「無職で引きこもり」の状態から、社会復帰を目指すなら、一体何をすればいいのか? どういう戦略を持って、具体的に何をしていけばいいのか?
今回はこれについて、自分の考えを述べていきたい。
あらかじめ言っておくと、俺は無職ではなく普通に働いている。そう聞くと、タイトルに期待してやってきた無職の方は怒るかもしれない。しかし、「自分が無職だった場合にどうすればいいのか?」の答えを無職の方が持っているわけではない。(それを知っている人にはこんな記事は必要ないだろう)
誰も他人の人生を生きることはできない。この手のものは、「自分がもしこうなったら?」という仮定の元に、思考実験的なものとして考えていくしかないのだ。
もちろん、他罰的なことや、説教じみたことは一切言わないと約束しよう。あくまで「具体論」として、どのようなマインドで、どのような実践をすればいいのか、を書いていく。
参考になる場合もあるし、ならない場合もあるだろう。
もし興味があるなら、最後まで読んでもらいたい!
目次
「働かないことは駄目なことだ」という考えを捨てよう

前提をひっくり返すようで悪いが、「働かないとだめ」という価値観の元に自尊心を失っているのなら、それは今すぐやめたほうがいい。
人間は別に働かなくてもいい。
そもそも、人の仕事の大部分は機械に奪われた。これからAIが発達して、知的産業とかサービス業も人間がやらなくてよくなってくるとも言われている。
食糧生産の効率とかもめっちゃ上がってるので、10人に1人くらいの人間が働くだけでも全然世の中は回る。
「ホリエモン(堀江貴文)」なども似たようなことを言っているが、ほとんどの人間はもう働かなくてもいいのだ。むしろ、働かなくていい人の仕事を無理やり作るために、無駄な労力をかけて、それでみんなが苦しくなってるまである。
そもそも、日本では寝たきり老人が養われているが、末期の高齢者はただ養われているどころじゃなく、膨大な医療費と、ケアする人の労力を奪いながら延命している。そんな人でも普通に生きてることを考えれば、無職の引きこもりだからって社会の足を引っ張ってるということにはならない。
昔は、誰にでもできる簡単な仕事がたくさんあった。今は、そのような仕事が効率化されてなくなってしまったので、「働く」ということがすごく難しくなっている。それは豊かな社会へと進歩していることでもあるが、その過渡期における犠牲として、仕事がなくて自尊心を持てない人が増えてしまっている。
無職の人はむしろ被害者なのだ!
そういう色々なことを鑑みても言えることだが、あなたが、働いていないことで自尊心を奪われていい理由など一つもない。
「働いていない人間はだめ」なんてことは絶対にない。だからまずは安心しよう!
この記事での俺の主張はシンプルで、「仕事よりも人間関係のほうが大事」というものだ。
もちろん、現実的なことを考えるなら、お金はもらえたほうがいいし、「働いている」という立場だと社会的にいろいろと楽なことが多い。働いていないことで自分を見下す必要は一切ないが、残念ながら、働けるなら働いたほうが良いというのが現状だ。
だから、「無職の引きこもり」状態から、「普通に働いている」状態になることを、一応の解決(社会復帰)としよう。
では、そのためにはどうすればいいのだろうか?
壁はどれくらい高いのか?

「無職の引きこもり」状態から、いきなり現役で働き続けてきた人と同じように働くのは、どう考えても無理があると思う人は多いのではないだろうか?
年齢を重ねるほど、積み上げてきたものの差が出るからだ。
だが、壁はそこまで強固なものではない。
そもそも、「年功序列制度」はすでに崩壊している。
立派に働いていた社会人でも、ある日いきなり仕事がなくなってしまう場合もある。
そのような人のほうが、むしろ人間的には脆かったりする。自尊心が低下するという環境に慣れていないからだ。
また、スキルに関してだが、世の中の圧倒的大多数の人間は、どこに行っても通用するほどの汎用的なスキルを持っていない。
ネットとかでは、スキル持ちが目立つ傾向にあるが、ほとんどの人間には大した能力なんてない。
自信を持てるようなスキルを持っていなかったからと言って、「もう自分には社会復帰は無理だ!」と諦める必要は何もない
「働くこと」も「汎用的なスキル」も、みんなが思っているほど重要ではない。そんなものよりも、「コミュニケーション」と「人間関係」のほうがずっと大事だからだ。
他者とコミュニケーションが取れないのは危険なこと

今の世の中は、個人的な能力が重視されている傾向があるが、実際に重視されているのは「コミュニケーション」だ。
スキル面は、機械やAIに代替されるので、ごく一部の高技能者以外は必要なくなるが、だからこそ、人間にとって最も重要なのは「他者とコミュニケーションを取ること」になる。「より良い人間関係を築いていくこと」と言い換えてもいい。
「コミュニケーションが大事」と聞くと、ひょっとしたら、何かがっかりした気持ちになる人も多いかもしれない。
多くの人は、自分はコミュニケーションが苦手だと思っているし、そのような中身の無いことをやるよりも、何かしらの高度な技能を持って社会に貢献したいと思っている。しかし、その考え方こそが罠なのである。
「無職で引きこもり」という状態がマズいのは、お金を稼いでいないからでも、スキルを身に着けていないからでもない。自尊心を失い、他人とまともにコミュニケーションが取れなくなるという状況こそが、何より危険なのだ。
だから、無職で引きこもりのあなたがまずやるべきなのは、友達(仲間)を作ることだ。
対面のコミュニケーションから始めなければならないわけではない

