音質ヘッドホンで、iPhoneなどApple製品のユーザーなら、「Beats Solo3 Wireless(約29,000円)」。これに加えて「ノイズキャンセリング機能」を重視するなら、「Beats Studio3 Wireless(約34,000円)」。
ワイヤレス高音質ヘッドホンで、仕事用や有線でも使いやすい装着感の良い高音質ヘッドホンが欲しいなら、「Bose QuietComfort 35 wireless headphones II(約35,000円)」。
ワイヤレス高音質ヘッドホンで、ソニーを信じるなら、「SONY WH-1000XM3(約35,000円)」。
音楽制作や音楽系の仕事を志していて、勉強用のヘッドホンが欲しいなら、「SONY MDR-CD900ST(約17,000円)」。
……ざっとこんな感じだ。
おすすめヘッドホンざっくりランキング!

第1位は、「SENNHEISER HD599(約24,000円)」。とにかく高品質かつ使い心地の良いヘッドホンで、汎用性がめっちゃ高い。長時間の使用にも耐えられるので、音楽のみならず、映画、アニメ、ゲームなど、室内におけるあらゆるコンテンツの視聴環境が向上する!
第2位は、「BOSE QuietComfort 35 wireless headphones II(約35,000円)」。ワイヤレスヘッドホンだが、有線ヘッドホンとしても使える。ノイズキャンセリング機能が高性能で、なおかつ装着感が良く長時間の使用でも疲れにくいので、「仕事に集中したい用」のヘッドホンとして使いやすい。もちろん音質に関しても最高品質。「外出用」も含めたあらゆる用途で使える、これ一つあれば大丈夫なヘッドホン。
第3位は、「audio-technica ATH-M40x(約12,000円)」。コスパがめっちゃ良い。1万円とちょっとでこのレベルが買えるのはかなりお得。楽曲の迫力がしっかり伝わり、廉価版であるだけにクセも少ないので使いやすい。
第4位は、「Creative Aurvana Live!(約5,000円)」。スペックのわりにとにかく安く、現時点でコスパ最強。昔は1万円以上した機種だが、今はその半分の価格で手に入るようになった。漠然と良いヘッドホンが欲しいと考えている初心者にも自信を持っておすすめできる。エントリー用のモデルとして間違いなく最高。
第5位は、「Beats Solo3 Wireless(26,000円)」。iPhoneを持っている人におすすめで、世界的に人気のオシャレヘッドホン。個人的には流行りの「AirPods」より丈夫で使いやすいと思う。毎日着用することが前提のつけ心地の良さ。
第6位は、「beyerdynamic DT 990 PRO(約22,000円)」。使用にはヘッドホンアンプが必要だが、音楽にあまり詳しくない人でも「すげえいい音!」と素直に感心するほど、力強く気持ちいい音が出力される。好きなアーティストの曲を聴くのがますます楽しくなるだろう。
ヘッドホンを選ぶときにちゃんと知っておきたいこと

