今回は、「筋トレでそれなりに良い身体を目指したいが、ジムには通わず自宅でやりたい」という人向けに、自重で可能かつ効率的なトレーニングメニューを紹介&解説していく。
前回は、「自宅で筋トレする初心者向けのコスパ最強なトレーニングメニュー」という記事を書いた。
この記事は、その続編であり、「筋トレをする習慣が構築できている人」を対象に、さらにステップアップした筋トレのやり方を解説していく。
ちなみに前の記事では、筋トレ初心者は、まずは「腹筋ローラー」と「スクワット」を中心に、無理なく筋トレを続ける習慣を作るべし、という趣旨のことを書いている。
今回は、そこから一歩進んだ中級編として、「運動不足の解消」に留まらない、スマートで健康的な「カッコイイ体」を目指す、あるいは「マッチョ」と言われるような身体を目指すためのトレーニングメニューだ。
すでに「筋トレをする習慣」を身につけていて、さらにレベルアップしたい人は見ていってくれ!
また、ここでは、ジムに通わずに、自宅でトレーニングをこなすことを前提としている。
- ジムにしかない筋トレ器具を使わない
- トレーニングの時間は最大でも1日30分以内
という形でやっていく。
筋トレにあまりコストをかけたくなく、自宅の環境のみでマッチョを目指す人は参考にしてもらいたい。
目次
ジム通いでないことのメリットとデメリット
ジムに通わず、自宅で、自重トレーニング中心でメニューを組み立てていく。
ジムを使わないことのメリットは
- お金がかからない
- 移動時間が必要ない
- 着替えや準備の時間が必要ない
- 人間関係が必要ない
こと。
これは「続けやすさ」に大きく寄与する。
「筋トレ=ジム」になっている人は、ストレスや忙しさでジムに足が向かわない時期が続くと、筋トレの習慣そのものが廃れてしまう。また、ジム通いは、筋トレにのめり込みすぎて、他の遊びや仕事などの私生活が破壊されてしまうというリスクを常にはらんでいる。(筋トレには中毒性があり、それは万人にとって良いものとは限らない。)
自宅でやるなら、お金や時間を大きく消費しないというのも大きい。ジム通いだと、筋トレ時間を1日30分以内に収めることは不可能だろう。
一方で、ジムにはメリットもあって、ジムでしか使えないマシンや筋トレ器具を使ったほうが、筋トレの効率は良い。
- 懸垂
- ベンチプレス
- ショルダープレス
- デッドリフト
- ラットプルダウン
- レッグプレス
- レッグエクステンション
- レッグカール
など、ジムには効果的なトレーニングをしやすい器具が揃っている。
一般的に、筋肉を肥大させやすい筋トレは、10回の回数をギリギリこなせるくらいの負荷と言われている。初心者のうちは、自重の腹筋ローラーや腕立てでも10回できるかどうかなのだが、慣れると回数をこなさざるを得なくなる。ジムのトレーニング器具の場合、重さを追加することで、かなり筋肉のある人でも「ギリギリ10回」の負荷のトレーニングをこなすことができるようになる。
筋トレ上級者になって筋肉がついてくるほど、ジムでやるほうが効率良く鍛えられるようになる。
フィジークやボディビルの大会出場を目指す人や、ひと目で大勢をビビらせるマッチョになりたいのであれば、ジムに通うべきだろう。
一方で、一般的な範疇での健康的な身体やマッチョを目指すのであれば、特にジムに通う必要はない。
自重で回数をこなす筋トレでも、かなりの負荷をかけることが可能だし、「時間あたりの効果」という指標で見れば、ジムに通わず自宅でやったほうが、ほとんどの場合効率が良い。
ジムに行く他のメリットとして、意志力と集中力の多くをトレーニングに注ぎ込みやすくなるというのがある。「筋トレしやすい環境」というのは、初心者や中級者にとっても大きなメリットだ。だから、初心者のうちからジムに通う利点もないわけではない。
ただ、自宅でやったほうが金も時間もかからないし、習慣化もしやすいので、基本的には家でトレーニングするのがおすすめ。
