「自己分析」をバカにしたがる人は多い。
たしかに、ほとんどの仕事や恋愛は、経験してみないとわからないし、実体験を経ないうちから「自己分析」に走ると、バカバカしいことになる場合もある。
しかし、そういう事情を加味してもなお、「自己分析」ってめっちゃくちゃ大事なのよ!
就活や、婚活をする上で、自己分析の重要性は限りなく大きい。なぜなら、「自分が何を好むのか?」は、先天的(生まれつき)なものであり、後天的(後からの努力)に変えることができない場合が多いからだ。
俺がここで言う「自己分析」というのは、単に「自分のことをよく知ろう!」という解像度の低い話ではなく、「人間の快・不快や興味関心は大部分が先天的に決っているという前提のもとに、どのように自分の人生の戦略を立てていくか?」ということである。
詳しく説明していくので、興味のある方は見ていって欲しい!
人間の嗜好は多くの部分が先天的に決まっている!
人が何を好きになるか、何を心地よいと感じるかは、生まれる前からかなりの強度で決まっている。
「いやいや、後天的に決まるもののほうが多いはずだ!」と反論を言いたくなる人も多いかもしれない。
ここでは、もっとも反論しにくい例として、性的少数者を出そう。昔は、性的嗜好も、後天的に拠るところが多いとされていた。だから、同性が好きな人も、何らかのやり方によって異性が好きな人に変えられる(治療できる)と思われていた。今では、このような考え方は否定されている。言うまでもないが、異性愛者になるか同性愛者になるかは、先天的に決まっているというのが、多くの先進国での統一見解だ。
もちろん、後天的に身につける趣味や好みもある。「サッカーとテニスどっちが好き?」みたいな話だと、後天的な要因が大きい。
だが、「積極的に色んなコミュニケーションをとるのが好き」とか「家に閉じこもってパソコンに向かい合うのが好き」みたいな大きな傾向に関しては、先天的にかなり決まっている。
「菅田将暉と神木隆之介のどっちが好き?」というのは、見てきたドラマの違いなどの後天的なものによって決まることもあるけど、「男と女どっちが好き?」というのは先天的に決まる。
「能力」は後天的な訓練で身につけることが一方で、「好み」は先天的に決まっているので努力しても変えることができない。
そもそもの話、「好み」を変えられば人間は苦労しないのである。
基本的に人間の好みは似通っていて、一部に人気が集中しがちである。もし自分の好みを変化させられるなら、「熟女が好き」とか「キモいおじさんが好き」というふうに自分を変化させて、過当競争を避けて幸せになることができる。
でもそれは無理だ。
「好み」は変えられないから、受け入れる必要がある。
たまに、先天的に決まっている「好み」と、後天的に身につけることのできる「能力」を混同してしまっている人がいるが、これをやると色んなところで勘違いや間違いをしやすくなるので、気をつけよう!
長い時間をかけて自分を知る必要がある
「好み」は変えられないので、付き合っていくしかない。
だが、厄介なことに、自分の「好み」というのは、自分でもよくわかっていなかったりする場合も多い。
嫌いだと思っていたものが、意外と好きだったり、好きだと思っていたものが、実はそうでもなかったり……というのはよくあることだ。
ほとんどの人は、自分がどういうことが好きな人間なのかという解像度を、時間をかけて上げていくしかない。
ただ、20年以上も生きて就活や婚活の時期ともなれば、「自分の好み」の何となくのイメージというものはあるだろう。そこに沿って、今後の戦略を決めていくのがいい。
言語化することはけっこう大事
「好み」の言語化は、就職活動でのエントリーシートや、結婚相談所のプロフィールなどで求められるが、ある程度はできるようになっておいたほうがいい。
もちろん、本当に正確なところは、自分自身でもぼんやりとしか把握していないし、複雑で、それをちゃんと言語化しようとすれば、それだけで小説が一冊書けたりするほどのものだろう。
ただ、あえてそれを「簡単に説明できるようにしておく」と、色々な場面で便利なことが多い。
本当のあなた自身はもっと複雑だとしても、「自分の好みを手短に説明できるようにしておく準備」は、就活や婚活の色んなところで役立つ。
「あなたは何が好きですか?」という質問に、短く答えられるようにしておこう。強いて言うなら、たったこれだけでも、十分に自己分析としての効果がある。
より実践的な自己分析は「何を許せるか?」
最低限の自己分析は、「何が好きですか?」に対しての、短い回答を用意しておくことだ。
もう一歩踏み込んで考えるなら、「何を許せるか?」となる。
就活や婚活というのは、基本的には妥協を求められるものなので、「自分は何を許せる人間なのか?」を解像度高く把握しておければ、かなり間違いが少なくなる。
「何を許せるのか」、逆に言えば「何が許せないのか?」という自己分析は、しっかりやっておいて損はない。
コツは、箇条書きにたくさん書くのではなく、「短く答えられるようにしておくこと」だ。
好きなものとか、許せないものとか、書こうと思えばいくらでも出てくるかもしれないが、その数を絞るのが大事。
もっと本格的に自己分析をしたいのであれば、「何に幸せを感じるか?」「何に癒やしを感じるか?」「週に一回必ず必要なものは何か?」……みたいな感じで、質問の項目を増やしてみよう。一つの質問に対して複数の答えをするのは、趣旨がぶれてしまうのであまり推奨できない。
まとめ
- 「自分の好みは変えられない」という前提のもとに、「自分は何が好きなのか?」を考えよう
- 本当のところは、長い時間をかけて解像度を上げていくしかないが、手短な答えを用意しておくと役に立つことが多い
- 「自分は何を許せるのか?」という質問への回答を用意しておくとより実践的
- 一つの質問に対して複数の回答を用意しても趣旨がぶれてしまうので、より詳細に自己分析したい場合は、質問の数を増やしていくのが良い
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