そもそも「音の良さ」って何?「ハイレゾ」って意味があるの?
基本的には「デジタル音源」をヘッドホンで試聴することになると思う。
だから、ヘッドホンの性能以前に、聴く曲の「音源の音質」に左右される。
デジタル音源の質(情報量)は、「bps(bit per second)」という、1秒あたりのデータ転送量を表す単位で示される。「ビットレート」などとも言われる。
音源の情報量についてだが、有名なサービスの形式は以下のようなものだ
mp3 | 64kbs〜320kbps |
YouTube | 192kbps |
Apple Music | 256kbps |
Spotify | 96〜320kbps |
CD | 16bit/44.1kHz(1,411kbps) |
ハイレゾ | 24bit/96kHz(4,608kbps) |
一般的に、「128kbs」あれば人は高音質と感じると言われている。
同じ曲で「128kbps」と「320kbps」を流して聴き比べしてみる「mp3ornot.com」などのサイトもあるが、耳が良い人でないと違いがわからないと思う。kbps(ビットレート)が大きくなればなるほど違いが大きくなるわけではなく、人間の耳が認識しやすいのはせいぜい320kbpsまでの違いくらいで、これ以上情報量が多くなっても差がわかる人はほとんどいない。
表を見てみると、オンラインにアップロードするサービスと、「CD」や「ハイレゾ」とで、大きな情報量の差があることがわかるだろう。ネットからストリーミングするなら、やたら情報量が多いと時間がかかってしまう。YouTubeなどのオンラインサービスは、アップロードする過程でYouTubeの形式に変換されてしまうので、元の音源の情報量がどれだけ多くても、最大で192kbpsだ。(だからYouTubeでハイレゾ音源というのは原理的にありえない。)
「YouTube」や「Spotify」は世界中のアーティストが投稿するプラットフォームだが、192kbsから320kbsあれば十分だろ、というのが世界的な合意。
つまり、「音源の情報量が多ければ多いほど良い音に感じるわけではない」ということ。これはヘッドホンを選ぶ上で、騙されないために意識しておきたい。
実は、「CD」というのはものすごく情報量が多く、「ハイレゾ」はさらに膨大。ちなみに「ハイレゾ」は「ハイレゾリューション:解像度(情報量)が多いという意味」の略。
ハイレゾはソニーなどが推していて、「とにかくスゴい!」みたいな感じで流行らせようとしているが、正直言ってバカげてると思う。
「CD」と「ハイレゾ」の音の違いなんて、かなり訓練した人じゃないと聞き分けられないし、そこまで行くと「音楽を楽しむ」みたいな主旨からはハズレてしまう。典型的なスペックバカみたいなことをやってる。
そもそも曲を作ってるミュージシャンや、ミックスやマスタリングしているエンジニアも、「ハイレゾ」なんて意識して作ってない。だから、「ハイレゾならミュージシャンの意図をより正確に」というのも嘘。
録音した音源など「ハイレゾ」で聴く意味のある音もないわけではないし、技術的には間違いなくスゴいから、一概には否定できない。ただ、今のオーディオ環境で、「ハイレゾ」という宣伝文句を信用してはいけない。
どういうわけか、日本のオーディオ業界では、どんな製品にも適当に「ハイレゾ対応」とつけていいことになっているらしい。とにかく売れやすいからということで、スペックの説明に「ハイレゾ対応」と書かれる製品がたくさんある。つまり、「ハイレゾ対応」が「よくわからないけど何かスゴい!」みたいな意味合いで使われている。

音が良いヘッドホンってどういうこと?
上で述べたように、音源の情報量が多ければ、必ずしも良い音になるというわけではない。
1万円以下のヘッドホンの場合、「ちゃんと音が再現されるか?」が重要になるが、一定以上の高音質ヘッドホンとなると、むしろどういうふうに「聴こえ方」がデザインされているかが重要になる。
音には「帯域」があり、「1秒間で何回振動するか?」を表す「Hz(ヘルツ)」という単位で表される。
区切り方に明確な基準はないが、1秒に120回振動する「120Hz」以下は「低音域」、1秒に2,000回振動する「2kHz」以上は「高音域」、その間は「中音域」と呼ばれたりする。この、音域のバランスをどう設定するかに、各オーディオメーカーの特徴が出やすい。それだけではないのだが、「どの帯域を強調しがちか?」というのは、わかりやすい特徴として語られやすい。
とは言え、基本的にほとんどの高音質ヘッドホンは、どういうタイプの音楽でも聴けるように、バランス良く帯域を設定している。(極端すぎるものはこの記事では紹介していない。)ただ、微妙なところで差は出る。
個人的な印象では、2万円以上のヘッドホンになると、わかりやすいグレードの違いはなくなって、好みに左右される部分が多くなる。
この記事では、2万超えの有線ヘッドホンとして、「Audio-technica(オーディオテクニカ)」「Sennheiser(ゼンハイザー)」「Beyerdynamic(ベイヤーナダイナミック)」の3種を紹介していくのだが、
オーディオテクニカ | 低音、迫力重視 |
ゼンハイザー | 中高音、清涼感重視 |
ベイヤーダイナミック | 低音と高音、ドンシャリ感重視 |
という違いがざっくりとある。(人によっては違ったふうに感じる場合もあるので、雑に区分けすると異論が出るだろうが。)
「聴覚」は個人差がわりと大きく、加齢によっても可聴域は変化していくので、「万人が感じる良い音」というのを数値などによって定義するのは難しい。(だから高額なオーディオ機器はぼったくられるリスクも高い。)
一応この記事では、金を無駄にすることのない鉄板の製品のみを紹介している。ただ、好みや相性のファクターもそれなりに大きいことは留意して欲しい。