競技レベルで筋肉を追求するならまだしも、一般的な範疇での美しい身体を目指すのであれば、この記事でこれから紹介していく内容で十分だろう。
部位ごとにローテーションで毎日筋トレをする
それでは、どういう筋トレをすればいいのか解説していく。
基本的には
- 下半身
- 腹筋
- 腕筋・胸筋
- 体幹 or ストレッチ or レスト(休養)
のサイクルで、1日づつこなす。
「下半身」のトレーニングの日は、「スクワット」「ランジ」「カーフレイズ」など下半身を鍛えるトレーニングだけをこなす。
「腹筋」の日は主に腹筋のみ、「腕筋・胸筋」の日は腕立てなどがメイン。
なぜ部位ごとにローテーションをするかと言うと、追いこんで筋トレをする場合、「超回復」の期間を設けたほうが効率が良いからだ。
1日ごとに筋トレする部位を振り分けてローテーションをすれば、毎日継続的にこなすことができる。
それでは以下、各部位ごとに効果的な筋トレの種目と、やり方を解説していく。
下半身の筋トレ
自宅でできる、自重のみの下半身の筋トレを紹介していく。
筋トレ初心者は、腹筋や胸筋や上腕筋を鍛えたがるが、下半身をちゃんと鍛えておかなければバランスの悪い身体になってしまう。
人間の筋肉の多くの部分は下半身が占めている。効率よく体脂肪を減らして筋肉量を増やしたいのであれば、まずは下半身を頑張って鍛えたほうがいいだろう。
下半身を鍛えることで、女性ならヒップが上がり、太腿が引き締まって足が細く見えるようになる。男性も、実は太腿やお尻がシェイプされていると、かなり印象が良くなる。
下半身の筋肉が多いと、膝などの関節を痛めることが少なくなる。将来的なことを考えても、足の筋肉は重要だ。また、筋肉量は集中力とも関係があり、仕事のパフォーマンスを上げたいビジネスマンは、スクワットなどを積極的にやるべきだ。
地味にキツい筋トレ種目が多いが、下半身はめちゃくちゃ重要なので、特に優先して鍛えるべき部位なのだ!
スクワット
スクワットは、特別な器具を使う必要もなく、とても大きな下半身の筋肉全体に効率的に負荷をかけることができる筋トレで、人類なら絶対にやっておいたほうが良い。
スクワットを10数回繰り返すと、太腿に大きな負荷がかかっているのが実感できるだろう。息も切れて心臓がバクバク言うのを感じるはずだ。
負荷の高い筋トレなので、限界までやろうとするとかなりキツく感じるはずだが、そのぶん効果も大きい。
まずはスクワットでしっかり追い込めるようになろう。
カーフレイズ
カーフレイズは、脹脛(ふくらはぎ)を鍛える筋トレだ。
自重のみで行う過半身の筋トレは、基本的に「スクワット」と「カーフレイズ」の組み合わせが有効だ。
それぞれ鍛えられる箇所が違うので、スクワット→カーフレイズ→スクワット→カーフレイズと、気力が尽きるまでループすることもできるぞ。
地味だが、カーフレイズも何気にキツい。だが、脹脛は「第二の心臓」とも言われていて、鍛えることで体内の血流の循環が良くなる。将来的な健康のことを考えるならしっかりと筋肉をつけておきたい。
ダンベルなどの重り持って負荷を増やすやり方もあるが、キチンとしたフォームでやれば自重のみでもかなり筋肉に効かせられる。
サイドランジ
「サイドランジ」は、わりとマイナーなトレーニング法かもしれないが、個人的にはかなりおすすめだ。「スクワット」や「カーフレイズ」では鍛えることのできない太腿の側面を鍛えることができる。
横ではなく、前方に足を下ろす「フロントランジ」のほうがメジャーな筋トレかもしれない。ただ、フロントランジはスクワットと負荷が被るので、個人的には「サイドランジ」のほうを推したい。
筋力アップだけではなく、動的な柔軟性を鍛えることにもつながり、股関節の可動域も広がる。エクササイズ感覚でやっても、十分に良い効果がある。
ステップアップ
「ステップアップ」は、階段や椅子やフラットベンチを使って、登ったり下りたりを繰り返す筋トレだ。
初心者でも正しい姿勢でやりやすく、わかりやすく負荷をかけやすい。強くて美しい脚を作るのに役立ち、また、カロリー消費の高い筋トレでもある。脂肪を落としたいダイエット中の人にもおすすめだ。