何も、いきなり、誰かと会って話しかけなければならないというわけではない。
オンラインゲームのチャットからでもいい。そういうところから、他人との丁寧なコミュニケーションを学んでいくべきだ。
挨拶をすると挨拶が帰ってくる。「ありがとうございました」と言うと「こちらこそありがとうございました」という言葉が帰ってくる。このようなささやかなコミュニケーションを、経験値を稼ぐようにたくさん繰り返すのだ!
「高度な駆け引き」とか、「交渉術」みたいなことは一切考えなくていい。
なるべく、低姿勢で、丁寧なコミュニケーションを心がけよう。相手がどう思っているのか考えて、思いやりを持とう。
失礼なやつはいるし、横暴なやり口のコミュニケーションで利益を得ている人間がいるように感じることもあるが、そういうのはなるべく気にしないようにしよう。
長期的に見れば、丁寧なコミュニケーションがとれる人の元には、同じように丁寧な人たちが集まってくる。
最初は、オンラインゲームのチャットが一番ハードルが低いと思う。
ゲームは、やるべきことが決まっているので、話しやすいからだ。
そのようなやりとりになれてきたら、SNSを始めるのがいいかもしれない。おすすめは文字上のやりとりだけでも良い「ツイッター」だ。
最初は、同じ趣味の仲間をフォローしたりして、相互フォロワーをある程度増やしていこう。
失礼にならないようにリプライを送ったりして、やりとりを重ねていくのがいい。
いきなり対面である必要はないので、最初はネット上でコミュニケーションの経験を積んでいこう。
「マイナスの状態」を武器にして、同じ仲間を作ろう

ツイッター上などのコミュニケーションでは、「無職で引きこもり」といったマイナスの要素も、それを利用することができる。
他罰的になって誰かを責めたりせずに、自分や相手を励ますようなことをつぶやこう。
無職であることをアピールすることで、同じ仲間を探すことができる。
同じニート同士であれば、仲間になりやすい。
似たような友達を最初に作るのはとても大事なことだ。
相手も自分と同じニートなので、話しやすいし、気後れしにくい。
無職のためにオフ会を企画するのもいい。自分から何かを発言し、何かを企画して、人を集める経験をすると、めちゃくちゃ成長できる。
人は誰かとのコミュニケーションの経験によって強くなっていくのだ。
もちろん、人と人とのやりとりなので、傷ついたりガッカリすることもたくさんあるだろうし、心地よいことばかりではないだろう。しかし、だからこそ、その苦労があなたを強くしてくれる。
「仲間」を作ってから就職活動をしたほうが安定する

「無職で引きこもり」の状態から、いきなりアルバイトをしたり、就職活動をしたりするのは、ハードルが高いし、挫折したときのダメージも大きい。(もちろん、いきなりそれができるのであれば、すぐにやったほうがいいのだろうが。
仕事は何だかんだでストレスが非常に多いものなので、無職期間が長い人ほど、途中で心が折れてしまう可能性が高いことに留意すべきだ。
できれば、無職仲間を何人か作って「一緒に社会復帰しようぜ!」という形で頑張るのが理想。
つらいことがあったとき、それを愚痴って共有できる仲間がいるというのが、非常に大事なことなのだ。無職期間が長い人は、スキルや真面目さよりも、そういう人間関係の「貯め」がないからこそ、再び失敗しやすい。
孤独に社会に立ち向かうよりも、仲間を集めて、誰かから応援される形で何かをやろうとしたほうが、成功率はぐっと高まる。
もちろん、親との関係がそれなりに良好であれば、「自分はしっかり頑張りたい気持ちがあるので応援してくれ」と、ちゃんと親に言うことが大事だ。いきなり仕事を見つけようとするよりも、そのような点をクリアしてからのほうが、順序としては正しいだろう。
自分が無職の引きこもりだったら、どうやって社会復帰していくか?
まとめの内容になるが、一言で言うなら、「仕事よりも人間関係を重視したほうが安定しやすい」ということだ。
社会経験に乏しい人は、仕事とは「スキル(労働)」と「給料」の交換だと思っている。しかし、人間の仕事がバンバン奪われまくっているこのご時世、重要なのはコミュニケーションをとって人間関係を維持できる能力のほうだ。
これからますますそうなっていくので、「スキル重視」よりも「コミュニケーション重視」のほうがうまくいきやすい。
自分が無職の引きこもりだったら
オンラインゲームを始めて、チャットで最低限のコミュニケーションの練習を積んでいく
↓
ツイッターを始めて、相互フォロワーを増やしていく
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ゲームの協力プレイでボイスチャットなどをやって、会話に慣れていく
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ツイッターなどで自分が無職であることを発表して、似たような仲間と慰め合う
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無職同士でつるまないかと提案して、ボイチャをしたり、リアルで会える友達を作る
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無職の仲間や、同じゲームをやってる同士で、オフ会を企画する
↓
色んな人に相談し、応援してもらって、バイトを探したりハローワークに行ったりする
↓
仕事を頑張りながら、友達と会話したり遊んだりする時間を大切にする
という感じでやる。
「自分ならこうする」という話なので、これが万人に当てはまらないことも承知している。
あくまで一つの視点として、何らかの参考になったのであれば幸いだ。
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