「密閉型」か「開放型」か?
ヘッドホンには、「密閉型(クローズ型)」と「開放型(オープン型)」の違いがあって、これはけっこう大きな違い。
「密閉型」は、音がこもりやすく、装着感が強いので長時間使うと疲れることがあるが、迫力や振動を感じやすい。また、音漏れしにくいので、外でも使いやすい。
「開放型」は、軽やかな装着感で、音が抜けていくので疲れにくい。ただ、音漏れはめっちゃするので、基本的には室内で使う用だ。
密閉型 | 音がこもる | 音漏れしにくい |
開放型 | 音がぬける | 音漏れしやすい |
どちらが良いかは、どういう意図でヘッドホンを使うのかによるだろう。
この記事で紹介しているヘッドホンで言えば、無線で使えるBluetoothヘッドホンはすべて「密閉型」だ。
有線ヘッドホンは、「Sennheiser(ゼンハイザー)」と「Beyerdynamic(ベイヤーナダイナミック)」が「開放型」で、それ以外はすべて「密閉型」。

「有線」か「無線」か?
ヘッドホンジャックに繋いで使う「有線」か、Bluetoothなどで接続する「無線」も、ヘッドホンを選ぶ上では重要な違いだ。
基本的に「有線」のほうが、同じ価格の「無線」と比べて音質は格段に良い。有線のほうが比較的安い値段で高音質が楽しめる。
ただ、近年の無線ヘッドホンの性能は凄まじく、3万円台ほどの製品は文句のない音質を誇る。特に「Beats(ビーツ)」と「Bose(ボーズ)」という双璧をなすメーカーがあり、そこのBluetoothヘッドホンはかなりイカしてると思う。(ソニーもいいけど。)
接続方法 | 音質(同価格) | 価格(同音質) |
有線 | 良い(比較的) | 安い(比較的) |
無線 | 悪い(比較的) | 高い(比較的) |
無線のほうが快適に使いやすいが、良い音を安価に楽しみたいなら有線のほうがいい。どちらも一長一短だ。
前置きが長くなってしまったが、これからこの記事では、前半に「おすすめの有線ヘッドホン」、後半に「おすすめの無線ヘッドホン」を紹介していく。
おすすめの「有線ヘッドホン」を価格順に紹介
おすすめの「有線ヘッドホン」を、価格の安い製品から順に紹介していく。
タイプ、音域、接続の方法などのスペックもまとめている。スマホやPCについている一般的なイヤホンジャックは「3.5mmステレオミニプラグ(ステレオミニ音声入力端子)」のことで、これに対応しているならたいていの機材で使える。
SONY MDR-ZX110(ソニー MDR-ZX110)

価格帯:約2000円
コスパ:★★★★
音質 :★
機体 :軽い
音域 :やや低音薄め
接続プラグ:3.5mmステレオミニプラグ
2,000円以下の格安ヘッドホン。
「安物買いの銭失い」にならない最低限のスペックがあるし、機体がとても軽いので使いやすい。
一応、1,000円程度のイヤホンよりは全然良い音だが、安いヘッドホンらしく音が籠りがち。軽いのでつけ心地はそれなりに良いが、耐久性には不安がある。
安かろう悪かろうではあるけど、それなりでいいから安いヘッドホンを欲しいという人には選択肢。

Creative Aurvana Live!(クリエイティブ アルバナ ライヴ)

価格帯:約5000円
コスパ:★★★★★
音質 :★★
機体 :軽め
音域 :オーソドックス(やや低音軽め)
インピーダンス:32Ω
接続プラグ:3.5mmステレオミニプラグ(6.3mm標準プラグ対応の変換プラグ付属)
「アルバナ」と呼ばれる「クリエイティブ・メディア社」のヘッドホンで、「入門用高音質ヘッドホンの定番中の定番」と評価が高い。
他のヘッドホンに詳しい人に聞いても、安い製品ならとりあえずこれを薦められると思う。
5,000円という価格だが、性能は非常に良く、コストパフォーマンスは間違いなく最強だ。
普段からイヤホンを使っている人からすると、「世界が変わる」レベルの音質を感じられるだろう。ちゃんとしたヘッドホンを持っていない人にとって、価格ぶんの価値は絶対にある! これ一つ買うだけでヘッドホンのスゴさを体感できるぞ!
原音に忠実な聴き心地が意図されていて、アーティストが作った音をちゃんと再現してくれる。ややアッサリめな感じで、低音はちゃんと聴こえるもののクリアに処理されている。つけ心地の軽いヘッドホンで、音域の処理も長く聴いていても疲れにくい仕上がりなので、アニメや映画の視聴など、長時間の使用にも向いている。まさしく万人向けと言える性能だ。
「安物買いの銭失い」には決してならない、自信を持って薦められる定番の製品。
「ちゃんとしたヘッドホンで音楽を聴いてみたい」と思った初心者や、高音質で音楽を聴きたいけどあまり予算がない、という人におすすめだ。

audio-technica ATH-M40x(オーディオテクニカ ATH-M40x)