腹筋の筋トレ
腹筋は、人間の中心となる部分であり、多くのスポーツ競技において非常に重要な筋肉となる。また、「美しい肉体」のためには、男女問わず、鍛えた腹筋は不可欠だ。
「綺麗に割れた腹筋」というのは、多くの人にとっての憧れとなっている。実際には、割れた腹筋が見えるかどうかは、鍛えた腹筋よりも体脂肪率のほうがより重要(お腹の脂肪は最後に落ちる)なのだが、ちゃんと鍛えていなければ痩せていてもシックスパックと言われるような立体的な腹筋にはならない。
腹筋を鍛えることで、引き締まったウエストに近づく。お腹がたぷんとしているのと、引き締まっているのとでは、後者のほうを好ましいと感じる人のほうが多いだろう。
「筋トレ」と言えば多くの人が腹筋を重点的にやろうとするが、それだけ腹筋は見た目に直結する部位だ。適切な方法で努力をすれば、洗練された美しい腹部が手に入る。
腹筋ローラー(アブローラー)
腹筋ローラーは、器具を必要とするが、効率的には間違いなく最高のトレーニングなので、腹筋を鍛えるならこれを使おう。
腹筋が中心だが、上腕筋や背筋も鍛えられ、効率良くバランスの良い筋肉が仕上がる。腹筋ローラーの器具は、自宅でもとても使いやすいものなので、億劫がらずに使ってみるのが吉だ。
ダンベルサイドベント
腹筋には、正面の「腹直筋」、インナーマッスルである「腹横筋」、横の部分にあたる「腹斜筋」がある。「腹直筋」や「腹横筋」は腹筋ローラーで鍛えられるのだが、「腹斜筋」を鍛えるには、ダンベルサイドベントがおすすめだ。
特に女性におすすめで、綺麗なくびれを作るのに向いている。もちろん男性でも鍛えて損はない。
ダンベルが必要で、安全性を考慮して室内シューズが必須なので、やや面倒くさいのが難点だが、腹斜筋をしっかり鍛えるなら非常に有効。
これをやる道具を用意したくないのであれば、後に紹介する「バイシクルクランチ」でも腹斜筋を鍛えられる。
バイシクルクランチ
上半身を捻りながら、腹直筋と腹斜筋を鍛えることができる。かっこいい腹筋を作る上で有効なトレーニングだ。
特に器具を必要とせず、カーペットの上かマットの上ならどこでもできる。(硬い床の上でやると痛い。)
「腹筋ローラー」と「バイシクルクランチ」を交互にやると、それだけで腹筋を極度に追い詰めることができる。
レッグレイズ
下腹部の筋肉を鍛えるなら、仰向けになり、上げた足をゆっくり下ろす「レッグレイズ」が有効だ。
腹筋の形にこだわるなら、下腹部も鍛えてみると良い。
ゆっくり上げ下ろしする忍耐強さが求められ、初心者にはやや難しいが、かなり強度の高いトレーニングになる。
下腹部は、キツさのわりにはそこまで効果が現れにくいので、優先度的には「腹筋ローラー」や「ダンベルサイドベント」のほうが上。
腕筋・胸筋の筋トレ
腕筋や胸筋は、ジムでマシン使って鍛えると効率がいい部位ではあるのだが、自宅でも十分にトレーニングすることが可能だ。
やってみて、「自宅でのトレーニングは限界があるし、もっと本格的に鍛えたい」と思うのであれば、ジム通いを検討すればいいだろう。
器具なしの自重のみで鍛えるのであれば「腕立て伏せ」が鉄板だし、自宅用のダンベルもAmazonなどでいくらでも売っているので、アームカールなどの重りを使ったトレーニングをすることもできる。
腕立て伏せ(プッシュアップ)
筋トレの王道とも言うべき種目。筋トレ好きならぜひともマスターしたい。
腕立て伏せは、実は奥が深い筋トレだが、正しいフォームでやれば絶大な効果がある。やり方によって効く部位が違うが、主に「大胸筋」「三角筋」「上腕三頭筋」を鍛えることができる。
YouTube動画を見て、正しい腕立て伏せを理解しよう。
腕の開く幅、角度、伏せの深さなどで効く部位は変わるが、スタンダードな腕立て伏せを普通にできるようになるだけでも十分にスゴい。やっているうちに「効き方」が自分でわかってくるので、その感覚があれば様々な応用がしやすくなる。
腕立て伏せをするときに共通して注意すべきなのは、「頭から踵を一直線にすること」だ。お尻を上げたり、腰を落としたりせずに、体幹に力を入れて、身体を真っ直ぐに保つ。筋肉のない人は、この姿勢の時点でけっこうキツいと思う。
自重の腕立て伏せのみでも、回数を重ねれば負荷はものすごいことになるので、腕をムキムキにすることは可能だ。
自宅であっても、「プッシュアップバー」を使ったり「フラットベンチ」などに足を乗せれば、より負荷の高いトレーニングが可能になる。
ダンベルカール(アームカール)
自宅用のダンベルが必要だが、「上腕二頭筋」を自宅で鍛えるには最適な筋トレ。自分に合った重さのダンベルでやろう。筋力に自信の無い人は2kgくらいから始めるといいだろう。
立った状態でトレーニングすることももちろんできるが、座ったほうが体勢が安定してやりやすいと感じる人も多い。
サイドレイズ
自宅で三角筋をしっかり鍛えたいのであれば、「サイドレイズ」がおすすめだ。
これもダンベルが必要だが、室内の狭いスペースで鍛えることが可能だ。
ボディービルダーなどの筋トレ上級者は、ありえないほどの重さのダンベルでサイドレイズをこなすのだが、軽いダンベルでやってもちゃんと効果がある。最初はなるべく軽いものを使い、正しいフォームで筋肉への刺激に慣れよう。
リストボール or ハンドグリップ
「握力」は意外にも鍛える人が少ないのだが、日常生活を送る上で重要な筋肉であり、鍛えることのメリットは大きい。パソコンをよく使うビジネスマンにとっては腱鞘炎などの予防になるし、老後を考えても、握力をしっかり鍛えたことがあると衰えにくい。
握力を鍛えたいなら、「リストボール」がおすすめだ。
関節への負担が少なく、合理的に握力を鍛えることができる。
握力を鍛える古典的な器具は、「ハンドグリップ」だろう。
今まで本格的に握力を鍛えたことがないのであれば、まずは負荷を調整できるタイプのものを買うといい。
基本的には「リストボール」を使うことをおすすめするが、「ハンドグリップ」のほうが価格は安い。
「アームカール」や「サイドレイズ」など、ダンベルを使ったトレーニングでも、ある程度握力は鍛えられる。ただ、握力を本格的に鍛えたいのであれば、それ専用の器具を買ったほうがいい。
「腕立て伏せ」のインターバルの時間に握力を鍛えるのもいい。
ただ、握力を鍛えても目に見えて効果が現れにくいので、腕立てなどのほうが優先度は上。
体幹 or ストレッチ or レスト(休養)
4日のサイクルのうち1日は、追い込まない軽い筋トレかストレッチに留める。身体のコンディションを整える日は必要だ。
軽く体幹のトレーニングをしてもいいし、ストレッチの日にしてもいいし、休養日にしてもいい。
体幹トレーニング
体幹のトレーニングやストレッチは、近年ますますその重要性が認められつつあり、かなり奥が深いので、本格的に勉強してみてもいいだろう。
個人的には、日本代表で活躍したサッカー選手で、イタリアの名門クラブ「インテル」の人気プレイヤーでもあった長友佑都の本がおすすめだ。
プロのスポーツ選手が書いた本だが、一般人の身体作りにとても参考になる。
体幹トレーニングの鉄板は木場克己氏のもので、詳しくやりたいなら、DVD付きの書籍がわかりやすい。
レスト(休養)
短時間と言えど、それなりに自分を追い込む筋トレをする場合は、休養日もあったほうがいい。
仕事をしていると、仕事続きですぐに眠りたいとき、飲み会などで酔っ払ってしまったとき、どうしてもやる気が起こらないときは絶対にある。
そういう日には、シフトをずらして「レスト」を持ってくるようにしよう。
あらかじめ4日に1日は休養を設定しておくことで、無理せずとも続けやすくなる。
続ける習慣さえ維持できれば、休みがちであっても、絶対に身体はかっこよくなっていく。
自宅で使えるおすすめの筋トレ器具
紹介してきたトレーニング方法は、グッズを必要とするものも多い。(ちゃんと自重のみで可能な選択肢も示したが。)