価格帯:約12,000円
コスパ:★★★★
音質 :★★★
機体 :標準からやや重め
音域 :オーソドックス
インピーダンス:35Ω
接続プラグ:6.3mm標準、3.5mmステレオミニプラグ、金メッキステレオ2ウェイ
「オーディオテクニカ」の「ATH」シリーズは、世界中で評価の高いプロ仕様のヘッドホンだ。高音質ヘッドホンの中でも、間違いなく最も有名なシリーズの一つと言える。音楽制作用のみならず、音楽鑑賞用として申し分のない性能を誇る。
「ATH-M20x」「ATH-M30x」「ATH-M40x」「ATH-M50x」「ATH-M70x」といったグレードがあるのだが、値段の目安としては、
ATH-M20x | 約6,000円 |
ATH-M30x | 約8,000円 |
ATH-M40x | 約12,000円 |
ATH-M50x | 約20,000円 |
ATH-M70x | 約30,000円 |
といった感じだ。
個人的なおすすめは「ATH-M40x」か「ATH-M50x」のどちらかで、特にこの「ATH-M40x」は最強のコストパフォーマンスを誇る。米Amazonで最も人気のある高級ヘッドホンが「ATH-M50x」で、「ATH-M40x」はその廉価版という位置づけではあるが、1万円とちょっとくらいの予算で、最高峰の音質を味わうことができる。
音楽制作用・スタジオレコーディング用ではなく、純粋な音楽鑑賞用として使う用としても、「ATH-M40x」はコスパ的に最強なのでマジでおすすめだ。(一応プロ仕様のモニターヘッドホンでもあるが。)
機体がそれほど重くないので、長時間の使用にも向いている。迫力面では「ATH-M50x」にやや劣るが、音のクオリティは非常に高く、快適な使い心地が魅力。

SONY MDR-CD900ST(ソニー MDR-CD900ST)

価格帯:約17,000円
コスパ:★★★★
音質 :★★★★
機体 :やや重い
音域 :フラット(モニター用)
インピーダンス:63Ω
接続プラグ:ステレオ標準プラグ
日本で音楽系の仕事に携わったことのある人なら、誰もが付けたことのあるヘッドホンだと思う。
ヘッドホンには、「モニター用(音を分析する)」と「リスニング用(音を楽しむ)」に分けられることがあって、たいていのヘッドホンはどちらの用途にも使えるが、この「ソニー MDR-CD900ST」は、「モニター用ヘッドホンの定番」という位置づけで、音楽業界の人はみんな使っている。完全に業務での用途を目的とした、音楽を仕事にしているプロフェッショナル用の製品。
ミュージシャンのMVなどを見てみると、多くの人がこれと同じヘッドホンをつけていることに気づくはずだ。
ざっくり説明するなら、音を楽しむ目的のリスニング用のヘッドホンは「全体としていい感じ」になるように作られているのに対して、分析するのが目的のモニター用ヘッドホンは「細部がよくわかる」ように作られている。
「作曲家を目指している人」「DTMer」「楽器を練習していて曲を分析したい人」は、このヘッドホンを持っておくといい。
日本のみならず、世界中のアーティストに使われているので、ソニーはスゴい。
注意点として、3.5mmのステレオミニプラグに対応していないので、もし一般的なヘッドホンジャック(イヤホンジャック)で使うなら、「ステレオ標準プラグ」から「ステレオミニプラグ」に変換するアダプターが必要だ。
というか、インピーダンスが高いこともあり、基本的に「オーディオインターフェイス」と言われる音楽制作用の機材と一緒に使う。

SENNHEISER HD598 SR(ゼンハイザー HD598 SR)

価格帯:約18,000円
コスパ:★★★★★
音質 :★★★
機体 :軽め
音域 :マイルド(低音軽め)
インピーダンス:50Ω
接続プラグ:6.3mm標準、3.5mmステレオミニプラグ
世界的なシェアのあるドイツ製ヘッドホンで、「開放型」ヘッドホンなので、つけ心地が良く、開放感のある音を味わえる。
「ゼンハイザー」のメーカーも、それぞれグレードがあり、
HD559 | 約12,000円 |
HD598 | 約23,000円 |
HD599 | 約26,000円 |
HD650 | 約46,000円 |
だいたいこんな感じ。
ゼンハイザー「のHD598」は、「プリン」という相性で親しまれた伝説の機体だが、今は生産が終了している。だが、性能を引き継ぎながらも安価になり、デザインも黒く無難になっているこの「HD598 SR」が今は安く売られていて、非常におすすめ。
普通に考えたら2万円以上は確実にする機体だが、日本のAmazonでは(記事執筆時点では)18,000円以下で売られているので、コストパフォーマンスはめちゃくちゃ高い。
2万円以下のヘッドホンの中では、間違いなく最もハイクオリティな製品の一つに入る。
先ほど紹介した「オーディオテクニカ」のシリーズとは、ある意味で対比的で、密閉型で重低音の迫力がある「オーディオテクニカ」と比べ、この「ゼンハイザー」は、抜け感のある、とても軽々とした聴き心地だ。
低音がドシャドシャ響くようなポップス、ロック、テクノ系よりも、クラシック系の壮麗な音楽に似合うという印象が強いが、一応どのような音源にも対応している。それぞれの音がクリアでバランスがとれているのはもちろん、迫力が失われるようなことがなく、心地よく高音質の音楽を聴き続けられるはずだ。

audio-technica ATH-M50x(オーディオテクニカ ATH-M50x)

価格帯:約20,000円
コスパ:★★★
音質 :★★★★
機体 :重め
音域 :フラット(迫力多め)
インピーダンス:38Ω
接続プラグ:6.3mm標準、3.5mmステレオミニプラグ、金メッキステレオ2ウェイ
先ほど、オーディオテクニカの「ATH-M40x」を紹介したが、その一つ上のバージョンがこの「ATH-M50x」で、世界的に人気の傑作ヘッドホン。音の迫力、豪華さ、繊細さにマジで感動するレベル。
スタジオレコーディング・モニタリング用のヘッドホンとしても、多くのプロに使われている機種。アメリカのDJ、EDMer、マスタリングエンジニアなんかがよく使っているイメージだ。
重さが285gあり、けっこうガッツリした装着感。女性からすると重くて嫌だと思う人がいるかもしれないが、丈夫でホールド感が強く、遮音性がしっかりしているというメリットも大きい。
肝心の聴き心地は「文句なしに完璧」。重々しい見た目だが繊細さも併せ持つ。特に低音の表現力が素晴らしく、バスドラム、ベース、コントラバスなど、低音楽器のニュアンスがとてもわかりやすい。
中帯域の楽器の重なりもしっかりわかり、リズム楽器の輪郭もしっかりしている。
これだけ音がクッキリしているのに、迫力がめっちゃあるという、奇跡のような傑作。人気になるだけの理由はちゃんとある。
アメリカなどの国ではトップティアだが、日本ではそれほどの知名度はないかも。もちろん素晴らしいヘッドホンであることは間違いない。

beyerdynamic DT 990 PRO(ベイヤーダイナミック DT 990 PRO)

価格帯:約22,000円
コスパ:★★★
音質 :★★★★
機体 :軽め
音域 :オーソドックス(ドンシャリ感)
インピーダンス:250Ω
接続プラグ:3.5mmステレオミニプラグ、6.5mm標準アダプター(付属)
ドイツの老舗ヘッドホンブランド「ベイヤーダイナミック」のシリーズで、世界的に評価の高い製品の一つ。
高級ヘッドホンの中でも、音がクッキリ聴こえる系で、いわゆる「ドンシャリ」と言われるような、低音と高音の差が強調された味付けだ。耳があまり肥えていない人でも、「めっちゃ気持ちいい音!」とすぐに感じるくらい、わかりやすく切れ味の良いサウンド。ただ、格安のイヤホンやヘッドホンのような「安っぽいドンシャリ」ではなく、爽快感と美しさが両立された音で、使ってみれば高級ヘッドホンのスゴさを実感できるだろう。
モニタリング用のヘッドホンとして使用されることもあり、細かい音までクリアに聴こえる精密さも合わせもっている。値段ぶんのクオリティは間違いなくある。
わりと極端なくらい低音と高音がシャープに強調されていて、高級ヘッドホンの中ではけっこうクセのあるタイプだと思う。ただ、「すごく良い音に聴こえる」というのは間違いない。特にポップス系の曲を聴く上では、癖になるようなワンランク上の音質に感じるだろう。
ドンシャリ感が強いが、どこか暖かみを感じるような優しい感じもあって、この機種が長く愛されている理由がわかる。映画やアニメなどを見るときに使っても不思議と違和感を感じることは少ないので、かなり綿密にバランス調整がされていると思う。
注意点として、インピーダンスが高いので、基本的に「ヘッドホンアンプ」か「オーディオインターフェイス」を使うことになる。
普通のヘッドホンジャックに挿してもポテンシャルを発揮できない。ここらへんの詳しい説明は省くが、必要な機材を持っていない人にとっては、ややハードルが高いと思う。音の傾向としては「初心者にもわかりやすく良い音」なのだけどね。