トレーニンググッズは、フラットベンチなどを覗いて、どれも1000円から2000円くらいの価格で買えるものであり、健康に気を使うのであれば、決して法外な金額ではないだろう。(高額なトレーニング器具もあるが、ここでは紹介していない。)
おすすめのトレーニング器具を紹介していくが、全部買わなければいけないわけではない。自分が必要だと思うやつだけを選ぼう。筋トレをそれなりにやっている人であれば、すでに持っているものが大半だと思う。
フラットベンチ
「ベンチ」は、普通にAmazonなどで買うことができるし、大きなものではないので、スペースに余裕があれば部屋に設置できる。
シンプルにベンチの機能を果たすだけだが、筋トレをする上で汎用性は高い。
下半身の「ステップアップ」という筋トレをするときに、足を乗せる台として使うことができる。
「腕立て伏せ」をするときに、ベンチに手をつけてやれば、負荷を減らしながら正しいフォームでやりやすくなる。逆に足を乗せて、地面に手をついて腕立て伏せをすれば、より負荷の高いトレーニングができる。
ダンベルを使って「アームカール」するときも、ベンチに座った体勢でやったほうが、腕の筋肉に集中しやすくなる。
トレーニングマット(ヨガマット)
床にそのまま寝っ転がって筋トレをすると、尾てい骨などが当たって痛いという人が多い。特に「バイシクルクランチ」や「レッグレイズ」などの腹筋運動をする場合はあったほうが良いだろう。
「プランク」や「サイドブリッジ」のような体幹運動をする場合も、マットがあったほうがいい。
当然ながら、ストレッチやヨガをするときにも役立つ。
とても汎用性が高く、家の床がフローリングの人には特におすすめ。
腹筋ローラー(アブローラー)
転がして使う、上半身を満遍なく鍛えることのできるローラー。
自宅で筋トレをやる場合、「使わない手はない」というくらいラクで効率的な筋トレができる。
個人的にもっともおすすめしたいトレーニング器具。値段も安い。
プッシュアップバー
「腕立て伏せ(プッシュアップ)」をやりやすくしてくれるトレーニング器具。これは人によって好みがわかれる使い心地だと思う。(個人的には使わないほうがやりやすい。)
腕立てをトレーニングの中心に据える人は購入を検討してみてもいいかもしれない。
平行になっているやつと、傾斜がついて斜めになっているやつがある。どちらが良いかは好み。その人の手や腕の形状に拠る。
ダンベル
室内用のダンベルは、今はとても工夫されていて、使い勝手が良くなっている。
内側は鉄製だが、外側はコーティングされていて、握りやすく、床を傷つけにくい。四角い形なのでゴロゴロ転がることもない。重さも自分に合ったものを選ぶことができる。
注意点として、ダンベルを使うときは必ずシューズを履くようにしよう。当然ながら、ダンベルのトレーニングは床に落とさないように集中してやるものだが、万が一がある。
室内用にサッと履ける靴としては、「ファイブフィンガーズ」がおすすめだ。
やや高いが、めちゃくちゃ快適。
ただ、わざわざ買う必要はない。外履き用の靴をシャワーで洗って拭き取れば、普通に室内用のシューズとして使用することができる。
バランスボール
バランスボールは、一時期流行って今は衰退している感じだが、やはり優れたトレーニング器具と言える。体脂肪を減らすほどの運動にはならないが、インナーマッスルをバランス良く鍛えることができるし、身体のリフレッシュにもなる。
スマホをイジる時間を、バランスボールの上でやるようにするだけでも、腰痛などの対策になる。
ちなみに、「バランスクッション」と呼ばれるトレーニンググッズも最近出ている。
トレーニングに使えるほか、デスクワーク中の椅子に上に敷くこともできるので、わりとおすすめだ。
プロテイン
筋トレをするのであれば、しっかりと筋肉をつけるためにも、プロテインは摂取しておきたい。
ベストなタイミングはトレーニングの直後だ。自宅でやっているのであれば、サッと飲めるだろう。
必ずしも規定量を摂取する必要はなく、カロリーが気になるのであれば少なめに飲んでもいい。少し飲んでおくだけでも、リカバリーが全然違ってくるので、それなりに筋トレを真面目にやるなら、プロテインは飲むことを推奨。