SENNHEISER HD599(ゼンハイザー HD599)

価格帯:約24,000円
コスパ:★★★
音質 :★★★★
機体 :軽め
音域 :マイルド(低音軽め)
インピーダンス:50Ω
接続プラグ:6.3mm標準、3.5mmステレオミニプラグ
「ゼンハイザー」製の中でも特におすすめできるモデルで、「オープン型高音質ヘッドホン」として間違いのないクオリティ。
伝説の機体「ゼンハイザー 598」がアップグレードされ、デザインや装着感はよりシンプルに、
高音域、中音域、低音域の、どの帯域も音の機微がクリアに聞き取れながらも、煩わしさの一切ないとてもクリアな聴き心地。
オープン型のヘッドホンなので、遮音性は考えられておらず、音漏れはするので、外での使用はあまり考慮されていない。家の中でじっくり音楽を楽しみたい人に最もおすすめのヘッドホン。
部屋で一人でじっくり音楽を聴く目的なら、下手にオーディオ設備を整えようとするより、このヘッドホンを一つ持っておけばそれだけで良質な音楽環境を構築できる。
「ゼンハイザー」系の特徴として、低音がドシドシ響く系の音楽よりも、クラシックや映画鑑賞などに向いている。しかし、音域自体はバランス良く整えられているので、どんなタイプの音でもしっかり聞くことができるだろう。
一流の評判に恥じない名機なので、安くはないがお金を無駄にすることには絶対にならない。

SONY MDR-1AM2(ソニー MDR-1AM2)

価格帯:約30,000円
コスパ:★
音質 :★★★★
機体 :軽い
音域 :オーソドックス
インピーダンス:16Ω
接続プラグ:φ4.4mmのバランス標準プラグ
通常の試聴では不可能なハイレゾ音源を追求していて、つけ心地はとても良い。ソニーの技術の粋を集めた最新のヘッドホン。スペックはかなりスゴい。
ハイレゾ音源を推しているソニーの最新機種で、ハイレゾについては上で批判したが、詳しくはソニー公式サイトの「ハイレゾとは?」などを読んでほしい。
最大の技術力をつぎ込んで「高音質」を追求しているという感じだが、音の情報量が多くなればなるほど良い音に聴こえるとは限らない。スペックを追求するのと良い音楽体験を追求するのとは、必ずしも一致しない。
「バランス接続」にも対応しているのだが、これを使うためにはヘッドホンのみならず、バランス接続対応のヘッドホンアンプなどの機材が必要で、そこまでやるメリットがあるのかは疑問。先ほど紹介してきた他の2万円台の低いヘッドホンのほうが、スマホやPCに挿してすぐに使えるし、音質も心地よく感じることが多いかもしれない。
3.5mmのミニステレオプラグや6.3mmの標準ステレオプラグに対応しておらず、「4.4mmのバランス標準プラグ」での接続になっている。ちなみに「ウォークマン」の「NW-ZX300シリーズ」などがこのプラグに対応している。
「Spotify」「iTunes」「YouTube」などの音源を普通に聴くぶんにはハイレゾの恩恵は受けられない。マニアックな手間を音楽にかけられる人向け。
熱心なソニーユーザー以外にとっては不便であることは否めない。素晴らしい製品ではあるが、万人には使えないだろう。ただ、ソニーの独自性のある試みは応援したいし、気になった人はより詳しくチェックしてほしい。

SENNHEISER HD660 S(ゼンハイザー HD660 S)