どれくらいの強度でトレーニングするべきか
ジムでトレーニングする場合は、「強度」や「回数」はけっこう頭を使うトピックになる。
一方で、自重トレーニングの場合は、できる限り、限界まで追い込むのが基本。
最初は、回数を気にせず、正しいフォームでこなすことを意識しよう。筋力がついてくると、自然と回数は増えていく。
正しいフォームを意識しながら、だんだんとできる回数を増やしていくのが、自重トレの王道だ。
「限界までやる!」というシンプルな考え方でも、十分に筋肉のある身体を作ることができる。
やっているうちに、自分で考えて色々とメニューをカスタマイズしたくなってくると思うが、そうなる頃には、一般的にはかなり美しいと思える肉体が出来上がっていることだろう。
習慣化するのが大事
筋トレは、やろうと思えば、10分くらいの運動でもかなりの負荷をかけることができる。
ただ、普通の人は、「頑張る」ための決心などに、だらだら時間を費やしてしまう。たいていの人がそういうもので、だからこそわざわざ高い料金を払ってプライベートトレーニングを契約したり、ジムに通ったりするのだ。
逆に言えば、それなりの強度の筋トレを生活習慣に組み込めば、短時間・低コストで、美しく健康的な肉体を手にすることができる。
仕事から家に帰ってきたら、すぐにはくつろがず、20分ほど筋トレをやってから風呂に入る……みたいな習慣を身につけることができれば非常に強い。
習慣化することに労力を割けば、ジムに行く必要もなく、「筋トレ」という素晴らしい習慣が手に入る。
筋トレを続ける上で、もっとも障害になるのは「続けられなくなること」だ。1日20〜30分ほどの筋トレでも、1年、2年と続けていれば、自分でも驚くほど身体は良くなる。
「気持ちが乗っている日は限界まで追い込んで、やる気がない日はほとんど形だけで済ます」というやり方でもいい。筋トレする習慣を続けてさえいれば、一般人の基準では十分に魅力的な肉体に仕上がっていくだろう。
逆に、「この日はまったく頑張れなかったから自分はダメなんだ!」と落ち込んでしまったら、続ける気持ちが萎えてしまうリスクが高まる。
趣味で筋トレをやっているんだから、絶対やらなければならないトレーニングのラインは低めに設定して、頑張りたい気分のときにはけっこう頑張るくらいの感じでやるのがいいと思う。
トレーニングに対する意識やメニューは、少なくとも最初のうちは、「続けやすいこと」を最重要視しよう。実は「続けやすいこと」は、中級者や上級者にとっても非常に大事なことなのである。
筋トレは考えることが重要〜自分の肉体と対話しよう〜
この記事では、それぞれの部位ごとに筋トレのやり方を紹介してきたが、もちろんすべてをこなす必要はない。
やりづらいと感じる種目があれば、それを飛ばしてもいいし、他の種目を調べて、それを取り入れてもいい。
また、部位ごとのローテーションの日にちに関しても、自分で自由にカスタマイズすればいい。
人間の肉体にはかなりの個人差があって、それぞれ有効なトレーニング法は違う。自分にはどういう筋トレが向いているのか、考えながらやっていくのが筋トレの醍醐味だ。
もちろん、最初は定番のメニューをこなすのが重要になる。
基本的には
- 下半身(スクワット)
- 腹筋(腹筋ローラー)
- 腕筋・胸筋(腕立て伏せ)
- 体幹・ストレッチ(休養)
のサイクルがベース。
「腹筋」と「腕筋・胸筋」で筋肉痛になる部位がかぶってしまうのであれば、間に「過半身」を挟むのがいいと思う。
慣れてきたら、より自分に合うように、筋トレ法やスケジュールをカスタマイズしていこう。
やってみればわかるが、筋トレは、自分の肉体がリアルに強く美しくなっていく感覚があって、めちゃくちゃ楽しい!
楽しいと感じるレベルになるまでには、それなりの努力と工夫を必要とするが、一度軌道に乗せることができれば、これ以上にすばらしい楽しみは他に思いつかないくらいハマってしまう魅力を秘めている。