価格帯:約54,000円
コスパ:★★★
音質 :★★★★★
機体 :普通
音域 :ナチュラル
インピーダンス:150Ω
接続プラグ:6.3mmステレオプラグ、4.4mm Pentaconn(バランス)、3.5mm変換アダプター(付属品)
4,5万円台を超えるようなヘッドホンは、常識的な枠を超えているし、自分も確信を持って聴き比べられるわけではないので、基本的に紹介するつもりはない。
ただ、超高級レベルのヘッドホンで個人的なおすすめを一つだけ挙げるなら、この「ゼンハイザー HD660 S」を選ぶ。
HD650の後継モデルだが、(執筆時点では)Amazonの価格で54,000円と、このスペックにしては驚くほど安い。今後値上げされる可能性も十分にあると思う。
プラグはハイレゾ用の4.4mmプラグと、6.3mmのステレオ標準プラグだが、普通のヘッドホンジャックに挿せるように3.5mmの変換アダプターもついてきて、親切心を感じさせる。(インピーダンスは高いので、基本的に「ヘッドホンアンプ」を使うことを推奨。)
音楽のみならず、映画やアニメやゲームなど、室内リスニングで使うぶんには、汎用性がかなり高い。Amazonでの購入でも2年間の保証があり、当然ながらそう簡単には壊れないほど耐久性があるので、この製品のレベルならオーディオに詳しくない人でも値段ぶんの価値は回収しやすいと思う。
これ以上のレベルになると、耳を鍛えている人でないと良さの違いがわからないと思うし、音源の形式や、デジタル音源であることの限界に突き当たっているような状況だと思う。オーディオ沼にハマるつもりはなく、マニアックな感情を抜きにして、純粋に感動するくらい良い音質で音楽を聴きたい初心者であれば、上で紹介した2、3万円台のヘッドホンがちょうど良い価格かもしれない。

おすすめの「無線ヘッドホン」を価格順に紹介
おすすめの「無線ヘッドホン」を、価格の安い製品から順番に紹介している。
紹介しているヘッドホンは、すべてBluetoothに対応している。
JBL T450BT Bluetoothヘッドホン

価格帯:約5000円
コスパ:★★★★
音質 :★
機体 :軽い
音域 :やや低音重視
バッテリー:最大11時間
接続プラグ:Bluetooth
Bluetoothで通信できるワイヤレスタイプで、値段が安く、「高音質ヘッドホン」と言える最低限の水準に達しているのがこの製品。
高給ヘッドホンのエントリーモデルという位置づけで、無線なのに本格派な仕上がり。
コンパクトなので持ち運びがしやすく、密閉型で音漏れも(無いわけではないが)比較的少ないので、通学、通勤用のヘッドホンとして使えなくもない。
かなり工夫された作りで、格安の無線ヘッドホンながらも、ちゃんと低音のアタック感がしっかり強調された迫力のある音を聴けるようになっている。ただ、音のクリアさには欠けるし、高音はやや耳障りな感じがするかもしれない。
コストパフォーマンスは非常に高く、安い値段のBluetooth対応ヘッドホンを探している人は検討してみる価値があるだろう。

COWIN E7 PRO

価格帯:約9,000円
コスパ:★★★★
音質 :★
機体 :普通
音域 :オーソドックス
バッテリー:最大30時間
接続プラグ:Bluetooth
「COWIN Electronics」は、スマートスピーカーなどが有名な中国の会社。「中華ヘッドホン」もそれなりの性能になってきていて、Amazonの返品・修理対応などが素晴らしいと話題になった。(壊れたと連絡すると新品がすぐに送られてくるらしい。)
スペックだけで見るなら最強クラス。「ノイズキャンセリング機能」という、外部ノイズを逆位相の信号で打ち消して、不快な音をシャットアウトする機能を持つ。イヤーカップの内側にマイクがついていて、オンライン通話用のヘッドホンとしても使える。
無線接続で、電池が長持ちし、通話機能があり、ノイズキャンセリングもついてこの値段は驚異的。最新技術が詰まったコスパ抜群の高機能ヘッドホンと言えるだろう。
ただ、音質に関して言えば、有線で5,000円程度のヘッドホンのほうがずっと良いので、何を求めるかによって評価は変わってくる。

Beats by Dr.Dre Beats Solo3 Wireless

価格帯:約29,000円
コスパ:★★★★
音質 :★★★★
機体 :普通
音域 :オーソドックス(クリア)
バッテリー:最大40時間
接続プラグ:Bluetooth
「ビーツ・デレクトロニクス」、通称「Beats(ビーツ)」は、2008年に設立された、比較的新しいアメリカのオーディオ機器ブランドだが、ヘッドホンやスピーカーで爆発的な評価を得ている。
2014年にアップル社に買収されたので、アップル製品と相性が良い。iPhoneやMacBookなどを使っている人にはおすすめ。
特にこの「Beats Solo3」は、ワイヤレスヘッドホンとしては世界一人気と言っても過言ではないくらいの名機。
音質が良く、バッテリーが長持ちし、iPhoneと連動しての通話や音楽再生のコントロールがとてもやりやすい。
デザイン性がものすごく高く評価されていて、高級ヘッドホンにしては異常なくらいカラーバリエーションが豊富。
意外と日本では使っている人が少ないが、世界中のイカしたやつら使いたがるオシャレヘッドホンだ。
光沢感のあるポップさと、厚みのある生地の高級感が絶妙に組み合わさって、他のメーカーでは実現できないカッコよさがある。(Appleが買収したのも納得だ。)
デザインの種類によって価格がけっこう変わるので注意。

Beats by Dr.Dre Beats Studio3 Wireless

価格帯:約34,000円
コスパ:★★★
音質 :★★★★
機体 :普通
音域 :オーソドックス(クリア)
バッテリー:最大22時間
接続プラグ:Bluetooth
先ほど紹介した「Beats Solo3 Wireless」の次のモデルにあたる。
前作のほうが相対的に価格が安くなっているのでお買い得なのだが、最新版はこちらで、ノイズキャンセリング機能が必要ならこの「Beats Stuido3 Wireless」を選ぼう。
周囲のノイズを正確に感知して適切に遮断し最適な音質を維持し続けるので、外出時に使う上では最強の性能。
クッション性のある素材で装着感はとても快適。音質はワイヤレスの中では最高クラスで、クセのないクリアめな音質。ヘッドホンのつけ心地とも相まって、最先端の音楽体験が可能になる。
世界中に熱狂的なファンを持つオサレヘッドホンの最高峰。

SONY WH-1000XM3

価格帯:約35,000円
コスパ:★★
音質 :★★★★
機体 :普通
音域 :オーソドックス
バッテリー:最大30時間
接続プラグ:Bluetooth
ソニーが誇る、最高級のBluetoothヘッドホン。
- 周囲の不快な音を遮断する「ノイズキャンセリング機能」
- 音楽を聴きながら周囲の音がちゃんと聴こえるようになる「外音取り込み機能」
- ヘッドホンを外さず周囲の音を聴ける「クイックアテンションモード」
- 装着性と気密性が抜群ながらも、長時間付けても不快にならないイヤーパッド
- 重くない機体にも関わらず、最大30時間連続再生が可能なバッテリー
などなど、決して安くはないが、外出用のヘッドホンとしてこれ以上のものが見つからないくらいのスペックだ。
高性能ヘッドホンマニアも納得の一品。
十分に音質が良いので、外で使うのみならず、室内で使っても満足できる。有線ではなく無線で接続できるので、便利さで言えば他の高級ヘッドホンよりも秀でた部分はたくさんあるだろう。
無線接続で可能な音質の限界を追求している。

Bose QuietComfort 35 wireless headphones II

価格帯:約35,000円
コスパ:★★★
音質 :★★★★★
機体 :普通
音域 :オーソドックス
バッテリー:最大30時間
接続プラグ:Bluetooth
「Bose(ボーズ)」は、マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授「アマー・G・ボーズ」の名前から来ている企業で、1964年にMIT学内に設立され、音響に関する研究の延長で様々なオーディオ機器を開発している。ガチガチに技術志向のメーカーだが、プロダクトデザインも優れていて、オタクくささのようなものはそれほどない。
ワイヤレスヘッドホンである「QuietComfort 35」は、特にノイズキャンセリング機能に力を入れていて、「Beats(ビーツ)」や「SONY(ソニー)」とよく比較される。ちなみに、世界で初めてノイズキャンセリング機能のある製品を販売したのは「Bose」だ。
ノイズキャンセリング、音質ともに、業界最高峰の技術力とプロダクト力。
「ノイズキャンセリング」の性能が特に高く、自分は「仕事を集中する用」として使っている。周囲の雑音や物音が聴こえなくなるし、ヘッドホンの圧迫感が没入感をもたらしてくれるので、「集中しやすくなるヘッドホン」とも言える。
他のノイズキャンセリングと比較しても、価格はやや高いが、装着性にとてもこだわりがあって、長時間つけていても疲れることがない。
「娯楽用」「外出用」としての用途とともに、「仕事用」としても使える高品質ヘッドホンだ。価格が高いぶん「これ一つ買えばヘッドホンはもう大丈夫」なので、毎日頻繁に使うのであれば確実にもとは取れるだろう。
有線用のプラグがついてくるので、普通に「有線ヘッドホン」として使用することも可能。様々な観点から、強くおすすめできる一押しの製品。

個別のレビュー記事はこちら↓
あとがき
以上、おすすめのヘッドホンを紹介してきた。
ヘッドホン選びに迷っている人の参考になったなら幸いだ。
価格などの情報は執筆時点のものであり、今後、値上げや値下げなどがあるかもしれない。
情報が更新されたり、優れた機種を新しく発見した場合には記事の追記や修正をしていくつもりだ。